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出番ですか?  作者: 五月女ハギ
D&D
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D&D━━その3

今年もよろしくお願いします。

更新はまったりです(´・ω・`; )

 う~ん、よく分かりません。

 ということで、解決はお兄ちゃんにお任せします!

 私は屋敷を走り出ようとして、数人いる執事や侍女が蹲っているのに気付きました。ふらふらなのはお母さんだけではないのですね。


「大丈夫ですか?」

「お嬢様……大丈夫ですか?」


 いや、私よりみんなが大丈夫じゃないですよね。

 さっき、周りの魔力を使って魔法を使った後すっきりした気がするんです。

 よし、それなら沢山使いましょう。

 家に張った結界の強度を上げます。それからポンっと屋敷のなかを全部綺麗にしました。


「……少し頭が軽い?」

「少しは良くなった?」

「はい」

「今なら動けそう?きちんと座れる場所に移動してね」

「はい」


 やっぱり魔力が関係あるみたいです。

 私はお母さんの元に戻ります。


「お母さんお母さん」

「ミア!」

「なんだか魔力が関係あるみたい。そう伝えてね」


 よし、完了。

 領地を見てきましよう。


「分かったわ。ってミア?危ないから待ちなさい!」


 今、動けるのは私だけ。

 領地のために頑張ります!

 その前に、お父さんの執務室によって空の魔晶石が詰まっている袋を空間収納に全部入れました。街の魔道具の魔晶石が、魔力がなくなる度に替えていたのです。この空になった魔晶石に魔力をなんとか流し込みましょう。魔力が減らせるのでは。

 よし、頑張ります!




 領地を走ると、立てなくてその場に座り込んでいる人が沢山いました。

 台車みたいなもので運ぶしかないでしょうか。

 とりあえず、街の結界を強化しましょう。

 街中から街の外壁へと移動して、外壁の魔法陣に触れ、周りの魔力を使って結界を強化します。うん、完了。

 それから、街の外からの空気が入ってこないように優しい風をイメージして、街の周りをぐるぐるメリーゴーランドみたくずっとまわるように空気を動かします。

 そこまでして、街中に戻ります。ふらつきながらも立ち上がる人が多いです。

 港に向かっても、街中と同じ感じでした。


「もっと魔力を使わなくちゃ」


 再び外壁に向かいます。王都側よりも、開拓していない方から魔力が流れているような?

 より濃い魔力の方へ向かうと、ちょっとぐわんと頭の中が揺れているような気持ちになりますが、ここは根性です。気合いです。やってやります!


「えいっ」


 袋を縦に伸ばすように積み上げます。

 袋を撫でた風から魔力が減っていっている感じがします。

 揺れがだいぶマシになりました。


「あとは……」


 サザランド伯爵領の境界線は、結界を張っているのですけど、透明なので見た目では分からないのです。

 でも、たっぷり魔力があるのなら、忍び込めない壁を作りましょう。目指せ、万里の長城!です。


 私は転移で境界線の結界の場所へ飛びました。結界の中に壁を作ります。

 ……ここはイメージが大事。ちゃんと見たことのない万里の長城は無理です。テレビで見たけど、人がいっぱいいるなぁって思った記憶しか思い出せなかったです。

 それなら、日本のお城!

 一回だけ行って、テレビでちょっと見ただけだけど……解説も聞いたし、なんとかイメージ出来る、かも。

 始め緩やかな勾配のものが上部に行くにしたがって垂直に近くなるって言ってたはず。よし、イメージイメージ。


「出でよ、石垣」


 掛け声は何か違うと思いますけど、ズズンと音をたてながら高い壁が出来上がります。

 これを維持するための魔法陣を後日つけないと駄目ですよね。お兄ちゃんに相談しましょう。


 石垣も強化して、魔晶石の袋を置いた場所へ転移します。袋の中を覗くとキラッキラの虹色に輝いています。

 ……とりあえず空間収納にイン。お父さんに怒られる未来も見えた気がしなくもないのですが、今回は仕方ないんです。


 とりあえず、街中を見ながら屋敷に戻ります。

 あ、お母さんには怒られるでしょうか。

 でも、みんなの顔色がさっきより良くなっているみたいです。良かった。




「……」

「……」


 家に帰ると、お父さんとお兄ちゃんが来ていました。怒っています、よね?


「ミア?」

「ええと、報告があるんだけど」

「報告?」

「魔力過多だったみたいだから、家と街の結界を強化して。領地の結界も強化して、それから石垣も作ってきた」

「……石垣って……」

「領地を整備した時は魔力が足りなくて作れなかったけど、魔力が溢れてるから、使うためについでに作ってきちゃった」

「きちゃったって、ミア」


 お兄ちゃんが頭を抱えています。お父さんは呆然としていて、お母さんはため息をつきました。


「それからこれ」


 テーブルの上に魔晶石の袋を置きます。


「まだ魔力が多いから、どこかから空になった魔晶石を補充出来ないかなぁ」

「……もしかしてこれ?」

「うん。満杯」

「……」


 部屋の中には家族しかいなかったので、ちょっとだけあけたら眩しい煌めきが。

 何袋もあるんです。どうしましょうか。


「父さん。とりあえず、報告しよう」

「……報告?何を?」

「魔力が溢れているらしいことと、その対処方法を聞こう」

「ああ、そうだな。確か王城との緊急回線がつけてあったな」


 どうやらお父さんとお兄ちゃんで何とかしてくれるみたいです。緊急回線ってモルトハウス伯爵が連絡したものらしいです。わざわざ王都にまで行かなくても連絡が出来るなんて便利ですね。

 魔力をかなり使うらしいのですけど、しばらく気にしなくて大丈夫な量の魔晶石が今あります。うん、問題なし。

 私はもう何もしなくて大丈夫でしょう。

 ほっとしたら、体がだるくなってきました。


「ミア?」

「うん……」

「どうしたのって、熱があるじゃないの!」


 ほっとしたらどっと疲れてきました。

 お父さんもお兄ちゃんもいなくて、お母さんは動けなくて、自分で思うより気を張りつめていたみたいです。


「部屋まで連れていくよ」

「そうね。私は氷とか持っていくわ」


 お兄ちゃんに抱えられたところで、私は眠ってしまったようでした。

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