4話︰追放の危機
初めてのダンジョン探索は何事もなく終わり、俺達は新しい学校生活も始まった。
高校は友人達と揃って家から近い学校を選択し、放課後や休みの日には相変わらず5人でダンジョンに潜っている。
今の時代、学生だろうと探索者登録は当たり前。
寧ろ、国家防衛維持の観点から国や自治体が率先して減税措置の対象にするとして推奨されているくらいだ。
なので学校中にも学生探索者が溢れており、当然のように血気盛んな若者達によって派閥やスクールカーストが出来上がる。
俺達が通う高校は一般校ということで有名探索者の関係者が居らず、探索者育成学校に比べれば穏やかで派閥が存在しない分、マシだろうがそれでもスクールカーストが無いわけではない。
特にこの年代の男子の話題と言ったら、もっぱら学校で誰が一番強いか、学年では誰がトップだの、毎日のように騒がれ、我こそはと言う戦闘職の奴らで盛り上がっている。
非戦闘職の俺には無縁なので「へ〜そうなんだ」とか「へ〜凄いね〜」なんていい加減に聞き流しているが友人達はそうはいかないようだ。
今、学年でトップの連中はレベル10。対して俺達はレベル5に上がったばかり。
登録から1ヶ月経っていないことを考えれば、悪くないレベルだが友人達はマウントを取られっ放しの状態に少々苛ついているようだ。
そして、レベルに差が出来ている原因も解っている。
そう・・・俺、道具士が足を引っ張っているのだ。
ダンジョン探索には命を賭けている以上、安全マージンが欠かせない。
戦闘職の安全マージンは4人以上のパーティーでレベルは階層✕2倍と言われている。
ところが道具士の安全マージンは階層✕3倍レベル。
これまで友人達は律儀なことに俺に合わせてくれていたことで経験値がより多い下の階層に行けていない。
そのせいで道具士のいないパーティーに遅れを取っている。
つまり、これからどうなるかというと・・・。
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放課後、日課のダンジョン探索をやめて話し合いたいと友人達から言われ、学校の教室に残っていた。
話し合う内容は友人達からの態度で察することが容易だ。
俺達5人は偶然にも同じクラス。他の生徒が居なくなったのを見計らい話し合う為に俺の席に集まるがしかし、なかなか話を切り出そうとしない友人達。
結局、焦れた俺が自分からパーティーを抜けると言い出せば、申し訳なさそうに謝ってきたがこれは道具士にとっては残念なことに既定路線に過ぎない。
正直、パーティーを抜けるにしても予想していたよりもだいぶ早かった。
気落ちも多少しているが彼らもこれで頭角を現すかもしれないし、俺もここから這い上がれば、今度は逆に引く手数多だ。
高レベルの道具士はかなり貴重な存在になる為、それこそトップクランから勧誘が来るだろう。
特にトップクランに入りたいとか思っていないが…。
友人達は新生パーティーでダンジョンへ向かい、俺は家に帰りソロで活動する為の準備をする。
今からするのは貯めていたボーナスポイントを消費して少しでも安全性を高める作業だ。
【名前】 藤 颯夜
【順位】―
【職業】 道具士
レベル:5 40P
筋力:20
体力:21
魔力:7
精神:19
耐性:12
器用:30
敏捷:19
幸運:92
【技能】
【固有技能】
アイテムボックスLv:1
【特異技能】
物置きLv:3
これが今の俺のステータス。
順位は相変わらず表示されないが1000位内にならないと表示されない仕様なので当たり前か。
とりあえず、道具士定番の技能を取得する。
その技能の名は『鑑定』!
『鑑定』スキルと言えば、某ラノベなどでチートスキルとして扱われたりするがこの世界では単なる技能の一つに過ぎない。
というのも『鑑定』は道具や物の真偽を調べることが出来る技能であり、人や生き物に対しては無効になる。使用したところで『鑑定』スキルは何も反応しないらしいのだ。
人や生き物のステータスを覗き見るには『鑑定』の上位互換と言われる『解析』という別の技能が必要で取得ポイントも200P必要とあって、修得している探索者は稀と言われている。
『鑑定』スキル取得に5P使用する。次に取得する技能は気配遮断。
探索者登録をしてからというもの自力での修得を目指していたのだが残念ながら今回はタイムアップということでポイントで取得する。
ちなみに気配察知の修得も目指しているがこちらはポイントで交換せず、努力を続けていく所存だ。
そして、20Pを使ってアイテムボックスのレベルを2に上げる。
現状でアイテムボックスのレベル上げはボーナスポイントのみでしか確認されていない。
レベル1のサイズは1㎥。レベル2のサイズは2㎥。
初心者にはレベル1でも充分ではあるがいつかは足りなくなることを考えれば、余裕がある今のうちに上げても良いだろう。
これから通う予定のダンジョンなら今以上の筋力も必要ないので残りのポイントは器用に振れば終わりだ。
器用に振る理由は器用値が高いと技能を覚えやすくなると言われるからだ。
【名前】 藤 颯夜
【順位】―
【職業】 道具士
レベル:5 0P
筋力:20
体力:21
魔力:7
精神:19
耐性:12
器用:40(+10UP)
敏捷:19
幸運:92
【技能】
鑑定Lv:1 new!
気配遮断Lv:1 new!
【固有技能】
アイテムボックスLv:2 UP!
【特異技能】
物置きLv:3
ひとまず、今出来る限りの強化を終えたので明日からは探索者協会が管理するダンジョンをメインに変える旨を両親に報告することにした。
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