第六話 必要とされる魔法
二人はある街を訪れていた、
そこは魔法を嫌う獣人が集まる街。
「シオン、本当にやるの?」
「うん、大丈夫だよ」
そこは獣人の街なだけあってすごく静かなところだった。
ただし、あまり栄えておらず少し肌寒い。
雨も降ってきてより一段と冷えていた。
皆が寒さに震えている。
それを見てシオンはステラにお願いした。
「母さん、いつものお茶淹れて」
「ええ、いいけど、」
ステラが魔法を使うと皆が注目した。
最初は罵声ばかりだったが、
自分たちに害がない事がわかり不思議そうに見つめられる。
「できたよ、」
シオンにそのお茶を手渡す。
「うん、とっても温かいね、少し苦いけど」
「ごめんね、煮すぎちゃう…」
「うんうん、僕母さんの味好きだからいいんだよ、」
「ねぇ、皆さんもどう?」
見ていた獣人に聞く
少し老いぼれた老人が前に出てきた長老だろうか?
「なんだね、それは」
「魔法だよ」
「そんなはずはないだろう、魔法は山を割ったりこちらに敵意を向けてくるもののはずだ」
「母さんはそんなの使えない、でも変わりにこんなに温かいお茶を出せるんだ」
シオンが誇らしげに長老にお茶を手渡す。
皆は辞めたほうがいいと長老を止めようとしたが
聞かず一口飲んだ、
「どう?」
「とても温かい、驚いた、君、本当にエルフなのかい?」
「はい、ハーフですけど…」
そんな会話をしていると
ゴロゴロと雷がなる
皆身構えたがなぜか耳が痛くなることはなかった。
「母さん、また無意識に『音を聞こえづらくする魔法』かけたね、こんな大人数にかけたらまた魔力枯渇してフラフラになるよ」
「でも、みんな痛いでしょ?」
「本当に君は優しいんだね、わしらが知っている魔法を君は使わない」
「温かい魔法を使ってくれる」
「そうでしょう?」
「母さんは凄いんだ」
ステラ本人より嬉しそうにシオンが言う。
「わしらは君たちを勘違いしていたようだ、魔法は今でも嫌いだ。だが、」
「君の魔法はわしらにも必要で怖くないものだ」
「母さん、言ったでしょう?」
「母さんの魔法は凄いんだよ」
「……ありがとうございます」
ステラは嬉しそうに微笑んでいた。




