第359話 対空戦闘に挑む
「はっ、ははははっ。いい感じだよな、この状況」
「八津くん?」
「綿原さん、俺、言ってみたいセリフがあったんだ」
空から襲い来るハトを相手にしながらも、俺のテンションはギュンギュンと上がっている。バディモードになっているためすぐ前にいる綿原さんがチラっとこちらを振り返り、そしてヤバいモノを見たような表情で視線を敵の方に戻した。
そんな顔をされたらちょっと微妙な気分になってしまうんだけど。
それでもアガってしまった俺は叫ぶんだ。
「総員、対空戦闘用意!」
これだよ、このセリフ!
「おい、八津が変なことになってるぞ?」
「なんで嬉しそうなんだ?」
「いや、わかる。アレは俺も言ってみたい」
「だいたい対空なんとかって、今やってるのとおんなじっしょ」
なんか仲間たちが好き勝手なことを言い放題だが、知ったことではない。世の中にはな、言葉にすること自体に意味があることだってあるんだぞ。
後衛組が素のままで倒せる魔獣だ。それが残り七体もいる。
全部を聖女な上杉さんに食わせれば、たぶんそれだけで十一階位に届くはずだ。
やらない手はないし、なんとなく見えてきた。
これまで遭遇したことのない自在に頭上を飛び回る敵なんてすぐには対応できないけれど、少しのあいだ注意して【観察】しながら動きを見続ける。美味しい魔獣だとわかった以上、ここでパターンを完全に把握しておきたい。
迷宮の天井は高い。アーチ状になっていて、一番高いところなら目測でほぼ十キュビ。十メートルには届かなくても、鳥が飛び回るには十分な空間になっている。だからこそハトは好き勝手だ。
だけどうん、これで四度確認できた。たぶん間違っていない。アイツらはパターンを持っている。
ならばっ。
「先生、中宮さん、春さん、ミア。こっちはいいから丸太の手伝い! 上からの敵から騎士たちを守ってくれ。倒すなよ? 騎士組、デカブツを後衛に近づけるな。委員長はとっとと決めてくれ!」
「あ、ああ、頑張るよ」
俺の叫びに藍城委員長が短剣を持ちながら、引き気味に返してくる。もっと元気な返事が望ましいぞ。
アタッカーでもあの四人は攻撃力では別格だ。それに加えて空にも注意ができるような目も持っている。なんといってもウチのクラスは【視覚強化】と【反応向上】がブームだからな。サムライガールな中宮さんに至っては【聴覚強化】持ち。そのうち新しいセンスに目覚める可能性がありそうだ。
そんなメンバーをあえて三つ又丸太の弱体化に回し、加えて騎士たちの空を守ってもらう。ハトを倒さないように気を付けてくれ。
クラスの騎士連中には丸太を後衛に寄せ付けないように念押しする。三つ又丸太が二体なら、ミームス隊抜きでもやれるだろう。
そっちには大盾持ちの海藤とヒーラーとして田村、魔力タンクの藤永もいる。倒し切れると、俺は信じているぞ。
「ミームス隊とガラリエさんは後衛柔らか組の盾になってください! 対象はシシルノさん、アーケラさん、ベスティさん、夏樹、奉谷さん、白石さん、上杉さん、深山さん」
ヒルロッドさんたちミームス隊とガラリエさんにはマンツーマンで後衛の盾をやってもらう。防御に専念すれば、護衛対象に傷を付けることもないだろう。
これで大盾から外れた後衛職は綿原さんと笹見さん、そして俺。
俺以外の二人は【身体強化】持ちだから、自力で対応してくれると信じることにした。そういえばこの三人ってヴァフターから逃げ出したメンバーだな。
「四・三っ!」
「うんっ!」
指示出しの合間にも一体のハトが俺を目指して前方からすっ飛んできた。
綿原さんのサメがあいだに入ってくれたが、追撃をできる位置ではない。速度を落としつつも、ハトはそのまま俺に迫る。
「見えてるんだよっ!」
ハトの軌道上には左腕のバックラーを置いてある。ちゃんと角度を付けてあるから、衝撃だって逃がせるぞ。
ギャリギャリと音を立ててハトの角がバックラーを抉るように突き進むが、俺は左手を振ることでソイツを吹き飛ばす。とはいえ敵にダメージが入ったわけでもなく、ソイツは再び空に舞い戻った。
