表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全主人公中で最強五指に入りたいダンジョンコア持ちアイテム士の無双界隈  作者: くろのわーる
第2章 夏休み界隈

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/69

40話︰決めポーズ



 山の中のポツンとダンジョン。俺達はダンジョンマスターがいる部屋の前にいる。


 今回は更なるダンジョンコアの獲得と家族の全員に称号を付与させるのが目的でダンジョンマスターはついでみたいなものだ。


 挑む前に振り返り全員の顔を見渡せば、全員準備は万端と頷くので俺は両手で扉を押す。


 少し重い扉を押し開けば、目の前に広がるのはバスケットボールコートくらいの試合場。

 四角形の広場に床は砂で囲うように壁には紅白の布が掛けられ、御殿様が観覧するような建物が立つ。


 いつもならここで黒いきりが発生して、ボスが出現するのだがどうも様子が違う。

 何も起こらないのだ。不審に思いながらゆっくりとボス部屋へと足を踏み入れると後に続くメンバーも部屋の中へと進む。


ギギィー!バタン!ガチャッ!


 全員が部屋に入るや入り口の扉が閉まり、閉じ込められた。が、全員に動揺はない。

 なんせ俺達には秘密基地があるから何時でも逃げられるのだ。


 扉が閉まったことで部屋に変化が現れる。


 部屋の照度が下がり、向かいにある対戦相手が入場する為の扉の檻が上がる。その奥からスポットライトが当たりモンスターのシルエットが浮き上がる。


「おおっ!」


 まるで格闘技の試合のような登場の仕方に歓声を上げたのだ。

 今まで見たことがないダンジョンボスの登場演出に思わず期待が膨らむ。


 ズン!ズン!と重い足取りで出て来たのは身の丈2メートルはあろうかという鬼人。

 筋骨隆々の身体に着流しをラフに着こなし雰囲気が良い。頭には通常のオーガよりも立派な角が左右の額から生え、途中で真上に伸びている。完璧な特殊メイクのようでカッコイイ。

 手には鬼の金棒が握られて、気怠そうに肩に担いでおり、腰には刀を一本帯びている。


 ゆっくりと歩を進め、広場の中央に近付くと足を止めて、俺達を値踏みしていく。


「お主らが我が迷宮の権能を奪いし者共か」


 淀みなく告げてくる言葉からは知性の高さを感じさせる。何より口調が見た目と合っていて良い!


 そして俺の経験上、言葉を操ることが出来るモンスターは強い。(経験回数一回)

 何よりこのダンジョンマスターは俺の琴線(厨二病)に触れる。特に見た目とか見た目とか…。


 その見た目に感化された俺は支配者の指輪ルーラーリングの王威をオンにして、俺の厨二やる気スイッチをオンにする。


「だとしたらどうする?」


 ここしかないと思い。鏡の前で練習した決めポーズその2を披露しながらのセリフ。(決まったぜ!)

 決めポーズその2。正対で向き合いつつ、顔を少しだけ俯かせて目を合わせる。両手は開いた状態でダラリと下に向け、何時でも掛かって来い。のポーズだ。


「ならばお主らを屠り権能を取り返すまで!」


 俺の挑発を受けて、苛ついたのか牙を覗かせながら鬼の金棒を握り直す。


 モコは鬼人を威嚇したまま俺の後ろに周り、時にアニメや漫画で描かれる強者の背後に表示される絵のように構える。


 俺とモコと鬼人は2人と1匹の世界に入り、周りを置いてきぼりにしていた。

 両親は若い感性について来れず、戸惑でオロオロする。

 ソラ、コタロウ、トモヤは何が始まるのか期待に満ちた目で行方を見守っている。


 先制攻撃は俺。


 鬼人が持つ金棒に重力魔法の重量操作を使い、一気に100倍の重量にする。


「くっ!?面妖な技をぉ!?ぐおおぉ!?」


 鬼人は担いでいた金棒が急に重くなり、立っているのもやっと。そこへモコからサポートが入る。

 モコはシャドウバインドで鬼人の全身を絡め取ると器用に鬼人を仰向けに倒す。

 その際に鬼の金棒が鬼人の上に乗るようにする抜け目のなさだ。


「ぐぅっ!お、おのれ!!」


 自身の金棒とモコのシャドウバインドで身動きが取れなくなった鬼人に両親とソラ、コタロウ、トモヤが殺到する。


ガブッ!ガブッ!ガブリ!

「がぁっ!?ぐぅは!?かはぁ!?」


ボコッ!ボコッ!ボコン!

「・・・ぐぁ!?ぎぁあ!?」


ガブッ!ボコッ!ガブッ!ボコッ!

「・・・」


 戦闘時間はおよそ3分。進化したソラ、コタロウ、トモヤの攻撃は苛烈で鬼人は成す術もなく、倒される。


 こうして、初めての鬼退治は呆気なく幕を閉じるのであった。

 これにて、いけっんらくちゃ〜く。


 鬼人を倒すと宝箱とドロップアイテムが出現する。

 宝箱の中からは鬼灯ほおずきという銘の刀が一本と超回復の宝珠と身体強化の宝珠が出てきた。ドロップアイテムは大鬼の角(素材)と大鬼の金棒と鬼人の着流しに大鬼の魔石。

 それらを回収するとダンジョンコアの回収に向かう。


『ダンジョンコアは鬼人が登場した試合場の登場口の奥にあります。』


 唯衣の言葉に従い、奥へと進む。


 登場口を抜けた先には鬼人の趣味だったのか趣きのある和式の床の間が広がっていた。


「惜しい奴を亡くしたな・・・出会い方が違えば、友達になれたかもしれないのに・・・」


 これは俺がいつか言ってみたい台詞リストのひとつであり、本音ではない。

 まあ、気に入ったのは事実だから後で生成するけどね。


 ダンジョンコアは板の間と呼ばれるよく掛け軸が掛けてある場所に浮かんでいた。


 土足で畳に上がるとダンジョンコアに近付く。土足で上がるな!って怒る人がいるかもしれないがダンジョンコアを回収したらこの部屋自体が消えてしまうので勘弁してほしい。


 念の為にみんなには秘密基地に退避してもらってからアイテムボックスでダンジョンコアを回収する。


 すると床の間は幻のように消えてしまい残ったのはゴツゴツとした岩の空洞だった。


『マスター、ダンジョンの制圧お疲れ様です。』


 これでダンジョン踏破は3つ目だ。


 探索者界隈では生涯でひとつでもダンジョンを踏破出来れば、英雄や伝説みたいに扱われるのにもう3つ目。

 なんだか自分の才能が怖くなってきたぜ。うふ


ウォン!(私がいるんだから当然よ!)


 今回も無双だったモコの頭を撫でながら秘密基地を発動して、一緒に中に入る。

 基地内ではダンジョン踏破を祝うために両親達が準備にいそしんでいた。


 さっきも言ったが探索者にとって、ダンジョン踏破とは憧れであり夢でもある。

 当然、ウチの両親にとっても若き日に見た夢であり、憧れでもあった。


 それを自分達は成したのだ。嬉しくないはずがない。

 その浮かれぐらいといったらね、パーティーセットの眼鏡とヒゲのやつ着けて、はしゃぎながら準備しています。

 こちら、現場からは以上です。


 両親が馬鹿みたいにはしゃぐ姿は少しウザいけど、まあ今日だけは良いかと思うのであった。



ストックに余裕があるので土日も投稿します。

ストックが減れば、また戻すと思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