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松本という漢  作者: 時田総司(いぶさん)


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第十三節 イブキVS.延安

 第十三節 イブキVS.延安


それは、とある昼下がりの事。

中学生で帰宅部のイブキは颯爽とアフター4を楽しんでいた。


「ぼっけもーん! ぼっけもーん! っと」

「ガシャガシャ」

テレビにゲーム機のコードを取り付けているイブキ。

そこへ――、


「プルルルル! プルルルル!」


電話が掛かってきた。

「! 今いいとこだったのに――‼」

怒りつつも電話に出るイブキ。




「ッダロガ! ケカスゥ――‼」




「キ――ン」


電話先の主は耳を傷めたようだった。


「うるせぇよ! 俺がだれか分かるか?」

「知らねぇな。300万用意して出直しやがれ」


電話主に返すイブキ。


「の! ぶ! や! す! だよ延安。今、一人か? 一人なら今から言う場所まで来い」



「あ?」



延安に対して強気なイブキ。


「あ? じゃねぇよ。松本がどうなってもいいのか?」

「ああ、松五郎のコトか。それなら心配いらん。ヤツは誰よりも強いからな。それより学校の方はどうした? 高校生はまだ放課後には早いだろう? そんなんじゃあお母さんを泣かせる事になるぞ?」

「だ、ま、れ! 学校はサボってんだよ。それにうちは放任主義でねぇ。そっちも心配ないんだよ」


イブキと延安の掛け合いは続く。


「あ? 聞こえね。聞こえないねぇゴミだから。ゴミゴミの実を食べたゴミ人間だ……あっ間違えた。ゴムゴムの実を飲んだゴム太郎だ……!」

「……(わけ分らん‼)クソ、呪ってやる。呪い殺してやるぅう……!」



「ガチャ‼」



イブキの意味不明な発言に耐えられなくなった延安は、遂に我を失い電話を切った。


「ふぅ……他愛のない相手だったゼェ」


そしてイブキは勝利の余韻に浸っていた。一方の延安は――、


「許さんぞ、イブキめ! 呪ってやる……‼‼‼」


頭部にロウソクを着用、白装束を纏い、手には釘と藁人形を持っていた。



「カツーン! カツーン! カツーン!」



延安は真昼間であるのにも関わらず、イブキを呪い始めた。


その頃、イブキは――

「やっほい! 放課後のポテチとぼけもんは最高だぜ!」

ポテチとゲームをたしなんでいる。瞬間、


「グサリ」

「⁉」


心臓付近が痛んだ。


「な……に……?」

胸に手をあてるイブキ。


「コレはどういうコトだオッラーン‼‼‼」


正気を失っている。ボカボカと胸を叩き始めた。




(冷静になるのじゃ……)




「⁉」

イブキに謎の声が届いた(幻聴じゃないよ)。



(冷静になって、心の目を研ぎ澄ませるのじゃ……)



「アレは……神様……?」

イブキは神の声を聞いた。


(目を閉じて、感じろ)


イブキは目を閉じでポテチを拾った。


(コレは……のり塩……⁉)


目を開ける。……うすしお味だった。




「オッラーン‼‼‼」




イブキは神を二度三度、蹴った。


数分後、イブキは口を鏡の前で開けてみた。真緑色になっていた。

「こ……コレは……」


(ピシュ――ン)


再び神の声が……


(これは呪いの一種じゃ。イブキよ、其方は呪われたのじゃ。延安に……)


「か……神様……。私めはどうしたら……」

助けを懇願するイブキ。


(イブキよ……。呪いを返すしかない。呪いを……呪いを返すのじゃ……)


「か……神様、アレは禁じ手のはずでは……?」



(……)



何も返事が返って来ない。




「か、神様! Comeback‼‼‼‼」




数分後、イブキは苦悩に表情を曇らせていた。


呪い返しについて、説明しよう! 呪い返しとは通常、呪われた対象が、周りの弱い人間に呪いを移してしまう事を言う。残念ながら、呪った張本人を呪い返す事では無いのだ!


