第七話 一人の先生として
あれからあの街で雨宿りさせてもらって旅を再開した。
長老からはまたいつでも来てくれていい、
その時は歓迎すると笑って言ってもらった。
二日ほど歩いた後エルフの街に着いていた。
そこは獣人の街より栄え魔法がはびこる街だった。
「ねぇ、シオン、エルフは私の魔法になんて興味がないの、あの街のように上手くはいかないよ」
「きっと不完全な魔法だと思われるだけ…」
「大丈夫、僕に任せて」
自信アリげに尻尾を揺らしシオンは言った。
早速シオンは派手な魔法を使う街のエルフ達にに話しかけた。
「貴方達の魔法すごいね、でも、生活に役立つ魔法に興味はない?」
「何の話だ、そんなの覚えてなにになる」
「いいから、ちょっと見てなよ」
「母さん、お茶淹れて!」
「ええ…」
不安そうにステラがお茶を沸かす。
沸かせたらすぐにシオンに渡した。
「うん、いつもの味だ。」
「とっても美味しいありがとう母さん、」
「貴方達には出来るの?」
「はっ?そんなの簡単に…」
出来なかった。
温めていたお湯が噴射されたり
あまりにも熱くなりすぎて触れれなかったり
指から火柱を出してしまったり
ステラが沸かす『温かい』お茶を沸かせるものは居なかった。
「ねぇ、完璧なエルフ様ができないことあっていいの?」
「お前…」
「母さんに教わったら?」
「母さん優しいから見捨てたりしないし、エルフ様的にも生活が便利になる魔法なんだから覚えていて損はないでしょう?」
「シ、シオン?!」
「いいじゃん!母さんの優しい魔法が広まるよ!」
嬉しそうに笑うシオンを見てステラも少し嬉しい気分になった。
この子本当に私の魔法が好きなんだ、
そう感じられた。
「……そうだな、こちらにも損はない、」
「それに我々が使えない魔法があるわけないからな、コツを掴めばすぐ使えるようになるだろう」
「でしょ!」
「母さんはそれでいい?」
「私なんかが教えていいの?」
「いいんだよ、母さん出ないとダメなんだ」
「でも…」
「大丈夫だよ、母さん、僕が着いているから安心していいんだからね」
そう言いながらステラの手を優しく握る。
ステラは不安な気持ちはありつつも少しだけ自信が出てきたのでした。




