第486話 一年一組だけでの迷宮
「実際に見ると、冒険者とは思えませんね」
「料理人の集団ですか?」
「言ってはなんですけど、ええ、まあ」
普段の朗らかさに苦味を混ぜたような笑顔でマクターナさんが俺たちの姿を見ている。
それに対応する綿原さんは、肩のあたりにサメを浮かばせ堂々と冗談で返す。
朝、といっても少し遅めの午前九時くらいな冒険者組合事務所は、相変わらず人が少ない。それでも『事務所番』と呼ばれる彼らが俺たちに向ける視線は、どこか呆れたモノを含んでいる。
それもそうだ。
なにしろ俺たちの恰好に問題がある。革鎧に革のヘルメット、さらには布団を兼ねた外套を着込むというところまではまだいいのだけど、追加装備が問題なのだから。
力自慢な騎士職連中が担いでいるのは蓋が付いた寸胴鍋が二つに、鉄の網と折り畳み式バーベキューセットだったりする。手伝いとばかりに、俺も炭の入った革袋を背負っているので準備はいろいろと万端だ。
迷宮で石炭とかが産出されたりしたらいいのになあ。いや、石炭でバーベキューはないか。
「戻りの時刻が遅いのは、それが理由ということですね」
俺たちの提出した計画書を見たマクターナさんは笑顔ではあるけれど、やはり口元をヒクつかせている。彼女が気にしているのは寸胴ではなく、バーベキューセットの方だ。
「はい。今後を見越して『迷宮食事会』を三層でやってから戻ってくる予定です」
綿原さんはどこ吹く風で説明している。一年一組による迷宮怪行動など毎度のことなのだから。
俺たちの帰還予定は午後の七時。通常の冒険者たちが五時上がりなのに比べると随分と遅い。まあ、こうして出発時間が遅めなので、トントンに近いのだけど。
で、今回の迷宮では綿原さんの言う様に、三層での夕食を予定に入れた。次回以降の迷宮泊を視野に入れた予行練習である。
「是非見学させてもらいたいところですが」
「マクターナさんも忙しいでしょうし、また機会があればよろしくお願いします」
本音なのか、それとも社交辞令なのか区別のつきにくいコトを言うマクターナさんに、綿原さんは爽やかに返してのけた。どうやら絶好調のご様子だな。
なにせ寸胴鍋を使って間接的に戦う『芋煮会』戦法は、ペルマ迷宮では実践されたことのないアラウド迷宮の秘伝だ。編み出したのは一年一組だけどな。
冒険者組合の職員として俺たちプロの技を見てみたいというのは、まあわからなくもない。なにしろ組合が計画している『指南書』にも記載されているのだから。
本当にそのうちどこかで見物したいなんていう依頼が来るかもだな。
「そうそう、侯息女殿下への伝言はバスタ顧問を通じて昨日のうちに終わっています。返答については近日中に、とだけ」
「ありがとうございます!」
思い直したように、ティア様への渡りについて教えてくれたマクターナさんに、一年一組がいっせいにお礼をする。
「バスタ顧問ですか。なるほど」
「喜んでいましたよ」
藍城委員長は苦笑を浮かべているけれど、マクターナさんは晴れやかなものだ。
これは俺にもわかる。俺たちが冒険者になった時に『指南書』作りを手伝えと言ってきて、マクターナさんに完封されたのが侯国男爵のバスタ顧問だ。マクターナさんはそんな顧問に『一年一組』とティア様との橋渡し役をやらせて、花を持たせてあげたって寸法か。
「助かりました。今後ともよろしくって伝えておいてください」
「ええ、もちろんです」
イタズラっぽく笑う委員長にマクターナさんも笑顔で答えた。
タダで手に入る好印象なら貰っておけっていうのはわかるけど、悪い人たちである。
◇◇◇
「八津くん、どう?」
悩む俺にサメをフヨらせた綿原さんが声を掛けてきた。
