第559話 彼女たちを迎え入れる
「明日までに一本だけは確約してくれた。上手くすれば二本だ」
「鉄矢の補充はバッチリデス!」
俺たち事務所組と入れ替わりで『サメッグ組』や『スルバーの工房』を巡ってくれたメンバーが拠点に戻り、口々に報告をしてくれる。
どうやら明後日の『シュウカク作戦』までにピッチャー海藤の槍は最低でも一本追加できるようだ。アーチャーなミアの使う鉄矢は既製品だから、補充は楽勝。
「ジンギスカン鍋も三つ発注してきたよ。短剣と盾の調整は明日受け取りだね」
「これで六枚かあ」
「順番待ちしなくて済むようになるのはいいな」
アネゴな笹見さんの報告に、クラスメイトたちも盛り上がる。
こちらは作戦に間に合わないが、問題ない。それよりも次回以降の迷宮泊で、六枚置かれたジンギスカン鍋に群がる連中の姿がありありと脳裏に浮かぶな。二十四人となったのだから、ひとつの鍋に四人の換算だ。いよいよジンギスカンらしくなってきたぞ。
トウモロコシ騒動で有耶無耶になりかけていたが、ジンギスカン鍋バックラーは問題なく運用できていた。鍋としてはもちろんだけど、バックラーとしても。
少々重たくはなってしまったが、慣れればイケるというのが使ってみた三人の意見だ。具体的にはメガネおさげの白石さんと、ロリっ娘バッファー奉谷さん、そして全てを見通す俺。この中でも一番非力な白石さんですら軽々と扱えたのは、十一まで積み上げた階位のお陰だろう。
「仕上がるのが楽しみですね」
「うん。お揃い」
「だねっ」
追加となる三枚は、それぞれ聖女な上杉さん、冷徹アルビノ女子の深山さん、石使いの夏樹が使うことになる。
上杉さんが嬉しそうだけど、防具と鍋、どっちの意味なのやら。
これでジンギスカン鍋バックラーは打ち止めだ。一年一組にはあと三人、スプリンターの春さんとメガネ忍者な草間、エセエルフのミアがバックラーを装備しているが、全員が駆け回るタイプのメンツだから現状のままで行くことが決まっている。運用自体は後衛以上に可能だけど、感覚が変わるのを避けたのだ。
ミアに至っては剛弓の取り回しの邪魔だと、次回からはバックラーを外すとまで言っている。盾の有無に関係なく、普通に避けるもんなあ、アイツは。
「さて、あたしはティア様とメーラさんの部屋を掃除してくるよ。雪乃、藤永、悪いけど手伝ってくれるかい?」
「うん」
「っす」
戻ったばかりの笹見さんは、早速ティア様とメーラさんの同居準備に取り掛かるようだ。清掃担当の定番、深山さんと藤永も立ち上がる。
風呂に掃除にと、この三人は大活躍だよな。料理にも結構関わってくれているし。風呂以外は俺もそこそこ手伝ってはいるけれど、頭が上がらない。よし、ここはひとつ。
「俺も手伝うよ」
「八津は要らないよ。明後日の準備とティア様たちを入れた陣形でも考えときな」
いざ立ち上がってはみたものの、笹見さんにあっさりと却下された。
言っていることは確かに真っ当だけどさあ。
ちなみにティア様の要望なのだけど、新規加入した二人はひとつの部屋で寝泊まりすることになっている。個室ではなく二人部屋。俺たちの拠点はアホみたいにデカい個室が幾らでも余っている邸宅だし、それ自体は問題ない。
