第509話 いろんな大人たち
「……どうも」
「い、いや、こんなモノで済まない」
凄く複雑そうな表情の馬那が、こちらも難しい顔をしたペルマ冒険者組合副組合長のグラハスさんから一枚の銀貨を手渡されている。
今日が誕生日の馬那にプレゼントを渡せとティア様は強要したのだけど、グラハスさんやバスタ顧問たち六人の組合職員がそんなものを持ってきているはずもない。
もしも持参していたら、それこそ化け物並みの洞察力だ。アウローニヤの女王様ならサラっとやってのけるかもしれないが、あのお方は人外だからなあ。
というわけで、馬那がゲットしたのは銀貨一枚。千ペルマ、つまり千円相当のお小遣いだった。
そりゃあ気まずいよな。言い出したティア様も、怒るに怒れなくてすっごく複雑そうにしているし。
「今日ってお小遣いが多い日ね。碧もそうだったし」
「そういえば」
「八津くんも欲しい?」
「俺って芸ができないから」
そんな微妙な光景を眺めていたら、横から白いサメを纏わせた綿原さんが話しかけてきた。声には苦笑が混じっている。
昼間は歌い手メガネな白石さんが、おひねりを貰っていたのだっけ。
「さあ、宴を再開しますわよ」
そんな場を、すっかり仕切ってしまうのがティア様である。プレゼントの件を流さんがごとくだ。
謎なパワーを持つティア様ワールドなんだけど、慣れてしまえば意外と楽しいんだよな。慣れることができたなら、だけど。
その点ウチのクラスメイトたちは善良な連中ばかりだし、悪役令嬢適性が高いメンバーも多いので、普通に受け入れちゃっている。そういうところがティア様にとってのツボなのかもしれないな。
「客の肉を焼くのに時間が要るから、繋いでてくれや。白石」
「え、わたし?」
焼き時間を短縮するためなのか、ナイフを使ってステーキ肉を半分の厚さに切りながらヤンキーな佩丘が白石さんに無茶振りを仕掛けた。
「さっき歌いかけてたじゃない。ボクも一緒だから。ね?」
「……わかった」
「【奮戦歌唱】だよっ」
「うん」
アワつく白石さんを、ロリっ娘な奉谷さんが元気な声で励ます。
「まずはこちらを」
「すまんな」
「いえいえ」
喧噪が始まる一歩手前で、上杉さんが副組合長たちにカニ白菜スープの入ったカップを配っていく。
冒険者組合の職員だけあって、全員が万全の装備だったのはさすがだと思う。
三層までの見物にもかかわらず、ちゃんと最低限の食器類や保存食も携帯していたのだ。それこそバスタ顧問までもが。
「ほう。いい味だ」
「迷宮でこれほどのものが」
どうです副組合長に顧問さん、ウチの料理長は凄いでしょう。
「じゃ、じゃあ、歌いますねっ」
白石さんが大きくなった輪の中央に歩み出た。
というわけで馬那の誕生日パーティ、第二幕は始まったのだ。
◇◇◇
「しゃうっ!」
広間に中宮さんの声が轟き、木刀が複雑な軌道を描く。
直後、【石術師】の夏樹が操作していた四つの石が地面に落ちた。ただし落着寸前で制御を取り返して手元に戻してしまうところまでがワンセットだ。
綿原さんのサメ制御も大概だけど、夏樹も中々どうして。
中宮さんの木刀を目で追うのは大変だろうけど、俺にはちゃんと見えている。二振り半ってところかな。
知らない人が見れば一連の型とすら感じただろうが、アレは石の動きに合わせて繰り出す技を複数選んだ結果だ。
「やられたぁ」
本人にダメージが入ったわけではないのに、夏樹が白々しい声を出しながら床に崩れ落ちる。そこに意味はない。ただのノリだ。
「以上、『一年一組』が誇る剣術使い、リン・ナカミヤによる、その名も『石落とし』でした」
現在の司会担当は綿原さんだったりする。最近はこういうところで前に出るようになったよな。
