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ダンジョンコアでマジョリティ&ロイヤリティ  作者: くろのわーる
第3章 横跳び界隈

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90話︰成果



 朝から始めたサイドステップもお昼になったことで一旦休憩に入る。


 美嘉隊長の熱血な指示を無視した俺達のペース配分は完璧で程良い疲れで午前中の訓練を終えた。


「ご苦労様」


 休憩と成果を聞くの為に会長室へと入ると第一声に陽輝から労われた。


「美嘉、2人の調子はどうだ?」


「全然!言う事聞かないわ!」


 膨れっ面の美嘉を見て、陽輝は俺達に肩をすくめる。


「まだ初日なんだ、大目に見てやれ」


 陽輝の大人な発言とは違い、美嘉は「プイッ」と首を振ってソファーにもたれ掛かる。


「それでどれくらいダンジョンポイントが貯まったんだ?」


 サイドステップなんていう結果が分かりづらく、何より人様のダンジョンでの行為とあって、ポイントを聞かないとモチベーションが上がらない。


「……そうだな、正確な数字が出せないことは分かってるとは思うが大体、今ので300万DPってところか」


「マジか……」


 思ってた以上の数字に驚く。


 モンスターハウスで1日中、マラソンを繰り返しても約30万DPだったのにサイドステップは僅か半日でその10倍。


 あの苦労はなんだったのか…。親父が聞いたら発狂しそうだ。


 なんせあのマラソンのせいで豚肉を見るだけで今では泣き出すくらいなんだから。


「とりあえず、颯夜が稼いだダンジョンポイントはスキルクリスタルに交換しておいたからこれ使って午後からはもっと頑張ってくれ」


 陽輝から渡されたスキルクリスタルは《身体強化》と《超回復》の2種類。


「なんでこの2種類なんだ?」


「その2種類のスキルを最初に極めるのが効率がいいんだよ」


「経験者は語るってやつか……」


「それ2人分だからな!一人で使い切るなよ!」


 そんなことは言われなくてもわかっている。


「モコ、おいで」


 俺は迷うことなく、スキルクリスタルをモコに使った。


「おいっ!2人分って言っただろうが!」


「はいはい、分かってるって!それより陽輝、サイドステップが出来る境界線大きく出来ないか?」


 陽輝や美嘉は唯衣の正体が摂理を外れしアルティメットスキルだということを知らない。


 教える予定もないけど。


 なので唯衣のスキルクリスタルを渡してきたんだろうが俺のスキルレベルが上がれば、同時に唯衣のスキルレベルも上がるので受け取ったスキルクリスタルの半分はモコにあげようと思ってる。


「出来るが今の広さで十分だろ?」


「いやいや、モコ達とも一緒にやりたいからさ」


 実際、3人でサイドステップをしている間、モコは退屈そうにしていた。


「それにモコは仲間外れを嫌うし」


ウォン!(そうよ)


「……分かった。午後からは出来るようにしておくよ」


 陽輝は余計な仕事増やしやがってとブツブツ言いながら拡張に取り掛かった。


 俺は受け取ったスキルクリスタルの半分をモコに使い終わると唯衣に声を掛ける。


「唯衣、体動かしてお腹減ったから家に帰って、ご飯食べようぜ」


『そうね、今日は何かしらね』


ウォン!(牛肉が良いわね!)


「私はハンバーグが良いわ!」


 ちゃっかりと美嘉が加わっているが誰も何も言わない。


 面倒事は午前中でお腹いっぱいだ。


 秘密基地のダイニングでは人型が6人とモコ型4匹、猫型1匹で賑やかな昼食となっていた。


「えっ!?そのサイドステップすると体型を維持出来るの!?」


 午前中のサイドステップに最も喰い付いたのはウチの母親だ。


「ちょっと、あなた!私達も一緒にやりましょうよ!」


 母親のやる気とは反対に父親は乗り気でない。


「い、いや、午後も仕事があるから俺は遠慮して……」


「最近、お腹まわりがまた太くなったんじゃない?」


 現実を突き付けられた親父は沈黙する。


「お腹の出た旦那なんて、100年の恋も冷めるわね!」


「そうよね!」


 母さん一人にも勝てないのにそれが2人になった日には勝ち目はない。


「……はい、お供します」


 俺は夫婦円満の秘訣を見た気がする。


 昼食を済まし、ひと休憩入れてから再び会長室に戻る。


 ゾロゾロとその人数は午前中の倍に増えていた。


「なんで倍以上になってるんだよ……」


 この程度のことも読めないなんて、陽輝もまだまだ甘い。


 午前中とは違い、境界線は広くなっていたが廊下も倍くらいに長さが増えていた。


 早速、両親は美嘉の指導の元、カニさんステップを開始する。


 折角なので俺達も便乗して、太陽拳のポーズでサイドステップをする。


 全員同じポーズでやるサイドステップは必殺技の練習をしているようで爽快感が半端ない。


「みんな!この調子でサイドステップの達人を目指すわよ!」


 美嘉のよくわからない掛け声が廊下に響き渡るのであった。



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