「もうチョイ待って。ここ、もいいし。こっちも、アリか。いや、ここも……」
今現在、俺は本日の狩場を決定すべく巨大迷宮地図の前にいるのだが、前回の三層に比べてちょっとだけ手間取っている。
どうしてかといえば、候補が多いのだ。ついでに判断材料も。
ペルマの冒険者が持つ階位の分布としては十階位が一番多い。かなり離れて続くのが十三階位というのがパワフルだけど、それぞれ三層と四層の限界階位である以上、長年冒険者をやっていればこうなるのは必然ともいえる。
結果として二層は初心者と七階位組、三層は十階位な人たちで混雑し、四層は相対的に人が少ないということになるのだ。
つまり狩場が選びやすく、そして昨今は魔獣が増加傾向にあるらしいし、俺たちにとってはとても美味しいってことになる。
地図を見始めてまだ一分も経っていないけれど、実際選り取り見取りなんだ。
「この鍋でお野菜魔獣を煮るとね、ボクみたいな後衛職でもトドメを刺せるの。こう、ザクって!」
「そ、そうなのか」
「うんっ!」
素手で短剣を振り下ろすモーションをするロリっ娘な奉谷さんの解説に、数名の冒険者がなんともいえない表情になっているのが視界に入る。
もちろん【観察】使いの俺だから、正面の地図から目を逸らすなんてことはない。
異様な風体の俺たちを遠巻きにしていた『事務所番』の中には先日のタイマン騒動を見ていた人も混じっていて、それに気付いた迷宮を徘徊する幸せの妖精ことフレンドリー極振りな奉谷さんが身振り手振りで『芋煮会』をレクチャーしているのだ。
近くには笑顔のマクターナさんが立っているのだけど、着実に『指南書』のネタバレがなされている光景を見てどう思っているのやら。
一年一組としてはほかの冒険者たちが強くなってくれるのは大歓迎だ。
ペルマ冒険者組合に加入している冒険者たちは組同士で抗争している気配もないし、悪質なタイプの人に出会ったこともない。先日の転落事件で情けないところを晒した『雪山組』の『ヤーン隊』にしたところで、若造の俺が思うのもなんだけど、アレは悪者ではなく未熟と言った方が正確だ。
公開できる部分はどんどん広まってもらって、より深層への挑戦が進めば後追いの俺たちも楽になる。
それこそマクターナさんみたいな強者が六層に到達して、俺たちよりも先に帰還のヒントを見つけてくれるかもしれないんだ。他力本願ではあるけれど、それでも結果が良ければなんでもアリだからな。
「……ここでいいかな」
思考を戻して目の前の地図を指差す。
ほかの組が昨日と一昨日狩場にした区画も分かっているので、消去法が使える。本日の木札を見ながら、最短距離かつ魔獣が多くいそうな場所を選んだつもりだ。
迷宮での狩場選びは完全に俺の仕事とされていて、異論を挟むヤツはいない。責任を感じるけれど、それと同じくらいみんなの信頼が嬉しくもある役割りだ。
「ここね。えいっ」
ちょっと背伸びをしたメガネ文学少女の白石さんが、『一年一組』と書かれた木札をぶら下げた。
恒例となったジャンケンで、彼女が本日の勝利者となったのだ。初回を担ったミアは除外。昨日の大弓の件に続いてちょっと可哀想だけど、彼女の場合は秒で立ち直るので心配はしていない。
それにしてもウチのクラス、バスのつぎで降りますボタンを押したがる系な連中が、ちょっと多いのではないだろうか。
「ではお気をつけて」
「はい!」
微笑ましいモノを見たような目をしたマクターナさんの言葉に、俺たちは全員で返事をした。
◇◇◇
「はじめてなのよね、二十二人って。やりたい放題じゃない」
ペルマ迷宮四層にサメを三匹に増やした綿原さんの声が鳴る。
