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全主人公中で最強五指に入りたいダンジョンコア持ちアイテム士の無双界隈  作者: くろのわーる
第2章 夏休み界隈

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47話︰全振り



 唯衣の部屋の見学会も終わり、俺達は作戦室オペレーションルームに戻ってきた。

 何故か人数が減っているがそこは触れないでいく。


 今から行うのはダンジョンコアの吸収だ。

 普通はそれがメインじゃないのかと思うかもしれないがメインは大鎌の進化だ。


「唯衣、準備は良いか?」

『ご主人様、いつでもどうぞ。』


 唯衣からゴーサインが出たので台座にダンジョンコアを乗せる。

 ちなみに吸収するだけなら台座にダンジョンコアを乗せる必要はないがそこは雰囲気を大事にしている。


『ご主人様、ダンジョンコアの吸収完了しました。』


 うん、相変わらず吸収するの早いな…。


「それで今回はどんな感じだ?」


『今回は各機能の強化と出力アップに消耗の軽減くらいですね。権限力も上がりましたがまだまだ足りないようです。』


 先は長いということか。


「機能で何か面白い変化とかはない?」


『そうですね。私が秘密基地外でも2時間くらいなら活動できるようになりました。なので何時でもデート可能です。暇なご主人様、何時にしますか?』


 まだ、先は長いということか。


「よし!次はいよいよメインイベントの大鎌の

進化だ!」


『そんな照れ屋なご主人様もお慕いしております。』


 顕現時間の他にもメンタルが強くなってる気がする。

 もしかして、今回吸収させたダンジョンコアの力、わざと補助機能に全振りしてないだろうな・・・。


『・・・。』


 唯衣の奴、やりやがったな・・・。


『ご主人様、そろそろデートの日程決まりましたか?』


 ホント、メンタルくっそ強くなってるじゃん!このまま、ダンジョンコア吸収させ続けたら無敵になるんじゃない。


『ご主人様の為にも目指してみますね!』


 もう何を言っても唯衣には勝てないと悟り、俺はアイテムボックスから死霊の大鎌と進化珠(精霊級)を取り出す。


 死霊の大鎌は刃の部分に所々、錆びが目立っており、持ち手の部分は癖のあるいびつな曲がりがある謎の木材が使われている。


『ご主人様、進化珠を普通に使うより、秘密基地の合成機能をお使いになった方が良いことがあるかもしれませんよ。』


「そうなのか?」


『ええ。』


 こういうアドバイスを聞くのは何だが久しぶりに感じる。それだけ最近は身のない会話が多かったのだろう。


『そうですね。最近はめっきり愛を囁やいてくれませんね。』


 唯衣のアドバイス通り、死霊の大鎌を台座に乗せて、進化珠もセットする。何か言ったか?


『ついでに今日、手に入れた魔道具の壺もセットしてください。』


「3つも同時に合成出来るようになったのか?」


『はい、それもありますがご主人様が手に入れた呪われた壺は合成用の素材としても優秀なのが関係します。』


 やっぱり、あの壺呪われていたんだな…。直接、触らなくてよかったよ。


『それでは合成を開始します。』


 唯衣の合図で台座の上にあったアイテムは粉々になり、黒いもやへと変わる。

 その靄の下には魔法陣が発生し、不規則に蠢きながら形創っていく。


 時間にして約30秒ほどか、目の前に現れたのは黒色を凝縮し、固めたような真っ黒な大鎌。

 まさに禍々しいという表現がピッタリな大鎌だった。


『ご主人様、大成功です。』


暗黒の大鎌 伝説級レジェンダリークラス

《効果》暗黒攻撃、ソウルスティール、暗黒魔法強化

※暗黒攻撃︰暗闇、沈黙、鈍重、即死、スリップダメージのいずれかをランダムで発生させる。(複数可)

※ソウルスティール︰物理ダメージとは別に相手の魔力を奪い、使用者に還元する。

※暗黒魔法強化︰暗黒魔法に+補正(極)


 新しくなった大鎌の鑑定内容を見て、俺は打ち震える。

 なぜなら俺が求めていた厨二病ロマンはこれなのだ。

 今の俺の装備と合わしても違和感なく、人に見られても謎めいた悪の実力者と思われること間違いなし。


「唯衣、凄いぞ!でかした!」


『お褒めに預かり光栄です。ご褒美は明日のお出掛けに私も連れて行って下さい。』


「いいぞ!・・・え!?」


『言質頂きました。ご主人様、約束ですよ。録音もしました。』

『(いいぞ!・いいぞ!・いいぞ!)』


「・・・」

 返事したところだけ繰り返されると卑猥に聞こえるんだが・・・唯衣さん、悪意の塊ですか?


『ではご主人様、私は明日の服装を決めてきますので失礼しますね。』


 作戦室オペレーションルームはついに俺とモコだけになってしまった。

 取り残された俺は明日の友人達と遊ぶ予定が前途多難になったことを察して、癒されようとモコに縋るように抱き着く。


ワフン、ワフン(ズルい、私も行きたい)


 どうやら更に前途多難になったようだ。ひとまず、モコを説得することにする。


「モコ、出来れば俺もモコを連れて行きたいんだが今のサイズでは難しいというか、俺は今のサイズのモコも大好きなんだよ。でも、モコのサイズでは街の中を歩くのはちょっと難しいというか、なんというか・・・」


ウォン!ウォン!(身体を小さくすれば良いのね!)

 

 そう言うとモコの身体はたちまちのうちに小さくなっていった。

 そのサイズは小型犬と同じくらい。


ウォン!(これでどうよ!)


 元のサイズのモコも抱き心地も見た目も最高だったが今の子犬みたいなモコは最強だ。可愛い過ぎる。


 赤ちゃんを抱くようにモコを抱き上げるとそのまま、唯衣の部屋へと自慢しに行くのであった。



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