それよりも驚いたのは、推薦状が書きあがるまでと組合への道中で提案されたティア様の気遣いだ。女子の大部屋ではなく、二人部屋を所望したのもそのひとつだな。
『勇者だけの時間も必要ですわよね。わたくし抜きで話したいこともあるのでしょう?』
こんなセリフが出てきたのにはビックリだ。
アウローニヤ時代も勇者担当者たちは俺たちだけの時間を意識して作ってくれていた。
それと似たようなコトをティア様が先に言ってきた辺り、彼女なりにラインを引いてくれたのだろう。つまり『一年一組』としての時間と、日本人の時間の区別だ。
朝夜の一時間ずつ、ティア様とメーラさんは朝は遅れて登場し、夜は早めに部屋に戻ると宣言した。ただし、たまには女子部屋に泊まらせてくれとも。これもまたアウローニヤと同じパターンだな。
まさかこんなレベルの情報が洩れているとは考えられないので、ティア様自身が考えて出した結論なんだろう。
【聴覚強化】を持っているから盗み聞きだってやろうと思えばできるかもしれないが、ティア様がそんなコスいマネをしてくるとは思わない。
そもそも日本語で会話をするのだから意味も無いし。
今回の騒動は最初こそかなり強引で、こちらに逃げ道をふさぐようなやり口を使ってきたけれど、ティア様とメーラさんは俺たち一年一組と、真摯に付き合っていこうと考えてくれているってことだ。
そう長い期間ではなかったけれども、俺たちがティア様を知ったように、向こうもまたってヤツだな。
◇◇◇
「ティア様たちのコト、どうやって書いたらいいのかな」
「凄く長くて回りくどい恨み節が返ってきそうな気がするよ」
「だよね、孝則くん」
「婚約破棄された悪役令嬢が冒険者になって活躍するのは定番で、僕たちも大好物ですって書いたらどうかな。とくに先生が──」
夜の談話室で白石さんと野来が紙を見下ろしながら真剣に語り合っている。
二人の気持ちはわからなくもないけど、そこで滝沢先生の名前を引き合いに出すのは禁じ手じゃないだろうか。
小麦農家ペアが悩んでいるのは、明日発送する予定になっているアウローニヤへの手紙についてだ。
夕食も終わり談話室に移動したところで、予想通り藍城委員長と上杉さんから、政治的視点から見たティア様とメーラさんが冒険者として『一年一組』に入ったことによる影響が語られた。
二人が言うに、侯王様が許可した以上、そこに国としての思惑があるのは『本来』なら当然のことらしい。
ただし、アウローニヤへの意趣返しとかの方向性は、友好路線のペルメッダとしては難しいんじゃないかとも。
なにせ今回交渉している相手はあのラハイド侯爵夫妻だし、背後には女王様もいるんだ。不必要な刺激を侯王様は選ばないだろう。
今回のケースは侯爵家が勇者を取り込むのではなく、ご令嬢が冒険者となり『一年一組』に入っただけ。むしろティア様が勇者に絡め捕られたとアウローニヤの女王様なら察するはず、というのが二人の意見だ。
絡め捕ったとか酷い表現だよな。
まあ、俺の脳内に浮かんだ国家間陰謀が考えすぎだったのなら、それならそれでいい。フラグは勘弁してくれよ?