出会って当初はナンバーツーがお似合いだとか言っていたし、クラスメイトたちも中学の頃はあんなじゃなかったって話なのに。
夏樹と中宮さんがやっていたのはシンプルな遊びだ。石が中宮さんに当たれば夏樹の勝ち。逆に全弾迎撃に成功すれば中宮さんの勝利というルール。
中宮さんが【魔力伝導】を使っていたので、木刀が少しでも触れれば【石術】は解けてしまうという前提でのゲームだ。
ただまあ、名前が『石落とし』だけに、中宮さんが勝つのが前提なんだけどな。
もちろん二人とも完全に手を抜いている。夏樹は速度を出さずに軌道を変化させる方に集中していたし、中宮さんはスタートしてから一歩もその場を動いていない。
それでも中宮さんの勝利する姿を見たティア様は、邪悪な笑顔で大変満足そうだ。
「いやあ。見事なものだ」
「むぅぅ」
そんな光景を見届けた副組合長は感嘆の声を上げ、そしてバスタ顧問はちょっと悔しそうにしている。
「あの、顧問?」
「私とて【土術師】。術師の応援をしたくもなりますぞ」
「はあ」
俺の問い掛けに、バスタ顧問は如何にも残念そうだ。
記憶は定かでないが、たしかバスタ顧問は八階位か九階位の【土術師】だったはず。
アウローニヤ基準なら超一流の術師なのだけど、ペルメッダには十階位の術師がそれなり以上にいる。正確にはペルマ=タにいる冒険者なら、だけど。
それでもほぼ全ての術師が十階位で頭打ちだ。
後衛職が四層の魔獣にトドメを刺すのは、三層までとは桁違いに難易度が高い。ラストアタックがレベリングの条件である以上、術師の階位が十で止まるのは必然だろう。
俺たちは『芋煮会』や王家の宝剣、奉谷さんの【身体補強】、そして前衛職の献身でもってなんとかしているが、そこまでしなくてもというのがペルマの冒険者たちの持つ常識だ。
四層に連れて行く【聖術師】たちは、魔獣を倒さずとも前衛職が『守って』あげればいいだけなのだから。
お仕事で冒険者をやっているわけで、素早く魔獣を狩ることこそが生きていく上で一番大事だっていうのはわかる話だ。
「迷宮では『土』が出ませんのでな。サカキ殿の『石』が羨ましいですよ」
「魔力の通り、ですか」
「ですなあ。若い頃はいろいろと試したのですが、離れてからもう長くなりました」
そう言いながらバスタ顧問は腰のポーチから土を浮かばせ、うようよと変形させながら宙に浮かべてみせた。
これはこれで正直、見事なものだと思う。たしかに夏樹の石に比べれば攻撃力には劣るだろうけど、綿原さんのサメみたいに、目潰しなんかの行動阻害になら十分使えそうだ。対人戦でこそ輝くんじゃないだろうか。
技能に熟練度システムが実装されているからこそ、年長者の術師は恐ろしい。
一年一組は豊富な魔力に任せて技能を使い続けることで熟練を上げまくっているが、それでも時間には勝てないのだ。
「十階位の術師は四層に同行する【聖術師】か【捜術師】だけでいい。大魔導士を目指す程、私は熱くなれなかったのでしょうな」
土を動かしたまま、配膳されたステーキを口にした顧問はしみじみと語る。
俺はこういう大人になんて返せばいいのだろう。黙って続きに耳を傾けるしかないのかな。
ちなみに上杉さんとアネゴな笹見さん、栗毛の深山さん、チャラ男な藤永はカニ鍋とマッシュポテトを、佩丘、ピッチャー海藤、キャンプで燃えるミアはステーキを担当してくれている。
必然的に残ったメンバーで、それなりに人当たりの良い連中が接待係だ。俺ってこっち側だったのか。
「幸い侯国の男爵家に生まれて生活には困らず、こうしてお役目も与えてもらえている」
司会のはずだった綿原さんが自らサメ芸を繰り出しているのを見つめるバスタ顧問の口は滑らかだけど、どこか寂しげだ。
