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第450話 過少申告



「十一階位の【聖騎士】ねえ。まるっきりの勇者サマじゃないか。長生きはしてみるもんだよ」


「あ、はい」


【識術師】のキッパおばあちゃんに断じられた藍城(あいしろ)委員長は、曖昧な愛想笑いをするだけだ。


 なんだかこの世界に呼び出された初日を思い出す光景だよな。

 あの時は『召喚の間』で、当時の王様や第一王子、宰相なんていう偉い人たちが見守る中で、リーサリット殿下が戸惑う俺たちに無理やり【神授認識】を掛けてきたものだ。


 なまじクラス召喚モノのお約束を知っていただけに、本気で自分のジョブを聞きたくないシチュエーションだったのだけど、気が付けばこうして信頼できる仲間たちの輪の中にいるのは本当に幸運なことだろう。

 横には綿原(わたはら)さんが座っていて、サメをフヨフヨと浮かばせているのが、本当に微笑ましく思えるようになっている俺がいる。



「で、本当に【騎士】で通すつもりなのかい?」


「ええ、まあ」


「シャッキリしないねぇ」


 押しの強いキッパさんとリーサリット殿下の違いが、俺を現実に引き戻してくれた。


 ちなみにキッパさんは会議室の隅っこに居座り、一年一組側から出席番号順に出向く形で【神授認識】は実施されている。

 本来ならば個室を使うのが通例なそうだけど、ここに居るメンバーは全員が答えを知っているので、いまさら秘密染みたマネをする必要もない。


「まあ好きにすればいいさ。ほれ」


「ありがとうございます」


 事前に【騎士】として申請すると記載しておいた委員長の冒険者登録書に、キッパおばあちゃんがガリガリと音を立てて鑑定した階位と本当の神授職、それを確認した人物としてサインを書き加えてから、返してくれる。最初からキッパさんのサイン以外を全部こっちで書いても良かったのだけど、筆跡が問題になるからこういう形にするしかないのだ。


 ここでいう【騎士】とは、委員長がどういう神授職なのかを表向きに提示する情報となる。

 明確な嘘や誇大表示は許されていないが、極端ではない下方修正は認められるのが決まりゴトだ。やんごとなき方、言い換えれば高位神授職を得やすい貴族崩れの冒険者や、身の丈に合わない職を得てしまった人たちへの救済の意味があるらしい。

 優秀な冒険者を抱えるために、この手の細かい優遇措置は結構転がっている。組合からすれば本当の神授職を知っているのだから問題ないという理屈だな。

 とはいえ、大抵の場合の上位神授職持ちは力を誇示するためにも本当の職を提示することが多いのだとか。



「ほれほれ、次だ」


「よろしくお願いします」


 委員長に続く出席番号二番な上杉(うえすぎ)さんが、自分の書類を手に委員長と入れ替わる。

 こんどは『聖女様』のお出ましだ。知っているだろうとはいえ、キッパおばあちゃんの心臓は……、そういうのに耐性がありそうなキャラだよな。


「十一階位の【聖導師】かい。完全に聖女じゃないのさ」


「ありがとうございます。【聖術師】を名乗りますので」


「好きにおし!」


 そうなるよなあ。



「あちらは賑やかですね」


 壁際での騒ぎを他人事のように語るマクターナさんは、昨日と同じく大金貨を手に載せて、流れるように真贋判定をしている。

 金勘定をしている時のマクターナさんはとっても楽しそうな満面の笑みだ。金が好きなのか、金に触るのが好きなのか、それとも数字として扱うのが好きなのか……。全部なのかもな。


『なるほど、たしかに階位がある人の動きだ』


『でしょ?』


【神授認識】の順番待ちをしている俺と綿原さんは、そんなマクターナさんを見物しながら、日本語でヒソヒソ話中だったりする。


 ぶっちゃけ大金貨は重い。それを優雅に指先でつまみ、撫でていくマクターナさんの手つきは重量物を扱ってるという負荷を感じさせないのだ。

 格好をつけた表現をすれば、まるでクッキーをつまむがごとし、とでも言えばいいだろうか。なるほど、こういう細かいところで外魔力量を観察できるって感じはわからなくもない。