委員長と上杉さんの見解を聞き、そんな難しい話ではなく、単に侯爵家は婚約破棄で政治的立場を失ったティア様の思いを叶えてあげたいんじゃないかとか、迷宮が異常をきたしている今だからこそ、冒険者たちへの鼓舞になるっていう意見も出てきたりした。
それぞれ主張したのはヤンキー佩丘と、ミリオタな馬那だ。佩丘って家族の情になると口を出してくるんだよな。翻訳が必要な場合が多いけど。
そして、何よりティア様の強い意志こそを重視すべきだと主張したのは中宮さんだった。彼女の言葉を信じなくてどうする、と。これには政治を語った二人も素直に頷くしかない。
上杉さんの問い掛けに政治的に含むところは無いとティア様は誓ったのだ。それを疑う必要はすでにない。
信じ切れないならば、そもそも俺たちはティア様たちを受け入れていなかっただろうから。
『侯国が俺たちに何かを仕掛けてきたとしてもさ、ティア様が率先して壊しに動きそうなんだよな』
最後にそんなセリフでみんなを笑わせたのはイケメンオタな古韮だった。
まさにその通りだな。
「なんでジャンケン負けちゃったかな」
「頑張ろうよ、碧ちゃん」
「そうだね、孝則くん」
俺からの同情を損ないかねない野来と白石さんの距離感だけど、ティア様を仲間とするのはいいとして、それをアウローニヤに伝えるのは怖い。とくに女王様。
アウローニヤからの手紙なんだけど、俺たちとティア様との交流をあちらの女王様が羨ましがっているのが、かなり遠回しであっても綴られていたのだ。しかも手紙が届く伝達速度の関係で、かなり前の情報ですでに、なんだよなあ。
昨日までの出来事は書き終わっているので、ここからティア様の件を追加するだけなんだけど……。
というのもあって、今回の手紙に書く文章はジャンケンで選抜されることになったのだ。白石さんが負けた時点で野来が手伝うと言い出したのに対し、クラスメイトたちは生暖い視線を送った。
頑張れ、二人とも。俺には達成困難なミッションだから、遠くから見守らせてもらうよ。
さて、俺も腹筋頑張るか。【身体強化】生えないかなあ。
◇◇◇
「ただいま戻りましたわ!」
翌朝八時、元気な声と共にティア様が『一年一組』の拠点に現れた。戻ったときたか。
「お帰りなさい、ティア。待っていたわ」
苦笑で答える中宮さんだけど、彼女もまたどこか楽し気な空気をまとっている。
「メーラさんも、おはよう!」
「お早うございます、ホウタニさん」
ティア様の横に立つメーラさんには、奉谷さんがこれまた元気な朝の挨拶だ。
そう、『横』なんだよ。これまでならば、斜めうしろだったはずのポジションが変わっている。
二人で話し合ったのか、それともメーラさんの意思なのかはわからない。俺にとっては重たい嬉しさだな。
「やあ。これから妹をよろしく頼むよ」
そんな新規参入組となる二人のうしろには当たり前みたいにウィル様がいて、さらには街で普通に見かける大小三台の人力荷車が続く。それを曳く人たちが六人。
全員がお忍び冒険者っぽい恰好をしているものだから判別しにくいけれど、守護騎士なんだろうなあ。
朝っぱらから何をやらせているのやらだ。
「お早うございます。妹さんは責任を持って預からせていただきます」
「心配はしていませんよ、タキザワ先生。昨日のリンの喜びようと言ったら──」
「ウィル兄様!」
丁寧に挨拶を交わす先生とウィル様にティア様が叫び声を上げる。なんか緩くないか?
俺などは籍を外したのだから家族の離別とかを脳内で描いていたのに、この兄妹ときたら。
日本の家族と会うことのできない俺たちからしてみれば、正直羨ましさを感じるのも事実だ。それでも俺たちは二十二人で励まし合える。たとえ空元気であったとしても賑やかにしていればごまかすこともできるんだ。
仲良しなティア様とウィル様が一緒にいる光景は、いつかは必ず帰還して、家族とこうやって再開するのだという気概にも繋げればいい。
「あの荷車って、ティア様とメーラさんの私物ですよね?」
