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出番ですか?  作者: 五月女ハギ
学園生活開始
93/96

『あな恋』の少女その4

お久しぶりです。ほぼ読み専と化していました。すみません( ̄▽ ̄;)


 こんなの、おかしいわ。


 上目遣いでちょっと褒めただけで、コロっといっていた奴らが最近婚約者と仲が良いのよ。

 彼女は俺の気持ちをわかってくれないって言ってたの、ちょっと前じゃない!


 攻略対象者との逢瀬がなかなかうまくいかないから、自分の実力を見定めようと粉をかけたら、あんなに簡単に尻尾を振ってきたくせに。

 ま、あたしに魅力があるのは分かったし。そろそろ本格的に動き出さないとヤバいから――


「痛っ!」

「うわっ!なんなんだお前!」


 廊下で出会い頭にぶつかって跳ね返されたわ。なに、この小デブ。


「どこに目をつけているんだ!避けられないくせに廊下を走るな!」

「そっちだって避けられていないじゃない!」

「なんだと!」


 あたしと小デブが言い合っていると、周りに人が増えてきた。ん?なに?コイツ侯爵家の跡取りなの?ヒソヒソ声を拾おうと耳を澄ませば、そんな情報が聞こえてきた。

 ―――侯爵家か。私は養女だし、しょうがないなぁ。


「――申し訳ありません」

「分かればいい」


 でもね。あな恋にこんなキャラいた?侯爵家の跡取りでしょ?隠しキャラにしては小デブだし。


「……ふぅん」

「?何ですか?」

「なかなか可愛い顔をしているな」


 あら。正直者ね。だって私、ヒロインだもん。可愛いに決まっているわ。


「……この際、お前でもいいか」

「は?」


 ()()とはなによ、でもって。


「お前、名前は?」

「……モモ。モモ・リーコックよ」

「リーコック侯爵?娘がいたのか?」

「養女になったの。回復魔法が使えるから」


 ふふん。私は私の実力でここまで来たのよ。


「養女と言うなら、元の身分はもっと下か」

「はぁ?」


 なんて失礼なヤツなの!

 見目も良くないし!……あれ?痩せたらそこそこいいんじゃない?

 侯爵家だし、なくはないわ。女性の扱い方は、後でトコトン教えるしかないだろうけどね。

 本当はディラン王子かザックリーが良かったんだけどね。ザックリーもライトフット公爵家の跡継ぎだし。

 ただ、どちらともストーリーが進められないのよ。そもそも出会いのシーンすら起こせてない。

 なら、コレもあり……なのかしら?う~ん。


「しかし、回復魔法か……」

「国内では珍しいからって、大事にされてるわ」

「まあ、そうだろうな」


 腕を組んで考え始めたわ。回復魔法の使い手は、引く手あまただものね。

 あの男爵家がおかしいのよ。


「……リーコック侯爵家、だったな」

「ええ」

「ふむ。分かった」


 じゃあな、と軽く手を挙げ去っていく小デブ。やっぱり、痩せないと格好つかないわ。

 まあ、痩せさせるか。そうすれば隣に居ても問題ないし、身分はいいし。うん、そうね。取り敢えず、それで様子見かしら?

 なんて思っていたら、侯爵家に連絡が来たらしく、出会ってから十日しないうちに私はあの小デブ――アーネストのフィアンセになっていた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新ありがとうございます。 激しくお似合いのカップルだと思います。 小デブって誰だ?と思いながら読んでて、 名前みて「こんな奴もいたなぁ。」と思い出しました。 お兄ちゃんの格好良さと、その…
[一言] 更新ありがとうございます、待ってました。 花畑ヒロインが大外れを引きましたねー、マイナス同士でプラスになるのか、大マイナスになるのか? とりあえず、ミアちゃんが平穏なら良いなと思いますデス…
[一言] 更新待ってましたー!ありがとうございます! 宰相の憂鬱でどちらも泥舟って言ってたからリーコックのところに養子かなぁと予想してて、当たったと喜んでたら。まさかアーネストの婚約者とは!!びっく…
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