21話︰女性4人のパーティー
無双ランニングから1週間が経過した。
学校では新たな友人も増えたりと充実している。ただ、仲が良くなったことで新しいパーティーから探索に誘われたりするが今の俺は秘密の宝庫。
それに最初にパーティーを組んでいた友人達との関係もあるのでなんとか理由をつけて断ったりしている。
さて、1日もサボることなく、しんどかった無双ランニングをこなした結果、俺は同年代でも破格の強さを身につけていた。同年代どころか探索者界隈でもトップ層の実力だったりする。
そんなわけで今なら学校のトップになるのも楽勝だ。
前置きはこれくらいにして、俺のステータスを見てくれ。
【名前】 藤 颯夜
【順位】―
【称号】下剋上 征服者 英雄 無慈悲 罠使い
【職業】 上級道具士new!
レベル:76(+41up) 50P
筋力:212(+124up)
体力:233(+145UP)
魔力:126(+62UP)
精神:126(+62UP)
耐性:126(+62UP)
器用:349(+207UP)
敏捷:233(+145UP)
幸運:420(+228UP)
【技能】
集中Lv:5 up!
鑑定Lv:3 up!
気配察知Lv:3up!
気配遮断Lv:5up!
罠術Lv:5up!
恐怖耐性Lv:3
【固有技能】
アイテムボックスLv:10max!
【特別技能】
限界突破
【特異技能】
秘密基地Lv:6
【装備】
ショートスピア+ 一般級
暗闇の短剣 希少級
隠者の腕輪 英雄級
疾風の指輪 希少級
技巧の指輪 希少級
死蜘蛛の仮面 希少級
死蜘蛛の小手 希少級
盗賊の靴 一般級
レベルアップで獲得したポイントはアイテムボックスに注ぎ込んだので残りは50Pしか残ってないがレベルが55を超えた事とアイテムボックスのレベルがMAXになったことで道具士から『上級道具士』にクラスアップして、レベル上昇時のステータスも上がった。
クラスアップの条件は勿論、ベースAI先生から教えてもらいました。
そして、新しく称号も増えた。
無慈悲
・坦々と作業のように魔物を屠りし慈悲なき者に送られる称号。
《効果》精神系状態異常に抵抗(大)。
罠使い
・罠で数多の魔物を討伐した者に送られる称号。
《効果》罠察知。罠解除。罠術の設置数・効果・威力・範囲に+補正(大)。
これらの称号を得られたのは俺の血の滲む努力の結晶だ。なのに無慈悲って・・・。確かに後半は作業と化していたかもしれないが肯定してしまったらそこで終わりだ。
無双ランニングで正直ここまでレベルが上げられるとは思っていなかったのでベースAI先生には感謝しかない。
このレベルならどんなトップクランだって放っておかないだろう。
なんせ、一流と言われる探索者達とほぼ同じレベル帯なのだ。
前にも言ったがクランに入るつもりはないけど、待遇によっては考えなくもないかな〜。
だけど、もっと深い階層でまた同じようにモンスターハウスで無双ランニングすれば、超一流と呼ばれるレベル100台も夢ではない。
なんだったら伝説の探索者と呼ばれる『陣内陽輝』が辿り着いたと言われる人類限界到達点のレベル300だっていけるかもしれない。
ユニークスキル秘密基地のおかげで俺の夢は広がる。
報告はこれくらいにして、これからの予定に移ろうと思う。
モンスターハウスでレベリングしていたが流石にレベルが上がり辛くなってきて、宝箱から出るアイテムも一般級のみになってしまったので、当初の目的である死蜘蛛シリーズを揃えようと思う。
ただ稼ぎは悪くないのでモンスターハウスの手前に一応、転移設定だけはしておいた。
ということで地下17階の階段に向かっています。
今の罠術のレベルは5。称号の効果もあり、同時に10個まで発動でき、レベル4に上がった際に新しい罠『槍の罠』を使えるようになった。
槍の罠は設置すると床から複数の槍が飛び出して、モンスターを穿く。
当初、トラバサミの方が強いなと感じていたがこの槍の罠にはトラバサミにない利点がある。
それは床以外に壁や天井にも設置出来ること。
これにより、俺の罠を使った戦術は大きな広がりを見せた。場所は限られるが…。
大幅に上がった能力のおかげで罠を使っても、ちょっとやそっとじゃ疲労することがなくなった。
遭遇するモンスターを指揮者のような仕草で罠を使い、何もさせずに瞬殺していく。自分、無慈悲なんで…。
前までは発動のたびに声を出していたが最近のマイブームはクールに無詠唱だ。
ただ無詠唱だけでは地味だから指揮者が優雅に奏でるように発動している。こうすれば、まさに実力者のように見えると思ってる。
重度の厨二病ですけど、何か?