「半分はそうですわね。さあ、運んでくださいまし」
委員長に確認されたティア様はサクっと頷き、荷車の傍に立つ守護騎士たちに指示を出す。
昨日の時点で平民になっているティア様なのに、ナチュラルにコレかよ。指示を受けて即座に動き出す騎士たちもなんだかなあ。
故郷に思いを馳せていたというのに、彼女はこのノリだ。
「玄関に置いてください。そこからは僕たちがやりますので」
荷車に積まれた私物とやらの量に一瞬気圧されたようになった委員長だけど、慌てて騎士たちに声を掛ける。
「んじゃあやるかあ」
「とっとと終わらせるぞ」
玄関に積まれていく木箱を見た古韮と佩丘が動き出す。大人たちだけに働かせるのは気が引けるからなあ。
どれ、俺も──。
「アオイ」
「は、はいっ」
自分の荷物を運んでくれているのに、手伝うワケでもなくただ眺めていたティア様が、唐突に白石さんに声を掛けた。
「『一年一組』の資産を教えてくださいまし。組合への預け金も併せて、大雑把で構いませんわ」
「え? 聞いてどうするんですか?」
ティア様の言葉の真意を掴みかねた白石さんがおずおずと聞き返す。ホント、どういう意味だろう。
俺たちはここの家賃を払ってなお、億単位の現金を持っているし、組合にもそれなりの貯金をしている。
それを知ったとしてティア様はどうするつもりなのか。そんなやり取りを耳にしたクラスメイトの一部が、荷物に向かおうとしていた足を止めた。
「二十二で割って、二をわたくしとメーラの個人資産から組に納めますわ。残りは侯爵家に返納ですわね。細かな私物は面倒ですから省きますけど、よろしくて?」
「そういう……」
自信満々に語られたティア様からの提案に、白石さんは感じ入った様子だ。ウィル様と並ぶ先生のメガネも光っている。
元侯爵令嬢だからと大金を持ち込まず、それでいて俺たちの資金に集るでもなく、ティア様は平等を求めてきた。ちゃんと計算をして、二十二を二十四にするという寸法か。
いやまあ、平民になってから侯爵令嬢時代の個人資産を外に持ち出すのがアリなのかは不明なんだけど。こういう行為を偉いと思うべきなのか、そうじゃないのかの判別が難しいやり口だぞ、これは。
いや、俺たちだってアウローニヤから大金を持ち込んでだのだし、似たようなものか。
「ええっと、大体になりますけど──」
「三台目は全て大金貨と金貨ですわ。足りると良いのですけど」
「え?」
白石さんのメガネ越しの目が点になっているけど、足りないわけがない。
幌がかけられている小さい荷車をチラっと【観察】してみたら、鉄でできた車軸が軽くたわんでいる。石畳だからいいものの、土の路面だったら轍になるぞ。一体いくら持って来たんだよ。
「八津、金勘定は白石に任せて、俺たちも行くぞ」
「あ、ああ」
呆れた風の海藤に促され、俺は拠点の玄関に足を向けた。金の件には目をつむり、今はやるべきことをするとしよう。
「あの、ティア様」
「なんですの?」
「荷物なんですけど、椅子とかが凄く多くないですか?」
「わたくしからの贈り物ですわ。引っ越し祝いと思ってくださいまし──」
背後で白石さんとティア様が何か話しているけれど、そっちは任せたよ。
◇◇◇
「それじゃあ妹をよろしくね」
荷物の運び込みと、持ち込んだ備品絡みでひと悶着あった金の受け取りを終えてすぐ、ウィル様はあっさりと別れの言葉を口にした。
「リン。僕からの手助けはここまでだ」
「わかっていますわ」
ティア様に向き直ったウィル様が優しく笑い、妹さんは当然とばかりに頷いている。
「以後、侯爵家から金銭や人員はもちろん、政治的な優遇はあり得ないものと思ってもらいたい」
そして、手助けという単語の意味がウィル様の口からハッキリと伝えられた。
つまりは餞別的な行為だったというのと、ティア様が『一年一組』の拠点に引っ越す作業で俺たちの手を煩わせないという、侯爵家からの配慮だったということだ。
これで最後なんだと念押しも含めて、これで本当に……。
ええっと、本当にラストなんだよな?