心優しきイブキは周りの弱きものを守らんとしていたため、安易に呪い返しを行うことができなかった。


「チックショー。こんな時、ナ〇トならどうしてたっけか? シ〇マル、キ〇、リ〇、ネ〇……ネ〇⁉ そうだ! ネ〇兄さんの百眼なら……‼‼」


何か思い付いたイブキ。目を閉じ集中する。



(イメージだ……チャクラの動きをイメージするのだ…………見えた!)



イブキには自分の心臓部へと通っているチャクラの動きが見て取れた。



「見つけだぞぉ……もう離さん……! 喰らえ! 攻撃直接呪い返し‼」




「スシャアアア」




イブキの赤いチャクラは自分の心臓部を伝って一方のチャクラの送り主、延安の元へと猛スピードで駆け巡った。


「ん?」


そして……



「ピッシャアアアアアア」



延安の皮膚という皮膚が全部千切れて弾け飛んだ!


「いった――――い‼‼‼」




延安、死す!




片やイブキは――


「はぁ、はぁ……」


精魂尽きた様に、肩で息をしていた。


「バタンッ」


仰向けで横になる。

「延安……か……」

汗を拭う。

「手強い相手だったぜェ……」




突如として物語の舞台はあの病院へと移り変わる。


「おシゲの旦那ァ……開放時間ですぜィ?」

「ほっ」

少しふざけてみる看護婦さん。それに対し、いつもの様子のシゲミ。

「ガチャガチャ!」

扉の鍵を開ける。そして、シャバの空気(?)を吸うシゲミ。


「ほっ」


嬉しそうにしている。

「そうだ!」

「?」

「ここの病棟、オセロや将棋のセットがあるから、他の患者さん達とそれで交流してみたら?」


「……」


看護婦さんの提案に対し、考え事を始めるシゲミ。


「ハイは?」

「ほっ」


ホールに着くと、早速将棋盤を持っている患者(女)に出会った。

「一局してもらえますか?」

「ほっ」

将棋の対決が始まった。シゲミは後手である。患者は歩兵を指で拾い上げる。

そして――、




「ッターン!」




歩兵は三段進み、1筋横に動いた。桂馬も驚きの二歩度外視である。


「ほっ⁉」


シゲミは驚愕した。そして思う。

(こういうゲームなの?)

一方の相手は

「ぶつぶつ」

何か小声で呟いている。シゲミは恐る恐る、ルール通りに駒を進めた。そして、歩兵を一つ、奪った。瞬間、患者は声を上げた


「覆るかも知れない……」




「⁉」



シゲミは恐怖した。

(この後何かあるの……?)

不安に思いながらも、シゲミはルール通り指していくのであった。



「覆るかも知れない……」



13分くらいが経過しただろうか?シゲミはルール通り指していって相手の王将を奪った。

「あっ、貴方の負けです……」


勝利宣言のシゲミ。



「覆るかも知れない……」




「ほっ⁉」




シゲミは自分の理解の範疇を超えた女に出くわして恐怖していた。すると、

「調子悪そうだねぇ。戻ろっか?」

看護師さんが様子に気付いて声を掛けてくれた。


「う、……うん」


シゲミの今回の部分開放は、数分で終わった。


(女はコワイ……もう二度と、ワシは将棋をせん!)


少し怒り気味のシゲミであった。


(それにしても……)


シゲミは考える。


(にわかに信じがたいにわかだったな……)


誰が上手いコトを言えと?


とある週末――、




松本は買い物に出かけていた。すると、



「カツーン、カツーン」



礼の黒服達が4,5人姿を現した。

「……何の用だ?」

身構える松本。

「ですから佐藤さん、例の取り引きの品についてなんですがね……」

「俺は松本だ!(マズいな、またチャカの一つや二つ持ってそうだぜ……ここは)」

「ピッ」

携帯を取り出す松本。




「すいさん、ちょっくら来てくれ。〇×公園の近くに居る」


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