第二話 苦いお茶
「お前、聖母様と同じ名前なのになんでこんなに出来損ないなんだ!」
「ごめんなさい…」
ステラは聖母ステラとして扱われることはなかった。
ただ、名前が同じ出来損ない。
それがみんなの評価だった。
「先生は出来損ないなんかじゃない!」
「俺らを誰よりも理解してくれる優しい先生だ!」
「聖母様より暖かいんだから!」
彼女の生徒たちがステラのために必死に叫ぶ。
「ちっ、めんどくさ、」
そう呟きエルフの先生はどこかへ消えた。
「大丈夫?!先生!」
「大丈夫、ありがとう、みんなうるさくなかった?耳痛くなってない?」
自分の教室に獣人の子が多いことを理解しているステラはすぐに問いかけた。
「何を言っているの、先生また無意識で『音を聞こえづらくする魔法』私達にかけてたよ!」
その事実を知るとステラは安心したかのように呟いた。
「良かった…」
「じゃあ誰も耳痛くないんだ、」
「先生自分のこともっと気にしなよ!」
「また、魔法使いすぎてフラフラになっても知らないからね!」
「ありがとう、みんな、」
「先生!今日は私達でお茶淹れてあげるから休みなよ!」
「いいね!それ!」
「よし!みんなでやろ!」
「えっ?」
「いいでしょ!?」
自分のために一生懸命になってくれる生徒たち
ステラは嬉しくてたまらなかった。
例え、偽物の自分と比べられそれのせいでたくさんの罵声を浴びたとしてもここはステラにとって間違いなく幸せな居場所だった。
「先生〜!できたよ!」
「ありがとう…」
一口飲むとすごく苦い。
自分が作るお茶よりも苦い苦い味。
でも、みんなが自分を思ってくれたと思うだけで自分のお茶よりもいや、エルフ達が淹れる完璧なお茶なんかよりも美味しく感じた。
「うわ、苦!」
「飲めないよ、こんなの…」
「先生ごめんね!飲まなくていいよ!」
「うんうん、すごく美味しいよ、」
ステラは誰よりも幸せそうだった。




