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ダンジョンコアでマジョリティ&ロイヤリティ  作者: くろのわーる
第2章 夏休み界隈

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72/85

72話︰憎しみの果て

この話はちょっとグロいかもなので苦手な方は飛ばして下さい。

重要な内容は次回の前書きにサクッと書いておきます。



《とあるベテラン管理職職員のある日》


 いつものように仕事をしていたある日、私を含めた何人かの職員が会議室に急な呼び出しを受けた。

 私は何事かと思いながら会議室で待機していると協会会長の補佐役が入室してくる。


 その表情は険しく、物々しい雰囲気を醸し出していることからこれはただ事ではないとフンドシを締めて、姿勢を正すと衝撃の言葉が放たれた。


 呼び出された私達はその内容に動揺をしつつも各々が成すべきことに取り掛かった。



《とあるベテラン調査職員の証言》


 俺の仕事は主に現場での調査が多い。特に氾濫スタンピードについての調査だ。

 この日はひとつの調査がやっと終わり、次の候補地の打ち合わせをしている最中に声が掛けられた。


 告げられたな内容は元ダンジョン跡の調査及び現場作業員の監督要請。

 いつもとは少しだけ毛色が違うがそれでもすることは変わらないと二つ返事で了承した。


 だが現場を見て、唖然とする。俺が派遣されたのは真新しい破壊の跡とそれを為したのが自分と同じ人間だということを知らされて…。



《とある現場作業員の憂鬱》


 俺はいつものように親方や仲間達と共に仕事に汗を流していた。

 昼休憩も終わり、再び作業に戻り仕事をしていると慌てた様子の社長が息を切らせながら走ってきて、親方と何やら話をし始めた。

 ウチの社長は言っちゃ悪いが現場には全く顔を出さない。

 それなのにあの慌てようはただ事ではないとみんな作業を止めて、心配そうに見守る。

 告げられたのは今から現場を移動するという無茶苦茶な事だった。

 あ〜、これは残業確定だなと俺は気を落とすのであった。



《奇跡的に生き残った少年の記憶》


 自分には両親がいない。正確には両親の顔を知らない。

 物心がついた時には同じような年齢の少年少女達と共同生活を送っていた。

 ここでの生活は楽しい。中には両親に会いたいと泣き出す子もいるがすでに死んでいたりしていて会えることはないのにと大人の人達が言っていた。


 自分には両親との記憶も思い出もないから会いたいと想う気持ちがよく分からない。

 その代わり、自分はここのみんなが好きだ。

 ここのみんなが1番大事で自分にはここのみんなしかいない。



 ・・・なのに。



 どうして・・・。



 その日はみんなと一緒に勉強をしていた。教えてくれるのはみんなからお母さんと呼ばれている優しい人。

 お昼ご飯を食べて、自分より小さい子達はウトウトしている中、おかしなことが起こった。

 勉強やご飯を食べる時に使っている部屋の扉がなくなって、みんな閉じ込められてしまった。


 そして、今まで聞いたことがない大きな音が何度も何度も鳴って、部屋も凄く揺れる。


 いつもは慌てないお母さんが少し焦っているのか必死に泣いている子達を落ち着けようとしていたのがお母さんの最後の光景。


 どんどん大きくなる音と揺れは止むことなく、ついにはこの部屋まで届いた。


 自分は咄嗟に近くにいる子に覆い被さり、目を開けていられない程の光が視界に入るのと同時に気を失っていた。



 次に気付いた時は狭くて暗い場所だった。

 周りには自分以外の人の気配がなく、鉄臭い匂いがして手にはヌルっとするなにかがついていた。

 でも暗くて見えないので何なのか分からない。


 それでも助けを求めようと必死にみんなの名前を叫んだがとんでもない大きな音と揺れが再び襲ってきて、自分は怖くなって小さく膝を抱えて縮こまってしまった。


 みんななら大丈夫。きっと逃げたはずだと…言い聞かせながら。


 真っ暗な中でどれだけの時間が経ったのかわからない。



 暗い中、恐怖に怯え震えていると人の声が聞こえてくる。

 その声にすがるように声を上げる。

 最初は恐怖で上手く声が出なかったけど、生きたいと願う気持ちで叫んだ。


「(おい!こっちから声がするぞ!)」


 気付いて貰えたことで涙が止め処無く流れる。


 これで自分は助かるのだと瓦礫が次々に退かされて光が差し込み、周りの状況が目に入る。


「ああ、ああぁぁ〜!?」


 そこには自分にとって大切な仲間達の無惨な姿が…あった。


 自分は再び気を失った。


・・・・・・


・・・


 次に気付いた時には真っ白な部屋と真っ白なベッドに寝かされていた。


「(生存者はこの子ひとりだけらしいな)」

「(ああ、現場はとんでもない有り様だったらしい)」

「(それはそうだろう。なんてったって特級探索者が暴れたんだぞ)」


 特級探索者・・・そいつが自分を・・・自分の大切だった場所を・・・大切だったみんなを殺したのか!!!!!!


 今まで感じたことのない果てしない怒りが自分の心を満たすのが解った。


 自分の使命はみんなのかたきを取ることなのだと怒りが教えてくれる。


 自分ならそれが出来ると怒りが教えてくれる。


 自分の大切な者がいない世界など全てを壊してしまえと怒りが言う。


「そうしよう、それがいい・・・」


 怒りに呑み込まれた少年がそこにはいた。



7つの大災厄セブンズカタストロフィ、憤怒の魔人が誕生しました。》


 ワールドアナウンスは少年の怒りを代弁しているようだった。



 そして、職員が少年の様子を見に来た時にはすでにベッドは空になっていた。



コメディーどこいったー!

憎しみは新たなる憎しみを生む。

種まきは大事。

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