このおじさんの年齢的に、ペルメールの乱が起きた頃は二十歳くらいだったはずなので、術師としての探求と合わせて、貴族としてもいろいろあったのかもしれない。
「自分の仕事は、侯国と冒険者組合の両者をより良くすることだと自負しておりました。こうして迷宮に入ることも久しぶりです」
「事務仕事も大事だって、俺は思います」
「それを言える若い冒険者は、まあ希少ですな」
なんとか捻りだした俺の言葉に、顧問は大きく頷いてくれた。
騎士団立ち上げとか、組の運営とかを自分たちの手でやっていると、所謂裏方の仕事が大変なのが実感できるんだよなあ。
「そんな折に『迷宮のしおり』と共に勇者のご活躍を聞きましてな」
「はあ」
で、そこに繋がるのか。あえて『指南書』ではなく『しおり』と。
「年齢的に私は厳しくても、新しいコトを受け入れられる若者たちならば。『しおり』を活用して十階位を乗り越えた術師たちが、新しい活躍を見せてくれるのでは、と熱くなってしまって」
瞳に光を宿したバスタ顧問の口調が強くなる。
ああ、この人は術師の限界で挫折して、現役を離れてから光明を見出してしまったのか。俺たちの『しおり』のせいで。
「先日はみなさんに申し訳ないことをしてしまいました」
「あ、いえ、気にしてませんから。むしろ──」
「などという大人の卑怯な口先に引っかからないように気を付けることですな。ヤヅ殿?」
「うわあ」
こちらこそマクターナさんを頼った挙句あんな展開になって申し訳ない、なんなら定期的にノウハウを流そうかと口走りかけた俺に、バスタ顧問が被せてきた。
酷いセリフに対し、俺ができることといえば呆れ声しかない。
「私の言っていることは本当ですよ。大魔導士に憧れたのも、勇者に光を見出したのも」
してやったりの表情でバスタ顧問は訥々と語り続ける。
「さらには、みなさんからの協力を得て功績を誇ろうとしたのも、できれば侯息女殿下を通じて侯爵家の歓心を買おうとしたのも、全てが本当です」
言っている内容とは全く逆の優しい笑顔を俺に向けてくるこの人は、やっぱり大人だ。
マクターナさんに詰められてガクブルしていた人と、本当に同一人物なんだろうかなんていう疑問が浮かぶ。
「いくら強くとも、知恵を有していても、みなさんはまだまだお若い。アウローニヤでも聞こえの良い言葉で絡めとられた経験がおありでは?」
「まあ、無くはなかったですね」
俺の返答にしたり顔で頷く顧問さんだけど、この人はたぶん暗躍が得意なアウローニヤの女王様に、一年一組が丸め込まれたことを知っているのだろう。
そもそも俺はこういうやり取りが得意なクチではない。普通に藍城委員長や上杉さんが応対する場面だぞ。もしくは古韮か綿原さんか。誰でもいいから代わってくれ。
などと思って横を向けば、どうやらこちらの会話を盗み聞きしていたのだろう、グラハス副組合長とウチの委員長が揃って苦笑いを浮かべている。
助けてくれないのかよ。
「少し欲張って、娘くらいな年頃の書記官に脅されたのには参りましたが」
「怖かったですよね、マクターナさんのアレ」
「ヤヅ殿の言葉、テルト書記官には伝えないようにしておきましょう。これは汚い大人からの貸しですぞ?」
苦いものを食べたかのような顔をしたバスタ顧問は、俺の失言に一転意地の悪い表情を浮かべる。
組を立ち上げた際の一度だけだったバスタ顧問とのやり取りは、欲深をマクターナさんに押し切られたおじさんってイメージを俺たちに残していたが、こんなに深い人だったのか。
『あの人は仕事をしないといけない立場だから』
委員長が言っていたセリフを思い出す。
なるほどそういう立ち位置の人だって、心の中にはいろんなモノが入っているんだ。
