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四勇冒険記 〜勇者として召喚された者たちの果てなき旅路〜 【2月以降に次話投稿予定】  作者: K.R.
悲劇の別れ編

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第95話「乱極化」

これで伊村パートは終わりです!

あとネタが尽きたので新しい展開が思いついてストックがたまるまで休載します。

連載再開は未定ですがどうかよろしくお願いします。


カッ!

ドキュオオオォォォーーーン!!!



天空から突如として落ちてきた虹色の稲光が、プランズムの捕食器官を直撃した。


コオオオオオオーーーーー!!


稲妻が落ちた瞬間、内部から信じられないほどの轟音が響き渡る。

直後、狐色の光柱が地を突き破るように上へと伸び、捕食器官の蓋を貫通して──何者かが、そこから姿を現した。


ズズオオオーーーッ!

シュルルルーーー!!


自身の体内から何かが飛び出したことに激昂したのか、プランズムは怒りに任せて二本の鞭を伸ばす。

目の前の“それ”を串刺しにしようと、猛然と叩きつけてきた。


ドグァーーーン!!


だが……その攻撃は、すべて無駄だった。

放たれた鞭は空を裂くこともできず、その“何者か”によって跡形もなくバラバラに引き裂かれていた。



◇ ◇ ◇



一面が白に満たされた、何も存在しない空間の中心部にて。

紫髪の大柄な男、アルメシアの創造神・アデンが、水色に輝く水晶玉を手にじっとその中を見つめていた。


「…………、久し振りに北本君や伊村君たちの様子を近くから見てみようと思ったら……」

「まさかこんな事になっているとはね………」


水晶玉の中に映っていたのは、グリードたちを捕食したS級モンスター"プランズム"。

そして………それと相対する、ある一人の人間の姿だった。


黒と青の入り混じったような髪、紫がかったオーラを纏い、瞳には鋭い光。

その男はまっすぐに、プランズムを睨みつけていた。


「……“乱極化(エクシンド)”」

「君の仲間が喰われた事が原因か? いや………」


アデンの表情が、微かに揺らぐ。

水晶に映るその人物の変貌ぶりに、創造神である彼ですら動揺を隠せない。


「“無力感”や”絶望感”、“怒り”、“憎しみ”、そして………“後悔”が、君をその姿にさせたのか……? 伊村君(・・・)…………」


その名前には聞き覚えしかなかった。

かつて捕食されたはずの少年にして、アルメシアへ召喚された転移者である"伊村綾太"。

アデンは彼の名をぽつりと呟く。


「……いずれにせよ伊村君」

「君が限られた人間しか発現する事が無いとされていた、複数の強い”マイナス感情(・・・・・・)“が入り混じるという条件を満たし……」

「あの”神”をも超越しうる変身を、意のままに使いこなせるのだとしたら………」

「……君はもはや、“普通の人間”じゃない」


しばし思案したのち、アデンは静かに笑みを浮かべた。


「……ふっふっふっ、伊村君の将来が楽しみだよ★」


そう言い残し、彼は亜空間から姿を消したのだった。



◇ ◇ ◇



「……………」



プランズムと対峙する伊村。

その姿は、今までの彼とは全く異なっていた。


普段かけている眼鏡は無く、髪は黒と紺の入り混じった色合いに変化。

瞳は碧く、そして生気のない死人のような曇りを帯びている。

衣服もまた、黒と青が溶け合ったような独特の装いに変貌していた。


彼は一切の言葉を発しない。

静かに、ただその場に立っていた。


ズズアオオオッ!


プランズムが咆哮し、激しく地を蹴った。

鞭を切られた怒りからか、今度は根に似た下肢を動かし、自らの体躯で伊村を踏み潰そうとする。


「………!!」


だが……伊村の姿は、もうそこにはなかった。


一瞬にして横方向に移動し、次の瞬間にはプランズムの巨体に向けて、数十発にも及ぶ拳の連打を浴びせていた。


ドグォォォンッ!!


轟音が大地を揺らす。

伊村の拳が叩き込まれた場所は凹み、木々を薙ぎ倒して周りの地面に半径数十メートルの巨大なクレーターを残す。


ズズオオオオォォォ………。


プランズムは、崩れた。

捕食器官からは黄色い消化液が溢れ出し……、その生命反応は、完全に消えていた。



「………、くっ!?」



伊村の勝利はもう疑いようがなかった。

しかしその直後、彼は胸に手を当てて表情を歪める。


苦悶に耐えかねて膝をついた瞬間、彼の身体が黒と青から、元の黒髪黒目の姿へと戻り………

限界を超えた反動に耐えきれず、その場にばたりと前のめりに倒れ込んだのだった。


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