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はじめてはキミと  作者: けむけむ〆
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出会い

「えっ……!!」

何でわかったんだろ……この人もしかして、エスパーorメンタリスト??

「違うよ。」

またもや心の中を読まれてしまった……

クスッ。

「顔に全部出てるからわかるんだよ。」

そうふわりと笑ったのは朝に見かけたイケメン、久遠様と呼ばれていた王子みたいな人だった。


「えっと……じゃあ何で私が迷ってるってわかったんですか?」


またその人はふわりと笑って、

「だって、君噂の特待生で転入してきたんだよね?そしたら、大体校長室とかに最初は挨拶のために呼ばれると思って……

しかも、転入したばかりだから何処に行けばいいかわからないんじゃないかと思ったんだけど……」



ご名答でございます……


「…あの、それじゃあその校長室まで案内頼んでもいいですか??」


「もちろんいいよ?」


この人はこうやってどれ位の女の子を夢中にしてきたんだろう…………


そう考えると怖い……

天然なのか?あるいは計算なのか……

まぁ、それはさておき今は純粋に校長室に案内してもらえるのが嬉しかった。



「ここだよ。」

校内も庶民の私には豪華すぎてキョロキョロと辺りを見渡していると、いつの間にか校長室についたようだった。


品のある茶色の大きな扉。


「あの、ありがとうございました。久遠?

さん」


「お礼なんていいよ。転入初日は誰だってわからないし。

それじゃあ、もう行くね。」


またその人はふわっと微笑んで来た道を戻っていった。

私は深々と頭を下げてその背中を見送った。




ふう…………

誰だって校長室に入るのは緊張するものだ。


ガチャッ


「えっ⁉︎」


いきなりの校長室の扉が開いた。


「あぁ。今来たのか」


出てきたのは物凄く、その、何ていうか……

頭から光を放つおじさんだった。


「…………ハゲてる……笑」


少しその髪型がツボにはまってしまった。


「何か言ったかね?」


「いえ、何でもありません。」


「そうかね、それじゃあ立ち話も何だから中で話そうか」


「はい」

確かにそうだと思いながら校長室の中に入る


校長室は豪華というよりもシックな感じで品のあるお皿や、花瓶などが飾ってあった。


冷房が廊下よりもよく効いていて、心地よい。そして、校長の髪がそよそよ、そよそよと揺れている。

笑いそうになるのをなんとかこらえた。


「それじゃあ、まずはこの学校の授業、行事のことから話そうか。」


一通り説明を受けた私は校長室を出ようと座っていたフワフワのソファーから立ち上がった。


「初めはなれないかもしれないが、頑張るんだよ」


「はい、失礼します」


ありがたい一言もいただいて、私は校長室を後にした。


「この学校の人って、優しい人ばかりだなぁ……」


そう思いながら歩いていると、


(ゆい)君、何でそんなこと言うの?」


「だって、一回したらなんか飽きたっていうか……なんかもう、面倒くさくなって来たんだよね〜」


「唯君、ヒドイですわ……グスッ」

これは……

可愛い女の子が目にいっぱい涙を溜めて泣きながら走って行った。

少し女の子が気の毒だった。


何も見ていない。聞いてない……


「バッチリ見てたよね?」


ゲッ……バレてたの??


「す、すみません盗み聞きという訳では……。聞こえてしまったんです……」


「ハァ、転入初日からいい趣味してるね」


「ちがッ……」

その瞬間いきなり唯君?の顔が近づいて来た


「えっ⁉︎」

ずっと目を見つめられる。

うわぁ……

この人もさっきの久遠さんと同じくモテそうだなと思った。(実際モテてたけど…)

パッチリとした二重の大きな目に、女の子みたいに長いまつ毛。

はっきり言って女装したらそこらへんの女の子よりも可愛いと思う。


「もしかして、ボクに見とれてた?」


「……違います……」


「図星だね」


唯君はニヤリと笑った。



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