 滝沢(たきざわ)先生や中宮(なかみや)さんが武術家視点で階位を見切るというならば、こういう細かいところでソレをするのは【観察者】たる俺の役目だろう。


『当面は重量物かな』


『そ。日本語ばかりだと怪しまれるわよ?』


 ずっと対象人物を【観察】し続けるのもストーカーっぽくてアレなので、とりあえずは重たい物を持った時の挙動くらいにしておこうかな。

 ついでに綿原さんの言うとおりで、日本語会話もここらへんで終わりにしておこう。



 ◇◇◇



「あのよ。俺、水晶玉を割ってみたかったんだけど」


「言うなよ古韮(ふるにら)。俺だって七色に輝かせて、全属性持ちだと!? って言われたかった」


「二人とも楽しそうね」


 出席番号がうしろな方なお陰で【神授認識】待ちになっている古韮と俺が、もはや何番煎じかもわからない異世界ネタを繰り出し、呆れ顔の綿原さんがため息を吐く。

 彼女の近くを周回するサメもネタに食傷気味なのか、斜めに傾いているような。


「ネタはさておき、つぎは古韮か。【騎士】で済ませるんだから、楽でいいよな」


藤永(ふじなが)のヤツ、【水術師】で押し通すとか、結構ギリギリだよな。むしろ魔力タンクを前面に出さないと」


 出席番号が古韮のひとつ前なチャラ男の藤永は、現在キッパさんと対峙している。


 超レアな神授職【雷術師】の藤永は、無難なところで【水術師】を名乗る決断をした。アイツはちゃんと【水術】を使えるので、嘘ではない。【雷術】を使えるというのを隠すだけだ。


 全員がレア、超レア、伝説、未知などという神授職を持っている一年一組は、みんなで仲良く神授職を下方にボヤかすことにした。詐称の領域に踏み込むのは、委員長と藤永、俺と奉谷(ほうたに)さんくらいかな。


 役目ごとでいけば騎士系の連中は簡単で、【聖騎士】の委員長、【霧騎士】の古韮、【岩騎士】の馬那(まな)、【風騎士】の野来(のき)、そして【重騎士】の佩丘(はきおか)は、全員が【騎士】を名乗ることになる。

 ただし委員長が【聖術】使いを名乗らないのは、かなりきわどい。万能とまではいかないが、高度な外科医に相当する【聖術師】は、宗教を置いておいても重宝されているからな。


 さて、アタッカー系もワリとすんなりで【豪拳士】の先生は【拳士】、【豪剣士】の中宮さんと【嵐剣士】の(はる)さんは【剣士】だ。【裂鞭士】の(ひき)さんは【鞭士】で、【剛擲士】の海藤(かいとう)は【投擲士】、【疾弓士】ミアは【弓士】で申請。このあたりは上位職を取っ払っただけなので、問題はないだろう。


 ミアが【超弓士】がいいとか言ってゴネたが、上杉さんが黙って見つめていたらトーンダウンして諦めていた。そもそもそんな職は無いぞ。



 ちょっと厄介なのは【忍術士】の草間(くさま)で、【探索士】を名乗ることにしているのだけど、結構微妙かもしれない。伝説に近い神授職である【忍術士】は【気配遮断】がとにかく強いんだよな。プレイヤースキルは足りていないけど前衛系技能が揃っているだけに、【気配遮断】から一度だけ繰り出せるクリティカル性能が高いのだ。