俺たちの恰好に唖然とした警備員さんの見送りから一時間弱で、一年一組は四層に到達したところだ。比較的魔獣が近づきにくい階段前の広間というのもあってか、今のところ敵影は無し。
綿原さんの言うとおりで、実は俺たち一年一組が日本人二十二名だけで迷宮に入るのは、これが初めてだったりする。
アウローニヤに召喚された当初は、序盤はヒルロッドさんやジェブリーさんがレベリングをしてくれて、途中からはシシルノさんとメイド三人衆が一緒になった。キャルシヤさんに護衛してもらったこともあったな。
しまいには女王様やアヴェステラさんのレベリングをする側にまでなったのは、今となっては良い思い出だ。
アラウド迷宮から舞台をペルマ迷宮に変えたのだけど、初回は『オース組』が一緒、二回目はティア様のレベリングといった感じで、純粋に日本人だけでの迷宮はこの世界に来てからお初となる。
とはいえ綿原さんのやりたい放題っていう表現は、初見の四層に対する緊張感をほぐそうって意識なんだろう。
実際アラウド迷宮の後半では、ほぼ隠し事なんてしないで戦っていたのだし、何を今さらってところだ。
「これが帰還のフラグだったりしてな」
「そんなに甘くはないだろ」
「考えるだけならタダだろ?」
いつ魔獣が現れてもいいように陣形を整えながら、イケメンオタな古韮が茶化してくる。
思わず言い返した俺にヤツはニカリと笑うのだけど、それがまたカッコいいのがズルいんだよ。とっとと持ち場に向かえ。
「委員長、半歩右で」
「了解だよ」
最前列に並んだ四人の騎士を見て指示出しをする俺に対し、委員長は素直に返す。
我ながらちょっと細かすぎるとも思うのだけど、こういうのは普段から慣れておくべきだというクラスの総意には逆らえない。
初回の全体戦闘となったアラウド迷宮一層でのシャケ魔獣との対決以来、俺たちはいろいろな陣形を実践してきた。
綿原さんを中央に置いた『綿原陣』、引き撃ち騎馬戦用の『八津の陣』、ミカン専用で円陣な『対ミカン陣』、女王様の護衛兼レベリングを重視した『リーサリット陣』、同じくティア様用の『リンパッティア・フォーメーション』、行軍速度を上げるための『草樹陣』、強行突破用の『ヴァルキュリアランス』などなど。
アウローニヤの中盤からずっと一緒だったシシルノさん、ガラリエさん、ベスティさん、そしてアーケラさんがいなくなり、一年一組だけとなった今、俺たちは最新の陣形を模索中だ。
そんな試案のひとつが目の前で組まれていく。
最前列の騎士たちは左から【岩騎士】の馬那、【霧騎士】の古韮、【聖騎士】の委員長、【重騎士】の佩丘。
一年一組の誇る頼もしい大盾持ちが、以前より少し隙間の空いた列を作る。
そのうしろ、二列目には同じく左から【豪剣士】の中宮さん、【忍術士】の草間、【豪拳士】の滝沢先生、【嵐剣士】の春さんが並ぶ。
両端となる中宮さんと春さんは【聴覚強化】で左右の警戒。草間は【気配察知】のためにこのポジションだが、戦闘が始まれば後方に引くので、実際のど真ん中は先生ってことになる。
そんなアタッカーたちの隙間に入るように位置しているのは【聖盾師】の田村と【雷術師】の藤永だ。彼らはそれぞれ前衛用のヒーラーと魔力タンクを担う。実質的に二列目と変わらない、いわば二・五列目って感じだ。
「上杉さん一歩下がって、笹見さんは二歩前」
「はい」
「あいよ。弱きの虫が出ちゃうねえ」
三列目は術師がメインとなる。左から【熱導師】の笹見さん、【鮫術師】の綿原さん、【聖導師】の上杉さん、【裂鞭士】の疋さん、【氷術師】の深山さん、【石術師】の夏樹だ。
中距離アタッカーの疋さんには、上杉さんと深山さんの護衛をしながら前方への攻撃補助を担ってもらう。器用さが必要な役どころだが、彼女ならなんとでもするだろう。