そこで気になることだけど──。
「どうしてこんなことを教えてくれたんです?」
「素晴らしい宴席に迎え入れてくださった礼ですよ」
「それならティア様に感謝ですね」
「ですな。もちろん『一年一組』のみなさんと懇意にという思いもありますぞ。とある書記官からみなさんとは真正面から向き合う方が良策だと、かねてから助言をいただいておりましてな。機会を窺っていたのです」
気になる点を聞いてみれば、ネタばらしみたいなのが返ってきた。なるほど、マクターナさんが糸を引いていたのか。
それに乗っかることができるこの人だって、それはそれで凄いと思う。
「それにしてもこの光景には心が湧きたちますな。せっかく素晴らしい手法がもたらされたのです。私も十階位を目指してみますかな。自ら実証してみせるのが正しい在り方でしょう」
「そうですか。いいかもですね」
ああ、俺は感心しているのに、どうしてこんなことしか言えないんだろうな。せっかく近くで綿原さんのサメが舞っているのに。
「これでも組合顧問にして侯国男爵ですからな、階位上げのツテくらいはあるのですぞ」
イタズラっぽく笑うバスタ顧問だけど、この人はもう五十くらいに見える。普通に後進に道を譲っているはずの年齢だし、そういう立場だ。
今のセリフがどこまで本気でどこからおべっかなのかはわからないけれど、もしかしたら何かをはぐらかされた可能性すらも含めて、こういう話し方ができること自体が俺にはカッコよく思えてしまう。
「え? また人が来る。六人!」
俺が自分の未熟さに思い悩む暇もなく、さっきと同じような警告をメガネ忍者な草間が叫んだ。
慌ててみんなが動き出すが、こっちは三十人で、しかも十五階位のグラハス副組合長までいるんだけど。
天丼ってことになりそうな予感でどうにも緊張に欠けてしまうのは、本来よろしくないんだろうなあ。
◇◇◇
「侯王陛下におかれましては──」
「よい。頭を上げろ」
こちらを代表した副組合長の口上を侯王様がぶった切る。
組合の人たちから遅れること三十分くらい、俺たちのキャンプ地に続けて登場したのは侯王様と王妃様、ウィル様、護衛と思われる三名の守護騎士のみなさんだった。組合の人たちと比べて豪華な革鎧だけど、この人たちもまたしっかりきっちり迷宮装備だ。
両者の雰囲気からすると、口裏を合わせてここで落ち合ったって感じではないな。バスタ顧問がわなないているし。さっきまでの余裕な大人はどこに行ったのだろう。
誰だよ、こっちに十五階位が混じっているから安心だとか一瞬でも思ったバカは。十六階位のお出ましじゃないか。
「どういう了見か、お聞かせしてもらえますわよね、お父様」
そしてもちろんティア様はお怒りのご様子だ。
娘の宿泊研修が気になって現地に登場する両親とお兄さんなんて、想像しただけでも頭が痛くなる。
「いやなに、アウローニヤの件もあって最近は迷宮から遠のいていたのでな。これでは軍の高官として示しがつかんと考えていたのだが、政務もあってこんな時間になってしまったのだ。それにしてもまさかリンたちがここでこんなことをしているとは思わなんだ」
どこまで白々しい嘘を並べたら気が済むのだろう。
侯王様の口からこんな長セリフを聞いたのなんて、初めてじゃないだろうか。それが娘さんへの言い訳だとか。
侯王様たちは一昨日、俺たちから迷宮泊の内容を詳しく聞き取っている。当日に狩場を選ぶ都合から具体的な宿泊部屋こそ指定できてはいなかったけれど、三層の階段の近くとは言ってあったのだ。
組合と国軍とで狩場予約の情報は共有されている。ここに俺たちがいるのなんて、ちょっと考えれば誰にでも見つけられるんだ。