地下17階の階段を降りて、端末で地下18階のマップを確認しながら最短の道を行く。
目新しいものなどなく、風景が全く変わらない洞窟は非常に退屈だ。そんな退屈な道を足を止めることなく、遭遇したモンスターを作業のように屠り、マップの中間辺りに来た時、端末に探索者達の反応があった。
珍しいなと思いながらこのままいけば、5分もしないうちに鉢合わせてしまうので秘密基地を発動して、姿を晦ます。
こんな階層を歩いている探索者は間違いなく、泊まりで探索した者達だ。
来る方向からして地上に帰る途中だと思うがこういう探索者達は基本的に気が立っていることが多いので顔を合わすのは極力避けた方が良い。
まあ、何日間もこの薄暗い洞窟で不味い飯を食べながら満足に休めない状況が続けば、誰でも気が立つだろう。
秘密基地を透過しながら静かに探索者達が過ぎ去るのを待っていると小走りに近付いて来る。
「ねぇ、ホントに反応が消えたの?」
「うん、間違いない」
「反応がないならもう手遅れなんじゃないの?」
「反応がなくなっても数分なら助かる可能性はあるわよ」
近付いてきたのは女性4人のパーティー。
彼女達はどうやら端末のマップから俺の反応が消えたことで危機に陥った探索者がいると思い、救援しようと駆け付けたみたいだ。
うん、申し訳ないことをしたとは思ってる。
「反応が消えたのがこの辺り…のはずなんだけど…」
「…誰もいないじゃない」
ええ、ここに隠れていますので…。
「本当に反応あったの?」
「間違いなくあったよ!ホントだよ!」
「「・・・」」
ええ、間違いなく反応はあったんですよ。ここに隠れてますけど…。
「端末の故障だったんじゃない?」
「う〜ん、でも17階から最短で動いてたんだよ。それが急に消えて…」
「・・・まさか・・・幽霊」
「ちょっと!やめてよ!そういうの!」
ええ、あなた達が過ぎ去ったらまた反応するけど幽霊じゃないんです。人間なんです。俺。
「もう、ダンジョンに吸収されちゃったのかもしれないわね」
そういえば、一昔前にダンジョン葬っていうのが少しだけ話題になったな。
ダンジョンには仲間との思い出があるからとか言って、一部の元探索者が望んでダンジョンで送られたらしい。
ボンヤリとそんなことを考えていると女性パーティーは姿が見えない距離まで遠ざかって行った。
普通ならもう少し様子を見て、充分な距離を取ってから外へ出るのであろうがここでいつものイタズラ心が騒ぐ。
端末で彼女達の動きを確認しながら外へ出る。すると彼女達の反応の動きが止まったかと思うとこちらへ迫ってくる。
なので再び秘密基地の中へ隠れる。
「誰もいない!」
「なんで!反応があったのに!」
「・・・やっぱり幽霊」
「(ガクブルガクブル)」
うん、ごめん。本当に戻ってくるなんて、そこそこ確信してたけど…ごめんなさい。
本当に悪気しかなかったんです。
『マスター、悪ふざけはほどほどに』
ベースAI先生に叱られてしまってはほどほどにするしかない。
今度は彼女達が17階に上がるまで待ってから秘密基地を出て、先へと進んだ。




