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全主人公中で最強五指に入りたいダンジョンコア持ちアイテム士の無双界隈  作者: くろのわーる
第2章 夏休み界隈

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58話︰覚悟



 ××市にある闇ギルドの本拠地。そこは繁華街から少し離れた場所に立つビル。

 ビルにはテナントが一切入っていないのか看板は一切なく、人の出入りも少ない。


 奴らの仲間の受け渡し時間までまだ5時間以上あるが俺達は奇襲を仕掛ける気満々で闇ギルドの本拠地の近くに車を停めている。

 当然だがソラは車に乗れる大きさではないので秘密基地で清十郎と一緒に待機だ。


「本拠地と言う割には人の出入りが少ないな」


 俺は疑問に思ったことを口に出すと運転席に座る護衛の男から直ぐに返事が返ってくる。


「奴らはビルを丸々一棟、ダンジョン化しています。その中は要塞と言えるほど強固で情報収集に特化した探索者をこれまでに何人も送り込みましたが帰ってきた者は僅かです」


 日夜、探索者協会と闇ギルドが抗争しているという噂は本当だったのか・・・。

 人の口に戸は立てられぬとはよく言ったものだな。


「人の出入りが少ないのはあのビル内部には戦闘員のレベル上げの部屋からギルド員の部屋まで完備しており、あまり外に出る必要がないという話です」


 要は俺の秘密基地みたいな使い方をしているのか。


「我々が送り込んだ探索者からの情報では戦闘員達の平均レベルは60を超えており、幹部連中の中にはレベル100を超える猛者も何人かいるという話です」


 話を聞いていた御神や他の護衛達に緊張が走るが陣内会長は淡白に話を締める。


「情報の共有はその辺でいいだろう。後は出たとこ勝負だ」


 陣内の目つきが変わり、静かなる闘気がその身に宿ったのがわかった。


「颯夜さん、唯衣さん、どうか夏輝を助けて下さい」

「わかった」

「いくぞっ!」


 そのひと言で車のドアを開き、全員が闇ギルドのビルへと全速で向かう。


 御神と護衛は2人一組になり、ビルの表口と裏口をふさぐように立つ。

 俺達と陣内は正面から堂々と入っていく。


『(颯夜、ダンジョンコアの掌握が完了)』

「(流石、唯衣)」


 ビルに足を踏み入れた瞬間に唯衣はダンジョンコアを掌握してしまった。

 最早、言葉がないとはこのことか…。


「(唯衣、ついでに中に居る人間をそれぞれの部屋に閉じ込められるか?)」


 思いつきで言ってみたが唯衣は小さく頷く。やっぱり問題なく出来るようだ。


『(少しだけ時間をちょうだい)』

「(わかった、どれくらいだ?)」

『(30秒あれば大丈夫!)』


 そう言うと唯衣は立ち止まり、祈るように手を組んで目をつぶる。

 俺とモコは無防備な状態になった唯衣の安全を確保する為に陣内会長を呼び止め、警戒に当たる。


「爺さん、ちょっと待て!」

「なんだ!?今頃、臆したか!」

「いや、そうじゃない」

「ならなんだ!」


 陣内は孫が心配で逸る気持ちだったのに急に呼び止められ、横槍を入れられたことで苛立っていた。


『颯夜、閉じ込めも完了よ』

「閉じ込め?何を言ってるんだ?」


 戸惑う陣内会長を余所に俺は次の指示を出す。


「唯衣、陣内夏輝が居る場所は把握しているな?」

『勿論よ』

「ならここに転移だ」

「なぁっ!?どういうことじゃ!?」


 俺達のダンジョン攻略に初めて付き合えば、こんな反応にもなるだろう。


 陣内会長が驚く暇もなく、床に魔法陣が現れると目隠しと拘束をされ憔悴した陣内夏輝が現れる。


「な、夏輝っ!?」