 続けて後衛組だけど【聖導師】の上杉さんと【聖盾師】の田村(たむら)は【聖術師】で確定している。自発的に聖女バレをする理由がないからな。


 術師たちについては【熱導師】の笹見(ささみ)さんは【湯術師】、【氷術師】の深山(みやま)さんは【冷術師】を名乗る。それぞれアーケラさんとベスティさんの弟子として、師匠の職を騙るという寸法だ。

 三日前に送った手紙には書いていない話題だけど、あの二人なら笑って許してくれるだろう。


【騒術師】の白石(しらいし)さんは【音術師】、二度目となるが【雷術師】の藤永は【水術師】で落ち着いた。


 そして【石術師】の夏樹(なつき)は、なんとそのまま【石術師】だ。【土術師】でもいいんじゃないかという話もあったのだけど、アイツは【土術】なんて持っていないし、そもそも【石術師】という存在自体が激レアとまではいかない。

 ほかの術師たちはちゃんと詐称に適合した術を取得しているし、そういう素振りもできるのだけど、夏樹は土を操れない。できるのは石を飛ばすことだけ。つまり誤魔化しが効かないのだ。


『【土術】取った方がいいのかなあ。仲間外れみたいだし』


 などとしょぼくれた弟系な夏樹だが、将来的に【土術】はアリだろうけど、今は違う。夏樹には石を極めるという目標があるのだ。たしかに【土術】は候補に出ているけれど、ここはやはり【遠隔化】や【魔力付与】が強い。というか『ストーンバレット』を目指すのだろう? 夏樹よ。

 そもそも夏樹は【身体操作】を取った段階で、俺からしてみればズルでチートだ。ここは大人しく受け入れてくれ。


『だったらボクも【奮術師】のままにするよ。【聖術】はナイショだね』


 そんな夏樹に対し黒い思いを抱いていた俺と比べて、クラスのバッファーたる奉谷さんは格が違った。


 彼女の持つ【奮術師】はバッファー系とされる【援術師】の上位となるのだが、超レアジョブのワリにはアウローニヤではそれほど重視されていなかった。所詮はバッファー系だと。

 むしろ【魔力譲渡】と【聖術】ばかりが重んじられていたくらいだ。


 けれども奉谷さんの【身体補強】は後衛レベリングの重要な要素であるし、本来ならば誇るべき技能である。

 それを自覚して、堂々と名乗ろうとする姿はチビっ子なのに背中がデカいとしか言いようがない。



『二人にばかり良い恰好をさせるわけにはいかないわね。わたしも【鮫術師】のままでいくわ』


 で、綿原さんだ。


 たしかに三分隊の分隊長のうち二人がそのままでいくと言うならば、なんていうノリは俺も嫌いじゃない。

 綿原さんの場合は【血術師】はヤバいけど、【砂術師】という肩書でも誤魔化せるんだけどなあ。レアではあっても砂使いならそういうものだと思ってもらえそうだし。


 だけど綿原さんは分隊の協調路線を大事にしたいらしいのだ。

 もちろんクラスメイトの全員が知っている。彼女はサメを名乗りたいからそうするのだということを。



「やっぱり一番の問題は八津(やづ)くんなのよね」


「綿原さんみたいな度胸はないよ。俺は【視術師】でいいからさ」


 俺の手前となる深山さんがポヤっとした顔で【神授認識】を受けているのを見ながら、綿原さんがツッコミを入れてくる。

 わかっているよ、俺が一番イレギュラーだってことくらいは。


 綿原さんの【鮫術師】と並んで【観察者】という神授職は絶無だ。ワザと消しているんじゃないかって言いたくなるくらい、文献にも物語にも登場しない。実在性が怪しいとされている【賢者】や【聖者】なんかはおとぎ話レベルなら出てくるのに、そんなのにも【観察者】なんてのは出てこないのだ。物語的には地味だしなあ。


