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訴状

作者: ハト

 エス氏の元に、電話がかかってきた。

「エスさんのお宅ですか、この度は大変なことになりましたね」

 相手は嘲るような口調で言ったが、怒る気にはなれなかった。四日前、エス氏の一人息子は親友を殺害し、今は裁判に向けて準備中である。すでに電話口の相手に怒鳴るほどの気力も残っていない。黙っていると、相手はエヌ製造会社の者だと名乗った。

「この度我が社では、お宅のお子様に多大な被害を与えられましたので、これを営業妨害で訴えさせていただくことになりました。ご資金等の準備をよろしくお願いいたします」

「申し訳ないが、うちの子どもがそのようなことをしたとは思えない。息子は人を殺してしまったが、それ以外の罪はないはずだ」

「いいえ、あなたのお子様は立派に我が社の売り上げを落としております。この度週刊誌に掲載されましたご子息の写真に、弊社製造のコップが写っておりました。このため世間様ではエヌ製造会社のコップを使うと、凶悪な人間になってしまうと言う風評が立ち、売り上げは三割にまで落ちております。我が社ではこれを営業妨害と見なし……」



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