だけど見えているし、受け止められた。綿原さんがいてくれてこそ、だけどな。
「俺と綿原さんで組んで、確実に一体ずつ墜とす。夏樹の攻撃は単体で通ってるからアタッカーは不要。夏樹のガードはラウックスさん、頼みます!」
「やるよっ!」
「任せてくれ」
息を取り直し、指示を続行する。
対空攻撃なら攻撃役と防御係がセットであるべきだ。俺と綿原さんのはちょっと違うんだけどな。
「笹見さんも攻撃の主役だ。やっぱり疋さんのムチが強い。ペアってくれ」
「あいよお」
「アタシ、ここに来て大人気じゃん」
俺の言葉にアネゴな笹見さんとチャラい疋さんが威勢のいい返事をしてくれた。
現状見た限りで笹見さんの熱水球はハトの突撃を一瞬だけど、しっかり止められている。精度に難アリではあるが、大きさでカバーってところだな。拉致騒動のせいで緊急で取った【魔術拡大】と【多術化】が活用できている。
敵の速度さえ落とせば、あとは疋さんのムチが相手を拘束してくれるという寸法だ。
綿原さんのサメ、夏樹の石、笹見さんの水球。これが足止めの要だ。
「上杉さんの【聖術】は最小限で、トドメは全部持っていってくれ」
「がんばります」
「深山さんは魔力タンクだ。みんなと声掛けを大事に。藤永がお手本」
「うん」
【聖導師】の上杉さんは治癒とトドメ。
【氷術師】の深山さんには魔力タンクとして頑張ってもらう。相方な藤永の名前を出せば、気合も入るだろうか。
「奉谷さんはいつもどおり。それと、上杉さんに代わってヒールを重視してくれ」
「うんっ!」
【奮術師】の奉谷さんにはもはや指示は要らない。バッファーでもヒーラーでも魔力タンクでも、独自判断で好きに動いてくれればいい。
追加注文でヒーラー重視をお願いしたが、そんなことはとっくに承知しているだろう。
「白石さんと草間にはちょっと難問。音と動きでハトだけを引っ張ってほしいんだ」
「やってみる」
「近づいてから戻ってくればいいんだよね?」
「悪い。試行錯誤ってことで」
【騒術師】の白石さんは【音術】で、【忍術士】の草間にはジャンプなんかを含めた動きで、ハトだけを吸引してもらう。いろいろ試すことになるだろうけど、そこは経験だと思ってほしい。ごめん、結構無茶を言ってる自覚はあるんだ。
さて、ここからが大事だぞ。
「今のとこ挙動はふたつだけだ。上からの急降下と真っすぐ胸から頭のあたりを狙ってくる。低空飛行は見当たらないけど、いちおう気を付けておいて」
「やっぱりパターンあったんだ」
俺の見つけたハトの挙動を伝えれば、その意味を捉えたゲーマーな夏樹が反応してくれた。
「急降下前には一瞬だけ角を上に振る。それを見切ってくれ!」
迷宮の魔獣は単純だ。
ヘイトなんて一番近くの人間に向かうだけだし、魔獣同士で連携を取るなんてことはない。動きだって法則性がある。キュウリとかヘビなどは動きが複雑ではあるが、不規則という法則で動くのだ。けっして意味のあるフェイントなどは使ってこない。ならば、そういう前提で対応すればいい。
そして目の前で飛び回っているハトは挙動こそ自由自在だが、攻撃パターンはふたつだけだし、急降下時には前兆がある。
こんなのハメるに決まってるじゃないか。
「さあ、綿原さん。三・七!」
「はいっ!」
◇◇◇
「なるほどこれは発見だよ。前衛職なら大根と鳩の差など、違いなど気付けない」
「大根より柔らかい鳩とか、ちょっと……、ですよね」
呆れたようなヒルロッドさんに、綿原さんも同意のようだ。
ホント迷宮の魔獣っていうのは意味がわからない。
そもそも三層のヒツジと同程度に硬い四層のダイコンとか、いったいなんなんだよといった感じだものなあ。
今までハトがここまで柔らかいという事実が明確になっていなかった理由は、ヒルロッドさんが言ったとおりだ。
