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全主人公中で最強五指に入りたいダンジョンコア持ちアイテム士の無双界隈  作者: くろのわーる
第1章 探索者界隈

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26話︰挨拶



 俺のトラウマでもあり、探索者としての分水嶺にもなったデススパイダーとの死闘の後。

 家族全員、勿論モコ、ソラ、コタロウ、トモヤも一緒にパーティーが開かれた。

 そして、ごちそうはまあ察しているかもしれないがオーク尽くしだ。


 とんかつ、豚テキ、豚生姜焼き、豚しゃぶ、豚丼、豚唐揚げ、角煮etc…。


 父親はそれを見て、無表情になっていたがこれだけの品数を作るのはさぞ大変だっただろと母親をねぎらっていた。

 が、どうやら母親は今回、作っていないらしい。


 なんでもベースAI先生に頼んで秘密基地のキッチンに自動調理の機能を追加したらしい。

 ええ、なかなかエグいDPを消費したらしいです。


 それを聞いて、俺は無表情になったけど、ウチの子達は喜んでたからよしとする。今回は…。だがベースAI先生はなぜ許可したのかいつか問いただそう。


 そうそう、みんなでごちそうを囲いながらの話題は今回のフロアボスについてだった。


 俺はまた主人公補正が出ちゃったぜ。なんて考えていたのだがベースAI先生によれば、地下30階のフロアボスは永く倒されていなかった為に魔力が貯まり、進化したのではないかとの見解だ。

 しかも、最後まで俺と戦っていた個体はベースAI先生の分析によれば、デススパイダーの上位種でありAランクモンスターの女王蜘蛛アラクネに進化間近な個体だったそうでかなり強い個体だったらしい。そりゃあ、道理で強い訳だわ。全然、倒れてくれなかったもんね。


 次から次へと出される料理を物凄い勢いで4匹が平らげ、宴もたけなわに差し掛かると両親から締めるように言い渡される。


「え〜、本日はお日柄も良く・・・私の為に祝勝会を開いて頂き〜って聞けよ!」

 

 両親は俺に振っときながら、つまらない挨拶だと察すると早々に晩酌を始めていた。モコ、ソラ、コタロウ、トモヤはお腹いっぱいになったのか丸くなり始めていた。


『マスター、大変良い挨拶でした。』


「何処がだよ!挨拶はまだ序盤も序盤だったよ!」


 ベースAI先生はイジってくるし、あれか何かの仕返しなのか。


 俺はもういいやと思い、1人部屋に入りアイテムボックスから手に入れた戦利品を取り出し、眺める。


 今回、獲得した戦利品は以下だ。


死蜘蛛のローブ+

死蜘蛛のブーツ

強化珠(希少級)

死蜘蛛の魔石×3


 死蜘蛛のローブ+は最後のデススパイダーがドロップしたアイテムで最初からなんと強化されている一品だ。流石、強敵なだけはあった。


 そして、フロアボーナスで出たのが死蜘蛛のブーツと強化珠(希少級)だ。


 まさか生成するまでもなく、死蜘蛛シリーズが手に入るなんてツイてると思ったがベースAI先生の解説では永い間、誰にも踏破されなかった影響で宝箱の中身が良くなっていたことと、俺の上級道具アイテム士としての幸運が重なった結果だと言う。


 もう主人公補正でよくないですか?