上杉さんは後衛のメインヒーラー。状況次第では疋さんに守ってもらいながらもう一歩前に出ることもありえるはずだ。同じく後衛の魔力タンクとしての深山さんは、開幕広範囲魔術を使ったら一歩下がることになる。
遠隔攻撃力が高い夏樹が姉の春さんと合わせるために右端なのは当然として、綿原さんが左から二番手なのは、できるだけ俺の近くにいるためだ。護衛という意味ではなく、バディ作戦を考慮してということなので、念のため。
「二人はいつもどおり、カウントと記録をお願いな」
「うん!」
「うん」
俺の声掛けを受け、左からは元気に、右からは落ち着いた返事が飛んでくる。
ここが四列目。【観察者】にしてマッパーで指揮官な俺を中央に、左は副官で【奮術師】の奉谷さん、右に記録係で【音術師】の白石さんという三人だけの列だな。
もちろん奉谷さんは初手バッファーとサブヒーラー、サブ魔力タンクとして、白石さんは【音術】による牽制と魔力タンク、さらには歌うバッファーとしての役割を持っている。
「一番うしろは初めてだよ」
「頼んだぜ。野来」
「うん。海藤くんと組むなんてね」
背後、つまり五列目にして最後衛に並ぶのは【風騎士】の野来と【剛擲士】の海藤だ。
これまでの陣形と比べて極端に位置取りが変わったのが野来ってことになる。最前列から一番うしろだもんな。
事前に魔獣を察知できる俺たちならば、本来だったら前衛盾を五枚にしておくのが安定なのだろうけど、四層だけにバックアタックにも警戒したい。かといって【気配察知】ができる草間をあまり下げ過ぎると、前方への索敵が緩むのだ。
なによりアウローニヤ時代には最終五列目として、目端の利く【瞳術師】のシシルノさん、熟練攻撃術師である【湯術師】のアーケラさんと【冷術師】のベスティさん、そして身軽で強力な盾となる【翔騎士】のガラリエさんがいたのだ。
そんな四人がゴッソリ抜けたわけで、ならばうしろに誰を置くかという話になった。
抜擢されたのは遠距離攻撃ができて盾も使えるピッチャーの海藤。ヤツの場合は変化球が使えるので、背後からの誤射を避けることもできるのが強みだ。海藤のスプリットは落差に磨きを掛けている。
そして【風術】を持つが故に一年一組最速の騎士となった野来は、まさにガラリエさんの入れ替わりだ。風師匠であるガラリエさんの跡を継ぐとなれば、野来に否はない。むしろやる気に満ち溢れている様子だ。
加えて目の前に非公式婚約者の白石さんがいるっていうのも大きいだろう。もしも前衛盾が不足した時には最速で前に出ることだってできる、そんな野来は実に頼もしい存在なのだ。
ちなみに騎士たちが運んでいた寸胴やバーベキューセットは、この時点で相対的に動きの少ない後衛職に手渡されている。
これが俺たち一年一組の最新フォーメーション。その名も──。
「なんかワタシが蔑ろにされてる気がしマス」
心を読むなよ、ミア。それと、おざなりにしているわけじゃない。
まあツッコムのも仕方ないか。魔族の話題のあとで言うのもなんだけど、エセエルフにして【疾弓士】のミアなんだけど、ポジションは任意だ。
遠距離からは弓で、近距離も自在にこなすミアという便利ユニットは、ウチのクラスのリーサルウェポンにして特攻隊長である。なので位置取りの基本は俺の指示、そこから先の動きは本人の直感に任せることになったのだ。
「ミアは今のところは笹見さんの左隣、遠距離前提だ。ミスショットは──」
「心配ご無用デス!」
ならば良し。では改めて。
「『八十九陣』、レッツゴーってねぇ」
むぅ、俺がコールしようと思っていたのだが、チャラ子な疋さんに取られてしまったか。
