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1000年の孤独とそれを愛で埋めた100年  作者:
第一章 与え合う愛
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第二話 苦労

ステラは図書館に来ていた。

人間の血を引くステラは人間の育て方はなんとなく想像がつくだが、獣人の育て方など見当もつかなかった。

ステラの机のうえにはたくさんの積んである。

虱潰しに読む、

それしかステラにはできなかった。


・獣人の耳はほかの種族よりいいこと

・尻尾を洗うときは絶対に引っ張らないこと

・人間の赤ちゃんにはミルク

・獣人の赤ちゃんには肉を


「ミルクに肉?」

ステラにはエルフのような賢さも人間のような器用さもない。

混乱が限界に達していた。

「もう、わかんないよ…」

わけがわからず半泣き状態で、思わず声を張り上げてしまった。


「う、うっ、うわーん!」

静まり返った、館内にシオンの泣き声が響き渡る。

すぐさま周りの冷たい目線がステラ達を襲った。

「シ、シオン、ごめんね、」

慌ててあやすが冷たい目線はやまない。


混ざりものの赤子と出来損ないのハーフエルフ二人は存在自体がこの世界においての異常だった。


「ごめんね、シオンにはきっと何倍にも大きく聞こえているんだよね」

「うるさかったよね、」

「気づけなくってごめんね、」


涙声で優しく耳を塞ぐようにして何度も何度も謝りながらステラは図書館を飛び出した。


「ごめんね、ごめんね、シオン、私なんにもわからない…」

「魔法も上手く使えないし貴方のことをちゃんと理解してあげられない…」

「やっぱり私、みんなが言う通り不完全なんだ…」

シオンを抱きしめ外で泣きじゃくる。


そんなステラを見てシオンは優しくステラの頬を触った。

「慰めてくれるの?」

「うっ?」

きょとんと何も分かってなさそうな顔をしているがステラは嬉しそうに笑う。


「ありがとう、シオン」

再び立ち上がりとりあえずミルクを買いに行くことにする。

「ミルクは獣人にとっても毒ではないから大丈夫、」

図鑑の片隅にあったその一行だけを信じて、ステラは露店へと向かう。


(いつか、大きな声を出さなくてもいい魔法を覚えるから。あなたが世界を「怖い音」だらけだと思わないように)

自分の選択が正しいことを願いながら、不器用な母親の一歩が再び刻まれた。

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