そして侯王様はペルメッダ国軍の最高司令官で、ウィル様も軍の要職に就いている。どうせ王妃様も、都合のいい肩書を持っているんだろう。
この人たちは冒険者組合に憚ることなく迷宮で活動する権利を持っているのだ。今夜についてはどう考えても職権乱用としか思えないけどな。
「わたくしも久しぶり体を動かせて、社交の疲れが取れたわね」
「お母様……」
笑顔の王妃様は普段の社交よりも迷宮の方が気楽だと言ってのける。
呆れるティア様だけど、俺的には王妃様に賛成だ。立場のある大人との会話ってどこに罠があるかわかったものじゃないからなあ。今まさにバスタ顧問から食らったばかりだし、貴族業界は大変そうだ。
「僕はいちおう止めたんだよ?」
「一緒について来ている時点で共犯ですわよ。ウィル兄様」
そしてウィル様は爽やかに自己弁護する。が、ティア様のツッコミが勝っているよな、これ。
とはいえ来てしまったものは仕方ないし、先着していた組合の人たちが宴会に参加してしまっているのだ。まさか侯爵家の人たちに帰れとは言い出せない。
それを成し遂げられるのはティア様だけなのだけど、さすがになあ。
「ティア、参加してもらいましょう」
「リン……」
「組合の人たちが良くて、ティアの家族がダメなんていうのは通らないわ」
高貴な家族の喧々囂々に切り込んだのは中宮副委員長だ。この状況なら彼女しかいないよな。
迷宮委員は大変だけどやりがいのある仕事だとは思っているが、ティア様担当も大概だ。
「ところで侯王陛下。手に持っているのは兎、ですよね」
場の空気が迎え入れる方向になったところで、皆が気にしていた点を委員長がつっ突いた。
侯王様と王妃様、ウィル様がそれぞれウサギを手に持っているんだよな。侯王様に至っては二体。
二層に出る、足を持たないツチノコウサギだ。ちゃんと首を落としてあって素材化しているのはわかるのだけど。
ついでに護衛の人たちは手ぶらで、偉い三人がわざわざっていうのが、いかにもアレな……。
「道中で遭遇したので差し入れにと思ったのだが……、多いな」
侯王様はこちらの想像したとおりなコトを言ってから、広間の隅に置かれた素材の山に目を向ける。
友達の家に泊りに行った子供のためにサプライズでお土産を持って行ったら、そこにはジンギスカン肉の山がありましたっていうパターンだ。
「わたくしとメーラの力ですわ! もちろん彼らの協力があればこそ、ですわね」
「牛と馬もあるな。リンとメーラが倒したのか」
「そうですわよ。わたくし十階位になりましたわ!」
「なんと!」
侯王様までメーラハラさんを愛称で呼ぶんだな、なんていう俺の感想を置き去りに、ティア様は感情を逆転させて上機嫌だ。
四層に出現する馬や牛は、ジャガイモや白菜よりは強敵だ。侯爵家の人たちが驚いているのも当然だろう。当然そのぶん経験値も大きいので、初日でティア様の十階位が達成できたという寸法だ。
「十一階位も目前ですわよ」
「すごいね。たった一日で二つも階位を上げるなんて」
胸を張るティア様をウィル様が手放しで褒める。その矛先はたぶん一年一組にも向けられているんだろう。
ところですっかり場が侯爵家の人たちに持って行かれているのだけど、ティア様、さっきまでの馬那リスペクトはどこにいったのでしょう。
「さあさあ、宴の再開ですわ。お父様、ショウイチロウになにか貢ぎ物をなさいまし」
「どういうことだ?」
あ、忘れてなかったみたいだ。またもやノリで余計なセリフがくっ付いているけれど。
良かったな、馬那。さらに貢ぎ物……、プレゼントの上乗せだぞ。しかも侯爵家からだ。
それとバスタ顧問、ビビってないで、ここはお仕事を頑張ってるのをアピールするところじゃないかな。
次回の投稿は明後日(2025/06/02)を予定しています。