 というわけで、一年一組二十二人のうち、俺ただ一人だけが露骨に詐称をすることになった。もちろんマクターナさんに許可は頂いた上でだけど。


 迷宮向きではないとされる神授職は多数あるが、その中のひとつでメジャーどころなのが【視術師】だ。シシルノさんの【瞳術師】はコレの上位に当たるが、俺の技能候補に【魔力視】なんてものは出ていない。

 俺は【魔力観察】こそ持っているけれど、【魔力視】とは系統が違うからなあ。


「ほら、次だよ、次」


「あ、お願いします」


 深山さんとのやり取りを終えたキッパさんに呼ばれて、俺は【神授認識】に立ち向かう。



 ◇◇◇



「ギルマスかあ。『のじゃロリ』だといいんだけどな」


「ハゲマッチョの方があり得そうだよね。顔におっきな傷跡があるやつ」


 オタな古韮と野来がアホなやり取りをしているが、俺としてはどうだろう……。


「あんまりキャラが濃くなくて、干渉してこない方がいいかな。その上で好意的に接してくれるならどんな人でも」


「八津くん、なんでそこで達観しているのかしら」


 素直な感情を口にすれば、綿原さんが奇妙な生き物を見つけたような目をこちらに向けていた。君のサメはとっくに奇妙だと思うのだけど。


 今現在、第七会議室には一年一組と『オース組』のナルハイト組長、事務のスキーファさんだけが残されていて、組合側の人は誰もいない。

 マクターナさんとキッパさんは、金貨を詰め込んだ台車を運ぶ人たちと共に、一度退席している。


 これから『組』の立ち上げ手続きをするに当たり、ギルマス、すなわち組合長ほかの面々がやってくる予定なのだ。人員の入れ換え時間ということだな。



「キッパさんがキツくて」


「若いんだからもっと自分を前面に、だったかしら」


 と言いつつも、綿原さんはすっと俺から視線を逸らした。サメも一緒になって頭を横向きにしているし。


「あのおばあちゃん、俺にだけ当たりが強かった気がしてさ」


 もしかしたらこっちの世界に来てから初めてかもしれないんだよな。悪意とか善意ではなく、単純にしょぼくれてるなと言葉で背中を叩かれたのって。


「気にしすぎじゃないかしら。【聖術】を隠してる委員長や鳴子(めいこ)も大概だし」


「あれは【聖騎士】なのが問題で、俺が【観察者】を名乗らないのは意味不明なのが理由だからなあ」


 委員長が【聖騎士】を名乗れば、すわ勇者かとなるけれど、俺が【観察者】だと言えば、返答はなんだそれ、となるだろう。この違いは大きい。


 綿原さんのサメ、夏樹の石は見た通りだし、奉谷さんの元気もイメージにマッチしている。それに対して俺はなんだとなれば【視覚強化】と【思考強化】でマッパーと指揮官をメインでやりますって言うしかない。目に見えないからわかりにくいんだよ。

 一番妥当なのがアヴェステラさんの【思術師】か、俺の選んだ【視術師】ってことになるんだよな。で、どっちかといえば俺は視覚頼りの側だ。インドアであれど頭脳派なんてことは全くないので。