そう、この陣の名は『八十九』である。
べつに深い意味はない。単に実戦投入されたのが一年一組がアウローニヤに召喚されてから八十九日目の今日だからっていうだけでしかないのだ。
一年一組の集大成っぽい陣形なんだけど、名前を決める段になって一部の副委員長が『滝沢陣』だとか『昇龍陣』だとかのたまったので、それを却下しつつ暫定で付けた名なのである。たしかに先生が前衛中央にいるのはそのとおりなんだけど、誰かにトピックを当てているわけでもないし、個人の活躍ではなく全体としてのバランスを重視した陣形だからなあ。
「いつもどおり、扉を潜る時は間合いに注意してくれ。とくに二列目と三列目。田村と藤永は二・五列目だって意識で。三列目は疋さんが調整だ」
「おーう!」
頼もしい仲間たちの背中に向かって声を掛ければ、なにを今更という想いを込めて間延びしているけれど、それでも威勢のいい返事が広間に響く。
整然としていて美しいとすら思える陣形だけど、部屋を跨ぐ時までこのままとはならない。
もちろんその辺りも取り決めがあって、門の大きさによって列ごとに判断が求められる。間合いを狭めるだけならば問題無しで、時には順番にってこともあり得るのだ。
それでも一年一組もすっかり慣れたもので、まるでスライムのごとく、もしくは猫が穴を潜るように、淀みなくウニョっと進むことができる。大人数での迷宮は俺たちのウリだからな。
「じゃあ出発だ」
「おう!」
魔獣という名の経験値を求め、二十二人は迷宮四層を征く。
◇◇◇
「昨日の鉄砲の話なんだけどさ」
行進を始めてすぐ、みんなに聞こえる程度の声で石を浮かせた夏樹が語り始めた。
ウチのクラスは迷宮を歩きながらも、基本的には黙らない。落ち着きがないというのではなく、沈黙を守っている意味が薄いなら、軽い雑談でリラックスしていた方がいいってくらいの理由だ。
クーデターの時みたいな対人を考慮しなければいけないシチュエーションなら話は別だけどな。
「もし魔族がそうなら、『アイツらは【鉄術】とか【鉛術】を使う』、みたいにならないかなって」
「なるほど。そういう噂になるはずってことか」
続けた夏樹の考えに、すぐ前を速足で歩くお坊ちゃまな田村が納得したように唸る。
たしかに一理ある。俺たちがリアルで知るこの世界はアウローニヤとペルメッダの二国だけだが、あからさまに迷宮と魔力に依存した文化で、しかも中世風だ。
昨日馬那が持ち出した魔族銃器武装論だけど、もしもそうなら夏樹の言う様に魔術として認識されるのではないかってことだな。
それこそ弾丸のように石を使う夏樹だからこそ、気付ける点かもしれない。
「面白い話だけど、ここまでだよ。正面二部屋先に魔獣。丸太みたいな大物じゃなくって、空も飛んでない。小物でもない、かな」
クラスメイトたちがそれぞれ考え始めたタイミングで、メガネ忍者な草間から警告が入った。
「数は?」
「五か六」
「牛か馬か、それとも蟹ってとこか」
「たぶん」
俺と草間のあいだで短い確認がなされていく。
「もうちょいで足音拾えるな。春さん、中宮さん、頼んだ」
「まっかせて!」
「ええ」
初見な魔獣の判別となれば【聴覚強化】持ちで前衛側にいる二人が頼もしい。
牛と馬なら区別は付けにくいけど、カニなら別だ。草間もそのうち固有の気配に慣れるだろう。
「昼間っからカニパーティってか」
「いいねぇ」
「強くなれるし、美味しいって、最高だよね」
いまさらだけど、一層のネズミに怯えていた姿はどこへやら。
すっかり逞しくなってしまった一年一組は、初見の魔獣が相手であってもビビることなく挑むのだ。
次回の投稿は明後日(2025/04/12)を予定しています。