「その声は?じ、じいちゃん!?」


 陣内夏輝は暴行を受けていたのか顔が腫れ上がり、衣服も汚れが目立つ。

 陣内会長は孫の姿を見るや近寄り、幻じゃないか確かめるように身体をベタベタと触る。


「ほ、本物じゃ・・・お、おぬしら、一体何を、いや良い今は詮索はなしじゃ」


 一人で呟き、一人で納得した陣内会長は夏輝の拘束を解き、アイテムボックスから回復薬を取り出すと孫に飲ませる。


「ぷっはぁ、じいちゃん助かった」

「構わん、礼ならこの人達に言え」

「えーっと、どなたか知りませんがありがとうございます」


 夏輝のお礼を適当に流し、御神と陣内会長にとって最高の成功条件を達成したことで場に安堵の空気が流れる。


「おい、爺さん。後は俺達が片付けるからその孫と外の連中を連れて、協会に帰れ」


 俺の発言に陣内会長は唖然とするが気を持ち直すと反論してくる。


「何を今更!孫を助けてもらったことには感謝するがこの件はもともと儂の領分!この闇ギルドのマスターを倒すまでは引かぬ!」


 そう言うと俺達を睨む。夏輝は状況を呑み込めていないのかどうしたらいいのと俺に助けの目を向けてくる。


『颯夜、別にいいんじゃない?』

ウォン!ウォン!(この老いぼれには肉壁になってもらおうよ!)


 陣内会長が相手だとブラックな唯衣とモコが出てくるな…。


「わかった、唯衣とモコが良いなら俺は何にも言わないがとりあえず、その孫だけは置いてきてくれ」

「わかった。ちょっと待っていてくれ」


 陣内会長は夏輝の腕を掴み立たせると肩を貸すようにして、外へと向かった。


「(唯衣、爺さんを連れて行くからには何か考えがあるんだよな?)」

『(勿論、颯夜の為よ)』

「(俺の為?)」

『(そうよ。颯夜は人を殺せるの?)』


 この質問は1番聞かれたくない質問だった。なぜならまだ、俺の中では覚悟が曖昧だったからだ。


『(この先に進めば、必ず人と人との殺し合いになるわ)』


 唯衣の俺を見る鋭い目にはまだ覚悟が足りてないと見透かすような目力が含まれていた。


「(それくらいは理解している)」


『(理解と覚悟は違うわ。私は颯夜が人に手をかけて、悩み苦しむところなんて見たくない!)』


 唯衣のそれは俺のことを思うあまり、悲痛な叫びとなっていた。


 俺は唯衣の気持ちを聞いて、自分がどれだけ甘い考えだったのかを知る。


 俺は少し前まではただの初心者探索者だった。

 たまたま手に入れたダンジョンコアで物置きスキルは秘密基地になった。

 再び手に入れたダンジョンコアで唯衣と出会った。

 そこから俺の探索者生活は一変した。勿論、良い意味でだ。


 俺はこれから先もダンジョンコアを求めて、色んなダンジョンに挑むだろう。

 ダンジョンに挑むのは俺自身の望みでもあるし、何かに導かれているような使命感も感じている。

 それがなんなのかよく解らないがダンジョン探索が好きなことに変わりはない。


 小さい頃から憧れて、やっと成ることが出来た探索者だ。しかも、特級探索者にもなった。


 改めて思うがダンジョン探索にかける思いと強さへの憧れはもう誰にも止められないだろう。


 ゆっくりと一度、目を閉じてから唯衣を見つめて宣言する。


「俺は誰よりも強くなる。そして俺の道を邪魔する奴は許さない。例え、相手を殺すことになったとしても後悔はしない。その罪さえも背負ってみせる」


『それが颯夜の覚悟なの』


「ああ」


クゥン…(私もいるんだけど…)



颯夜︰特級探索者にもなった。

作者︰ほぼ脅迫だったけどな。

颯夜︰口は災いの元っていう諺知ってるか?

作者︰知らん!

ヒュッン!


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