第四話 この魔法を未来へ連れて行って
「ねぇ、ミラお願いがあるの」
ある日ステラが切り出した。
「どうしたの?先生改まって、」
不思議そうにミラがステラの顔を見る。
「貴方に『音を聞こえづらくする魔法』を未来へ連れて行ってほしいの」
「えっ?まだ誰も使えない魔法だよね?」
「ええ、でもきっとミラなら使えるようになると思うの」
「頑張って覚えるけど、どうして急に…」
「私はもう長くない」
「でも、私シオンとした約束があるの、あの子マイペースな所があるから、私がいなくなってから産まれてきてしまうかもしれない、その時は貴方がシオンを守ってあげて欲しいの」
優しくそして力強い瞳でミラを見つめる。
「分かったよ、先生」
「シオンさんのためにみんなのために私が『音を聞こえづらくする魔法』を絶対に覚えてみせる」
「私もあの魔法大好きだし、無くなるのなんて嫌だから、」
ミラも何度もこの魔法に助けてもらっていた。
この魔法のおかげで世界が少しだけ怖くなくなった。
世界の音も愛せるようになった。
だからこの『音を聞こえづらくする魔法』がどれだけ温かくて優しいものであることをよく知っていたのだ。
この魔法を未来に繋げたい。
この魔法を無くしたくない。
その気持ちはすでにミラの心のなかにあった。
「何度失敗したっていいんだからね」
「分かっているよ、先生のシオンさん育児日記にも書いてあったもんね」
「失敗したって」
「その話はやめて!恥ずかしいから!」
顔を真っ赤にして恥ずかしがるステラを横目にミラはケラケラ笑っている。
「あー!もう!さっさと始めるよ!」
「はーい!先生!」
いつものように授業が始まった。
少し難しいけどきっと何度も失敗しながらミラは覚えていくだろう。
あの時のステラがそうだったように