「それと明日の迷宮……、『しゅうかく作戦』だったかな? 健闘を祈っているよ。もちろん冒険者のリンとメーラの活躍も」
付け加えるように『シュウカク作戦』に触れたウィル様は、笑顔のままで『無事に』ではなく健闘という単語を使ってくる。そういうところがカッコいい人なんだ。
「やってみせますわ!」
対してもちろんティア様は不敵に吼えた。
ウィル様だって心配してはいるのだろう。それでも妹さんにウケない言葉を使わず、鼓舞する方を選んだというわけだ。
結局は仲良し兄妹だよな。うん、やっぱり羨ましいよ。
◇◇◇
「ところで見てくださいまし。お揃いですわよ」
去っていく兄と荷車を見届けた直後、ティア様がローブの前を開いて俺たちに振り返った。切り替えが早いなあ。
そして確かにティア様の着る革鎧は一年一組と似た色、つまり萌黄色になっている。首元を見るにメーラさんの鎧もだな。
ただし、造りはアウローニヤから持ち込んだ一年一組の革鎧とは微妙に違う。これはまあ、仕方のないところだ。
それを一晩で用意したのか。王城の工房は大変だったろうに。
「こちらも今朝届けられましたわ」
ニヤリと笑うティア様は、自分の胸元に親指を突き立てた。
そこにあるのはドッグタグ、つまり冒険者票と組票だ。組票は昨日のうちに渡してあったからいいとして、いつの間に個人名の入った冒険者票まで……。組合が超特急で作ったんだろうなあ。
ま、まあ、こういう扱いは最初だけだろう。さっきの荷運びもそうだけど。だよな?
「さあさあメーラ、早速部屋を整えますわよ」
「はっ」
ひとしきり鎧姿を俺たちに見せつけたティア様がひらりと身をひるがえし、率先して拠点の玄関に向かう。
「あ、ボクも手伝う!」
「わたしも行くわ」
「大歓迎ですわよ!」
奉谷さんと中宮さんが名乗りを上げれば、首だけで振り返ったティア様は満面の笑みで高らかに叫ぶのだ。
◇◇◇
「まあっ、今日は『ぴざ』ですのね!」
「引っ越し祝いだからなあ」
ティア様改めティアさんの歓声を受けて佩丘がニヒルに笑う。
『今後わたくしに『様』付けは不要ですわ。口調も素で構いませんわよ』
引っ越しの片づけも終わり、いざ昼食という段になって、ティアさんはそう宣言した。
平民同士で同じ組の仲間同士、そうするのが当然だというのか彼女の主張だ。俺たちとしても、そう乞われてしまえば受け入れるしかない。
ティアさんとメーラさんに対しては、すでに口調が怪しいメンバーも多いので、なんだかんだでこちらも助かる。
そんなティアさんは自称十八歳で、俺たちの一つか二つ上。俺としては『さん』付けで敬語のままが落としどころだな。
「これってコーン?」
「たくさん食べて、やっつけろってことでしょ?」
「ブチかましマス」
「あらあら、【解毒】の出番が多くなりそうですね」
「これは地上産だけどなあ。明日も食らい尽くしてやればいい」
悪い顔をした佩丘がゲン担ぎでこういうことをしてくるのは、クーデター前日のトンカツに続いて二度目か。
ある程度ティアさんとメーラさんの部屋が片付いたところで出された昼食は、大量のピザだった。具材はトマトやベーコン、サラミ、ソーセージ、カニ、そしてコーンなどなど。ごちゃまぜじゃなく一枚ごとにトッピングを切り替えてある。
それらを切り分け、好みのピザを各自で自由に食べるスタイルだ。大人数ならではだな。俺はカニメインで行くか。
トウモロコシとの死闘を前日に控え、出てきたのがコーンたっぷりのピザとかいうのは、如何にも佩丘らしい。
昨日の夕方、海藤たちと一緒に出掛けた佩丘が、この場のために地上産のトウモロコシを仕入れてきていたのだ。
「美味ですわね、メーラ。あの時よりもずっと」
「はい」
初回のピザパーティで一緒していたマクターナさんを煽るようなことを言い出すティアさんは平常営業だ。ついでにイエスウーマンなメーラさんも。
ちなみにお二人の服装はこれまで見たことの無いグレーの騎士服で、この辺りでも俺たちに寄り添ってくれているのが理解できる。まあティアさんについては、お揃いにこだわっている気もするけれど。
悪役令嬢と守護騎士を迎えた『一年一組』の新生活はこうして始まった。
次回の投稿は明後日(2025/09/24)を予定しています。