共同生活0日目~彼らのとの出会い1~
「アホかお前!こんな森ん中ぼけーっと歩いて!
俺らがおらへんかったら落ちて怪我じゃすまへん、
山道は滑りやすくて危ないの知らんのんか!」
目の前の黒い服の彼がいきなり大声で怒鳴った。
「ご、ごめんなさい……」
「黒兎、そんな言い方ないやろ。君、怖かったやろ?
大丈夫か?」
私の体を支えてくれた白い服の彼が、心配そうな目で覗きこんでくる。
「おーい!その子の荷物これだけかな?あ!鞄にくまもんついてる!僕もくまもん大好き~」
後ろを振り向くと、黄色い服の男の子が私の荷物を拾ってくれた様で、両腕に抱えてニッコリとこっちを見ている。
「ねぇ瑞黄、今の僕、戦隊アニメのヒーローみたいでめっちゃかっこよくなかった?!」
ピョンピョン飛びはねながら興奮している赤い服を着た男の子。
「なにその子。ってか暑い。紫外線は肌の大敵だし。虫もいるから山は嫌だっていったじゃん。」
私を上から下までじーっと見た後プイッとそっぽを向いたのは緑色の服を着た男の子。
「おい。いつになったら虫に慣れるんだよ。それにしてもマロンが危険を察知して吠えてくれたから助けられたんだろぉ?なぁ?マロンっ」
コリー犬かな?紫色の服を着た男の子が可愛いわんちゃんに頬擦りしながら言った。
「お前ら煩い。彼女びっくりしちゃってんじゃん。翠、いきなりそんなにジロジロ見ないの。君大丈夫?腕のとこ切れてるね。すぐ手当てしてあげるから。ちょっと我慢して」
優しげな微笑みで私を見つめ、どこから取り出したのか消毒液と包帯を取り出して手早く怪我の手当てをしてくれたのは、青い服を着た男の人。
「ちょいちょいちょいちょーい!一番かっこよく助けた僕の事は無視かーい!」
赤い服を着た子がガックリ肩を落としている。
なんだか賑やかな人達。
皆綺麗な顔立ちをしている。
「あの!ありがとうございましたっ。」
突然目の前に表れた7人の彼らに呆気にとられながらひとまずお礼をいった。
「助けてもらっちゃってすみませんっ!私、星美町ってとこに行きたくて、それで近道だと思ってこの森を抜けようと思ったら迷っちゃって。それで。」
早口で喋っちゃった。変な子と思われちゃったかな。
「あれ。君どこかで?」
??全員にじっと見つめられた。なんだろう。
「ううん。まさかね。_星美町ならもうすぐそこ。この先を抜けたとこだよ。ほら」
黄色い服を着た男の子が指をさす先を見た。
「え?」
さっきまで下を向いたまま歩いてたから気づかなかった。
顔をあげて透き通った風が通り抜ける木々の隙間に目を向けると、町の真ん中を綺麗な川が流れ、オレンジの屋根が連なる景色が広がっていた__
綺麗……私ここからの景色、見たこと……ある?