表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全主人公中で最強五指に入りたいダンジョンコア持ちアイテム士の無双界隈  作者: くろのわーる
第1章 探索者界隈

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/69

23話︰ヒロイン登場



 わんわん牧場建設に向けて、俺は立ち上がった。


 そこでまずはベースAI先生との打ち合わせから始める。

 影狼シャドーウルフ1匹だけでは可哀想だからと銀狼シルバーウルフ3匹も一緒に生成し、4匹でも伸び伸びと放てる広さの牧場を作ることに決めた。


 規模は縦1km☓横1km×高さ50mの草原に宿舎完備だ。


 この時点で必要な魔力量を確認したら約3千万DP。

 現在、秘密基地が保有する魔力量は約3百万DP。

 後、10倍以上必要なことが解った。なのでこの手は正直使いたくなかったが奥の手を使う。


 ベースAIローン…じゃなくて、無双ランニングだ。そうあの苦しい日々が戻ってくる。


 ローンの内訳は平日に10回。休日は20回を設定。

 平日 10回×30匹×500DP=15万DP

 休日 20回×30匹×500DP=30万DP


 1週間で135万DP×30日=約4千万DP


 この計画書で何とかベースAI先生を納得させた。

『私は反対などしておりません。』


 何かあるかもとモンスターハウスの手前に転移設定しておいたのがこんなにも早く使う時がくるとは…。


 翌日から無双ランニングを始める。レベルの上がりも悪く、アイテムも一般級コモンクラスのみ。

 辛いが罠術と新しく覚えた影魔導のレベル上げを目標に掲げて、ひたすらに頑張る。


 1週間後、スキルレベルが上がりなんとかテンションを持ち直す。


 10日後、不意に閃く。影狼シャドーウルフを生成して、手伝わせたら良いのではないか。一緒に狩れば、エサも確保出来て散歩の必要もない。何より寂しさが紛らわせるかもしれない。


「今から影狼の生成をする!」


 俺の判断は早かった。


『かしこまりました。マスター。』


 善は急げと俺は台座に魔石を突っ込む。


『マスターの血を分けることで生まれた後に絆が強くなり、パスが繋がりますがどうしますか。』


 勿論、俺は血を分ける決断をする。まあ、分けるとは言っても一滴だから。


『それでは生成が完了するまで3日掛かります。』


 この3日間はホントに待ち遠しかった。学校にいる時も無双ランニングしている時もご飯を食べている時もお風呂に入っている時も考えるのはまだ生まれないのか。

 未婚、彼女ナシなのに我が子が生まれるのを待ち望む父親の気持ちになり、そのせいで夜しか寝れなかったのは言うまでもないだろう。


『マスター、間もなく影狼シャドーウルフの生成が完了します。』


 学校から帰り、秘密基地に入り、無双ランニングを2回程こなし、この時を待っていた。

 台座に表示されるカウントダウンタイマーの数字が減っていく。


ピッピッピッ!ピッピッピッ!


