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どうしてこうなった

 美人で可愛い子からとんでもないセリフが飛び出してきたな……


「え、えーと……ごめん。もう一度言ってくれるかな?」

「脳筋くそったれ害悪ゴミカスオーガ族に復讐がしたいんです!」

「……………………………………」


 聞き間違えじゃなかった……

 さっきより長くなってるし……


「り、理由を聞いていいかな?」

「ボクはエルフの里で暮らしていたんだけど、ある日突然オーガ族に襲われたんです。それで故郷を焼かれ、里の住人も親も殺されてしまったんです……」

「そ、そうだったのね……」


 オーガ族は角が生えていて強靭な肉体をしている種族だったな。

 個体数は少ないが強くて厄介な種族らしい。


「ただ襲われただけならまだよかったかもしれない。でも襲ってきた理由は何だと思います!?」

「え、いや……さ、さぁ……分からないな……」

「あいつら『エルフがどれだけ強いのか知りたくなった』とかぬかしやがったんですよ!? つまりボクの同族はオーガの暇つぶしで殺されたんです! ふざけるな! そんな理由で襲うなんてどうかしてる! 脳筋オーガめ! だから嫌いなんだ!!」

「そ、そうか……」


 思った以上に悲惨な過去を経験していたんだな……


「だからオーガ族を滅ぼすのを手伝ってください! お願いします!」

「…………考えとくよ」

「本当ですか!? ありがとうございます!」


 笑顔でとんでもないこと要求してくるのね……


「そ、それならアタシからも頼みがある!」

「あ、うん。リリアーヌもしてほしいことがあったら何でも言って」


 リリアーヌも酷い状態だったけど……まさか……


「アタシの頼みは……ある国の国王をぶっ殺すことだ!」

「………………」


 うん。何となくそうくる予感はしていた。


「い、一応理由を聞いていいかな?」

「アタシは村で平和に暮らしていたんだけどさ。そこに国から傭兵になるように命令してきやがったんだ」

「傭兵……」

「最初は断ったさ。そうしたら奴らは村と家族を人質にとりやがったんだ! 戦争に参加してくれるなら解放してくれるという条件をだしやがった! だからしかたなく奴らに従う羽目になった」

「そ、それは大変だったな……」

「それからは戦争に駆り出されることになって全力で戦った。必死に戦ったよ。それでようやく戦争も終わって村に帰ったら……そこは焼け野原だったんだ……!」


 嫌な予感はしていたが、マジでそんなことになっていたとは……


「アタシは怒りのあまりに国王をぶっ殺しに行ったさ。けど兵士たちに邪魔されて返り討ちにあってこのザマさ……はは……」

「…………」


 こっちもセシリアと同じぐらい悲惨な目にあってたのか……


「君も酷い目にあってたんだね……」

「そっちこそひでぇ経験してたんだな……」


 セシリアとリリアーヌはお互いに同情するような表情で見つめあっていた。


「ボクは大したことはできないかもしれないけど、君の力になるよ!」

「アタシもセシリアに協力するよ。一緒にがんばろうな!」

「うん! よろしくね! リリアーヌ!」

「ああ! よろしくなセシリア!」


 そしてお互いにガッチリと握手を交わした。

 似たような経験をした同志だからなのか、通じ合うものがあったらしい。


「そんじゃさっそくオーガ族の連中をぶっ殺しにいくか?」

「あ、リリアーヌが先でいいよ」

「いいのか?」

「どうせオーガ族は戦い以外は面倒臭がり屋だからね。いつでも襲えるよ。そっちは国王に復讐したいんでしょ? だったら誰かにやられる前に急いだほうがいいと思う」

「そっか。奴らはまだ戦争続けるつもりだったしな。それならすぐにでも行動したほうがいいのか」

「うん」


 そして2人は俺に振り向いた。


「まずは王都マルセールに向かおうぜ! そこに復讐したい国王がいるからよ!」

「ご主人様! ボクもリリアーヌの復讐を手伝いますから! これからがんばりましょうね!」

「アタシの復讐が終わったらセシリアの番だからな! 忘れんなよ?」

「…………………………」


 俺はただ奴隷の女の子とイチャイチャしたかっただけなんだ。


 ハーレム作って平和に暮らせればそれでよかったんだ。


 どうしてこうなった……

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