「お待たせしました」


 などと自分の立ち位置の微妙さに思い悩んでいたところで、マクターナさんの声と共に会議室の扉が開き、そこから組合側の人たちが入室してきた。



 ◇◇◇



「はじめまして。私は組合長のジーラス・ロエ・ベルハンザ。よろしくお願いするよ」


 大人の人たちが部屋に入ってきて最初に口を開いたのは、ペルマ迷宮冒険者組合の組合長を名乗るおじいちゃんだった。

 年のころは六十くらいで、完全な白髪を短く整え、髭などは生やしていない。柔らかい口調も相まって、青い瞳は優しげな色を含んでいるように思えてしまう。


 さっきまでやさぐれかけていた俺が期待したとおりの、優しげに思えるおじいちゃんだ。


「白いザビエル?」


「やめろっ!」


 適切にアホなコトを言ったのは疋さんだろうか。当たり前だけど、周囲から静止の声が飛ぶ。


 だって組合長のベルハンザさんなのだけど、ごめん、白髪を短く整えてという表現は適切なんだけど、ちょっと違ったかもしれない。

 耳元の辺りから後頭部までをぐるりと髪の毛が覆っているだけで、額から頭頂部にかけては、どちらかというと光り輝いているんだ。なぜなら地肌が見えているから。


 マクターナさんの着ている組合の制服をちょっとゴージャスにしたような茶色いロングジャケットを着たおじいちゃんは、その、頭髪がちょっとアレだった。

 とても温厚そうなおじいちゃんなだけに、わかりやすい特徴が目に刺さるんだよ。



「みなさん、どうぞお座りください」


 そんな一年一組の動揺と高揚をものともせず、にこやかなマクターナさんは立ち上がって出迎えていた俺たちに着席を求める。


 俺たちがこうして会談をする場合、大抵は相手がお誕生席に座って、こっちは男女に分かれて左右に並ぶケースが多いのだけど、今回は違う。

 学校の教室風というか、こちらは長いテーブルを三つ横向きに並べて三列で、相手は対面に一列に座っている形だ。世に聞く集団面接みたいな感じかな。


 組合側から登場したのは組合長のベルハンザさんと専属担当を予定しているマクターナさんのほかに、四名。副組合長が一人、顧問を名乗る人が二人、書記っぽいお姉さんが一人だ。

 書記の人こそ二十代半ばだけど、残りは四十代後半から五十代の男性ってあたりから、ダイレクトに相手の偉さが伝わってくる。


 こんな風に年配の大人たちと真正面から対峙するなんていう経験は、日本でもこちらでも初めてだと思う。アウローニヤにいた頃は女王様の思惑もあったのか、こういうケースは無かったものな。

 クラスメイトたちもどこか緊張を漂わせている。とくに先生が。


 こういう時こそ最前列に座っている委員長に頼りたいところだけど、三列目に座る俺からは後頭部しか見えないわけで、心の中から声援を送るだけだ。ほんと、頼むぞ。



 正面に座る組合側の人たちは組合長を真ん中に、副組合長と顧問二人が両脇を固め、さらに書記さんとマクターナさんが端に座っている並びだ。

『オース組』から出張ってくれているナルハイト組長と事務のスキーファさんは、横の壁際に置かれた席にいて、黙って様子を窺う恰好となっている。


「まずは冒険者登録からにしようかな。テルト君からは報告を受けている。書類も揃っているね」


 俺たちの提出した書類を一瞥した組合長は、そう切り出した。

 もちろん一年一組二十二人分の申請書や推薦状、報告書やらなんやら全部に目を通したわけじゃないのだろう。その辺りはマクターナさんレベル、つまり一等書記官の権限で終わる話だと聞いているし。


 ではなぜこんな状況になっているかといえば、俺たちが勇者であることもあるのだろうけど、組の立ち上げを同時に行おうとしているのが理由だ。

 新規に組を起こすとなれば、こうしてギルマス、もとい組合長の裁可が必要となるのだから。


「【神授認識】も行われ、書類に不備はない。もちろん初期費用についても」


 柔らかい口調でベルハンザ組合長が言葉を並べ、横に座る組合側の面々は黙って頷くままだ。


「新たな仲間を迎え入れることを喜ばしく思っているよ。ペルマ迷宮冒険者組合は君たちを歓迎しよう」


 優しげな声で語られた内容を受け止めた一年一組から、ため息とも感嘆ともつかない息が漏れる。


 とりあえずの第一歩。キランと額が輝く組合長の言葉通り、どうやら俺たちは冒険者になることを認められたようだ。



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>「はじめまして。私は組合長のジーラス・ロエ・ベルハンザ。よろしくお願いするよ」 >「白いザビエル?」  ……なるほど。  ならば愛称はザビ夫ならぬ、白ザビかなぁ?
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