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ダンジョンコアでマジョリティ&ロイヤリティ  作者: くろのわーる
第2章 夏休み界隈

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77話︰女子同盟



 陣内美嘉の大人の色気に魅了された俺は自分のスキルについてペラペラと語り始める。


「この秘密基地は元々、特殊技能ユニークスキルの物置きだったんです」


『・・・』


バシッ!バシッ!バシッ!


 唯衣からはジト目を向けられ、モコからは尻尾でバシバシとしばかれる。


 これは後で言い訳するのが大変だなと思いながらも口は饒舌に動く。


「ダンジョンコアを吸収させたら秘密の部屋になって、更に限界突破で秘密基地になったんです!」


「ダンジョンコアを吸収させたことにも驚きだけど、ここが元は物置きだったなんて信じられないわね!」


 美嘉は颯夜の説明を受けて、改めてリビングを見渡す。

 洗練された空間は明らかにスキルの範疇を超えている。


 そして、颯夜の進化したユニークスキルの異常性と可能性に気付くがこんな凄い能力者と協力関係が結べる機会など滅多にないだろうと思案し、これから仲間に引き込む為にも敢えて、まだ口に出さないように気をつける。


「へぇ〜、元は物置きスキルだったんだ」


「そうなんです!お兄さん!」


 陽輝の平凡な感想にもしっかりと合いの手をいれる。

 手の平を返すとはこういうことを言うんだぞ!


 陽輝は知りたかった情報を美嘉が聞き出してくれるので敢えて、お兄さんの部分には触れない。


 今は猫を大被りしている妹だが普段から手を焼く妹を貰ってくれるなら颯夜であろうとそれはそれで有りなのではとも考える。

 寧ろ、そうなってくれたら自分との関係も盤石だと思案する。


 モコは自分以外にデレデレする颯夜を尻尾でしばきながら考える。

 デレデレする颯夜は見たくないが元凶のはずである美嘉に自分の本能が惹かれてることを自覚していたがそれは何故なのか。

 何故、惹かれるのかその要因を見定める為に美嘉を注意深く観察する。


 美嘉は天性のテイマー気質によって、無意識に様々なモンスターを惹きつける才能を持っているのだがモコはそんなことを知る由もないので困惑はまだ続く。



 美嘉、陽輝、モコそれぞれが思惑を胸に描く中、ひとりだけ颯夜を取られるかもしれないという初めての嫉妬心が燃え上がり、感情が限界突破寸前の者がいた。

 

 唯衣である。上手く表情や態度は隠しているつもりだがなんとも言えない感情にオーバーフロー寸前だったのである。


 そんな唯衣の感情を同じ女性である美嘉は一目で見抜いていた。


 また、手に取るように唯衣の焦りや考えていることを見透かしており、どうすればお互いに良好な関係を築けるのか、その対処方法も熟知している。


 颯夜の能力も凄いが唯衣の能力もぶっ飛んでいると思っている美嘉は今後の関係を考えて、貴重な同性の唯衣のことを決して蔑ろにするつもりはない。

 なので手を打つ為に動き出す。


「颯夜君、話の途中で悪いんだけど、唯衣ちゃんとちょっと2人で話たいことがあるから借りてもいいかしら?」


「え、ええ…」


「じゃあ、唯衣ちゃんちょっとこっちに来てくれるかしら」


『・・・はい』


 話の途中に美嘉から呼ばれた唯衣は複雑な感情を抱きながらも美嘉に連れられて部屋の隅へと向かう。


 そして、美嘉から告げられる自身が感じている感情を当てられて、正直に吐露し始めた。


 その話し合いは会話が何度か往復すると終わったようで美嘉と唯衣は力強く握手を交わし、お互いに笑顔で戻ってくる。

 完全に唯衣が取り込まれた瞬間だった。


 俺は遠巻きに小声で何かを話し合う2人の様子を見ながら何を話しているのかなと首を傾げるがこれが世にも恐ろしい女同士の同盟が結ばれた瞬間であるとは微塵も思っていなかった。


 女子同盟など世の中の鈍い男達が気付けることはないのだ。


 女子2人の話し合いが終わり、唯衣と共に再びソファーに座ると美嘉は思案する。


 颯夜は思った通り、いや簡単過ぎるほど簡単に落ちた。

 強敵だと思われた唯衣とは同盟を結ぶことであっさりと取り込みは成功した。

 残る障害はモコだけ、今は困惑しているみたいだけど最高峰のテイマーだと自称する自分なら時間を掛けずに籠絡出来ると踏んで勝負に出る。


「颯夜君、唯衣ちゃん、お願いがあるんだけど」


「はい!なんでしょう?」


『美嘉姉さん、何?』


 唯衣の姉さん発言に驚きを隠せず、俺は横にいる唯衣を見るが笑顔を返すのみで何も言えなくなってしまう。


「2人の能力で秘密基地を介して、ダンジョン同士を繋げることって出来ないかしら?」


「・・・」


 俺は何を言っているのかよく分からなかったが唯衣は美嘉さんの意図することを理解したようだった。


『それくらいなら出来ますよ』


「やったぁー!流石、唯衣ちゃんね!じゃあさ!じゃあさ!ダンジョンマスターの私でもダンジョン外に出ることが可能になるかしら?」


 ものの数秒、思案すると唯衣は推測を述べる。


『う〜ん、恐らくですが颯夜の秘密基地を介することで可能になるのではないでしょうか…』


「くぅ〜〜〜!」


 美嘉はダンジョンマスターになって40数年、自分のダンジョンから出ることが叶わず、かなりのフラストレーションを溜め込んでいた。


 元々の性格が活発で社交的だった美嘉にはダンジョン外に出られないことが耐え難い程に苦痛で仕方なかったのだ。


 だが断定ではないが唯衣の言葉は美嘉に僅かな希望を見せるには十分過ぎる程の言葉であった。


 これで両親の墓参りやダンジョンマスターになったことで疎遠になってしまった友人達と再び会えるかもしれないと希望を抱かずにはいられないほどに…。


 心の中で美嘉は颯夜と唯衣、そしてこの出会いに心から感謝する。


 喜びで打ち震える美嘉さんを前にしてこの時、どうして美嘉さんがこんなにも喜んでいるのか女心を理解していない俺にはさっぱり分からなかった。


 陽輝は心底喜んでいる美嘉を見ると良かったなと安堵の笑みを浮かべる。


 また、颯夜と唯衣から聞き出した情報でひとまず満足したので次は自身が今、抱える問題を告げる。


「美嘉のお願いは問題なさそうだから次はさっき言っていた寿命の代償を無くす方法について教えてくれるか」

 


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― 新着の感想 ―
美嘉容姿変わってないなら昔の友達5.60歳やろうからあっても余り良いことなさそう
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