 とにかく、全ての死蜘蛛シリーズが揃ったので装備してみる。


 ブーツ、ローブ、小手、仮面とその全てが黒をベースに白のラインが入っている。

 今までは黒ジャージに白か黒のパーカーを合わせていたがこれで更に統一感が出るはず。


 期待でドキドキしながら部屋に備え付けられている鏡を覗く。


「うん、コスプレだ…」


 黒と白で統一された装備、蜘蛛型の不気味な仮面を付けることで悪く言えば、一気に不審者感が上がる。

 良く言えば、得体の知れない強者感は出ていると思う。完全に悪役としてだが…。

 だがどう見てもコスプレ感は否めない。


「着慣れたら変わってくるのか?」


『マスター、大変お似合いです。』w


 なんだろう、ベースAI先生の言葉の後に草が生えてるように見える。

 ちょっと、卑屈になってしまったがこの格好で活動することに変わりないので鏡の前で回ってみたり、色々なポーズを取ってみる。


「・・・意外と悪くないかも」


 得体の知れない見た目なのに圧倒的な強さで敵を蹂躙する。・・・良い。これは中々、良いかもしれない。

 コスプレも恥ずかしがらずに成り切るの事が大事って聞いたことがある。あったと思う。


 そこへほろ酔いの両親が部屋へ入ってくる。


「あら?それが新しい装備なの?」


 俺の新装備姿をマジマジと見る両親。


「うん、やっと死蜘蛛シリーズが揃ったから試着してみたんだけど、どうかな?」


 正直、両親に感想を求めるのは恥ずかしいが客観的視点は大事だと言い聞かせ、自分を納得させる。


「いいわね!ゴシックロリータの彼女と並んだら合うと思うわ!」

「確かに一緒に撮ったら映えるだろうな!」


 俺が求めてる感想は貰えず、斜め上の感想が飛び出る。

 こいつら、ほろ酔いじゃなくて完全に酔ってんじゃねえか?

 最早、邪魔にしかならない両親を部屋から追い出し、鏡の前で再びポーズの研究をする。

 成り切るのは大事だからね。


『マスター、まだ戦利品が残っていますが・・・』


 先生、居たんですね。そうですよね、居ますよね。秘密基地内ですもん。

 ベースAI先生に促され、強化珠(希少級)の使い道を考える。


 この強化珠(希少級)は希少級レアクラスのアイテムを強化できる。

 今の候補は2つ。死蜘蛛の仮面と小手だ。


 理由は仮面を強化した場合、認識阻害も強化されるのではないかと予想している。

 うん、ベースAI先生に聞けばいいね。


「この強化珠で死蜘蛛の仮面を強化した場合、効果の認識阻害も強化されるのか?」


『はい、マスターの仰っしゃる通り、認識阻害も強化されます。』


 ふむふむ。予想通りなので保留だ。


 死蜘蛛の小手の強化も候補なのは単純にお世話になっているからだ。

 寧ろ、この小手から放たれるスパイダーネットは俺の戦法、戦術になくてはならないものになっている。


 うん、結論が出ました。その前に一応、聞いておくか。


「この死蜘蛛の小手を強化した場合、どんな強化が施されるんだ?」


『はい、マスター。死蜘蛛の小手を強化した場合、これまでよりも強靭な糸が出せるようになり、斬糸も使えるようになります。』


 確定です。勝確ですね。斬糸使ってみたいし、あれでしょ?スパイダーネット斬糸って言って、発射すると敵が刻まれるやつ。

 後は蜘蛛の糸だから見えずらくて、手を振るだけで敵が切れたように見えるやつ。


 俺は死蜘蛛の小手に強化珠(希少級)を押し当てて使った。


 そして、蜘蛛の糸で敵を切るポーズを取る。


『・・・』


 やっぱり、イメージトレーニングって大事だから入念に行う。

 5パターンくらいをスタメン入りにして、満足したので次に行く。


 最後はデススパイダーの魔石だ。


 デススパイダーはBランクとあり、1つで1500DPになる。特に進化寸前だった個体の魔石は1つで2700DPと言われたが今回は3つとも吸収させない。


 ちょっと、考えがあるので大事に取っておく。


 ちょうど、戦利品の片付けが終わると普段よりお腹を膨らませたモコとソラが部屋に入ってくる。


 モコとソラはごちそうの前に俺が洗い、しっかりと乾かしてあげたので毛がフワフワのモフモフだ。

 ただブラシでく時間がなかったので違う犬種のような見た目になっている。


『マスター、犬ではなく狼です。』


 ベースAI先生のいつものツッコミも聞けたし、今日はよく眠れそうだ。


 ソラが増えたことで部屋とベッドのサイズを更に大きくして、ワイドキングからワイドワイドキング?になったベッドに横になる。


 俺の左右に寄り添うようにモコとソラも横になると自然と眠気に誘われる。


 今日は本当に大変な1日だった。


『マスター、お疲れ様でした。明日もよろしくお願いします。』


 ベースAI先生の言葉を微かに寝息を立て始めた。


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