 お湯を注いで3分が経ち、カップ麺が出来たので食べ始める。

 無双ランニングというかスキルを使うとお腹が減るんだよね。


 まだ、影狼が生まれるまで15分はある。カップ麺を食べ終わり、ゆっくりしていると時間が迫ってきた。


『マスター、間もなくです。』


 リビングから作戦室オペレーションルームに移動する。


 カウントダウンが始まり、0になると生成完了の文字が浮かび上がり、作戦室オペレーションルームの床に魔法陣が展開する。

 その中央にはフロアボス戦で戦った影狼シャドーウルフがおすわりしていた。


 魔法陣の光が収まり、俺は影狼シャドーウルフに近付く。


 影狼も頭を低くして、俺に対して低い姿勢を取る。

 優しくその頭を撫でると不思議な感覚が伝わってきた。


『マスター、その感覚はパスが繋がっている証です。』


 なんと言うか、自分の分身とまでは言わないが身内?家族と感じるような言葉で表現するのが難しい感覚だ。


 不思議な感覚を感じながら触り心地はとても良く、頭から体へと撫で移り気付けば抱きついていた。

 今までの人生で犬を飼ったことはないがもふもふとはなかなか良いものだ。


『マスター、犬ではありません。狼です。』


 折角なので名前を付けてみるか。


「名前は『くろ』とかどうだ?」


 これは不満な感情なのか?俺の中に感情が流れ込んでくる。


「じゃあ、影丸はどうだ?」

「なら、ポチだ!どうだ?」

「う〜ん、まっくろ?嫌か…」


 そして、お察しだろうが俺に名付けのセンスは皆無だった。


「うん?お前メスなのか…」


 名前を考えていると『私、女の子なのに失礼しちゃうわん』という感情が伝わってくる。

 勝手にオスと決めつけていて、メスの名前は考えていなかったので最終手段、ネット検索を使う。


「モコはどうだ?」


ワォーン!(べ、べつに気に入ってなんてないんだからね)颯夜バウリンガルより。


 気に入ってもらえたようだ。


「そういえば、モコのレベルはいくつなんだ?」


『はい。生成した時点で元々のレベルより下がっていますが戦闘経験は残っており、レベルも30はありますのでモンスターハウスに連れて行って問題ないかと思います。』


 まっ皿な状態ではないと聞いて安心したので早速行くとしよう。それに無責任に全て任せたりしないからね。ちゃんと補助はするつもりだ。


「モコ、今からオークと遊ばないか?」


ワフン!

(あなたがどうしてもっていうなら…)同上。


 どうやらモコも遊びたいようで尻尾をブンブン振っているのでモンスターハウスに凸るとしよう。


「まずは俺が近くのヤツを片付けるからな」


 秘密基地の中から罠術を発動して基地の出入り口のオークを片付ける。

 そして、ドアから出て目についたオークをスパイダーネットで身動き出来ないようにする。

 残りは十数匹。これぐらいでいいか。


「いけ!モコ!」


ワォオオーン!!(威圧の咆哮)


 モコの咆哮が部屋に響くなり、オーク達の動きが明らかに鈍くなる。

 オークの体格は180cm以上、体重は140〜150kg。

 それに対して、モコの体長は2m以上、体重は乙女の秘密。


 軽々とオークに飛び掛かり、頸動脈を噛み千切っていく。

 1匹、2匹、3匹・・・。うん、ウチの子強いわ。

 抵抗しようとするオークには影魔導の『シャドウバインド』で拘束して、ガブり。転がして、ガブり。

 俺がスパイダーネットで拘束したオークは『シャドウニードル』でザクり、ザクザク。


 スパイダーネットには嫌な思い出があるみたいで触れたくないという感情が伝わってくる。

 モコにとって、スパイダーネットはトラウマのようだ。

 

 モンスターハウスを殲滅するのに掛かった時間は俺と同じくらい。


 全てのオークを狩り終わると尻尾をブンブン振りながら迫ってくる。

 そこからは『褒めて!』という強い感情が流れてくるので撫で撫でワシャワシャしてやる。


 なんだろう、これ凄くいいわ。辛い無双ランニングに潤いが戻ったわ。


 そして、ウチの子。めっちゃ出来る子だよ。


 今なら解る気がする。公園で集う犬友のマダム達の気持ちが…。あ〜、俺も自慢したいわ〜、ウチの子が1番なんだよってね。


『マスター、犬ではありません。狼です。』秘密基地内に静かに響く。


 こうなってくるとテイマー友達とか欲しいけど、テイマーは数が少なくて県に1人いるかいないかで希少なんだよね。


 愛知県で有名なテイマーだと『陣内じんない 美嘉みか』。何を隠そう、あの伝説の探索者『陣内じんない 陽輝はるき』の妹なんだけど、約40年くらい前に行方知れずになってるんだよね。


 新しくテイマーが現れたとは聞かないし、両親に進めてみるか…。

 ここ最近のウチのご飯には必ずと言っていいほど、オーク肉が出てくる。

 そのせいなのか父親の愚痴が多くなった。


「(最近、親父がお腹周りを気にしてたからな)」


 テイマーとして再登録させて、シルバーウルフを飼う計画を思いつく。


「(シルバーウルフをいっぱい飼えば、モコが混ざっても目立たないだろう。たぶん。おそらく)」


 頭の中で皮算用をしている間もモコを撫で続けていた。


「(まずはこのもふもふの良さを伝える為にもプレゼンだな)」


 この日の無双ランニングは楽しく行うことができた。


 

次回の更新は月曜日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