アラウド迷宮の四層で戦闘行為をするのは近衛騎士か王都軍くらいのもので、しかもすべてが十階位以上の前衛職だ。後衛として【聖術師】が同行することもあるが、絶対に護衛を引き連れている。あ、このあいだ再会した【聖術師】のパードっておっさんは捕まってからどうなったんだろう。聖女教徒になってたっぽいけど。
それはまあいい。要は十階位で武器系の技能を持つ前衛職だけが四層で戦うものだから、三つ又丸太は強くて硬い、牛や馬は暴れられるとキツい、あとはそれ以外、みたいな扱いなのだ。
ハト? 飛ぶよね。角には気を付けましょう、といったレベルであって、硬さ比べなんてしたこともないらしい。
つまりヒルロッドさん的には、俺たちが芋煮会をやっている段階で、ハトも似たようなモノだと考えていたのだ。
「魔力は……、七階位か八階位くらいの頃に戻ったようです」
そして上杉さんは見事十一階位となった。倒したハトは合計七体。一体は俺が貰う形になったが、もちろん階位は上がらない。
「そうなると十二階位で【鋭刃】か【魔力受領】の選択ってとこか。田村と上杉、どっちが早いか。もちろん田村だよな?」
「俺は生贄かよ。でもまあ【魔力受領】で古韮から魔力を吸い取るのも面白そうだなぁ」
「勘弁してくれ」
そんな上杉さんを挟んでイケメンオタな古韮が皮肉屋ヒーラーの田村に【魔力受領】を押し付けようと画策している。
性能が見えない【魔力受領】だけに、最初に取るヤツは冒険になるからな。たぶん田村が自発的に取るとは思うけど、候補にしているのは奉谷さんと藤永もだ。最初のひとりが誰になるか、なかなか難しいところかな。
「【視覚強化】はこんな感じなんだ」
「委員長もいっぱしだね」
「ははっ、野来に追いつけるように頑張るよ」
三つ又丸太二体にトドメを刺した委員長も十一階位を達成し、予定通りに【視覚強化】を取得した。
野来がからかっているけれど、委員長も騎士として安定したと思う。【聖術】使いとしては【覚醒】か、最近候補に出てきたらしい【治癒識別】あたりが取れると万全なんだけど。
今回の戦闘ではトドメを完全に二人に割り振れたので、結果としては上々だ。まさに狙い通りというやつだな。
結果、上杉さんと委員長が十一階位ということで、ウチのヒーラー四人のうち、奉谷さんを除く三人が今回の迷宮でワンランクアップしたことになる。とくに上杉さんの十一階位達成で魔力的に安定度が戻ってきたのが大きい。
この段階で今回の迷宮における目標は、ほぼ達成されたと言ってもいいくらいだ。
できればここから奉谷さん、白石さん、深山さんという魔力タンク組と、急遽追加になった俺、合せて四人を十一階位できれば上々だな。前衛組は任意で上げていくだろうし。
「俺たちがいなかったら、ヤヅはどうしていた?」
「……いったん戦ってみてから逃げてたかもですね。でも、全部倒したと思います。敵の速度が違いすぎるから、引き撃ちできますし」
ふと話しかけてきたヒルロッドさんに仮定の話を持ち掛けられた俺は、考えたとおりのコトを返した。
「逃げ切れるのかな? 行く先に魔獣がいるかもしれないのに」
「草間を先行させて、柔らか組は騎士たちと海藤、ガラリエさんに任せるでしょうね。一枚足りないけど、その場合は上杉さんに守りを付けません」
「……ヤヅ」
「上杉さんは【身体操作】を持ってますし、なにより自分で治せます。俺は単独でも、ほら【観察】があるから受けきれると思いますから」
俺のセリフを聞いていくうちにヒルロッドさんの表情が強張っていくが、それでも言葉を続けないとダメだ。
「ミームス隊がいてくれたらなんて、そんな言い訳しませんよ。ガラリエさんたちもです」
「君たちだけでやっていける、か」
「いてくれるあいだは、もちろん頼らせてもらいます」
「いいんだ。安心したよ。みんな、本当に強くなった」
一年一組がアウローニヤを離れる、つまり別れの日は近づいている。
ヒルロッドさんの問いかけは、つまるところそういうことだったんだろう。上杉さんが怪我をする前提の作戦を聞いた時にキツくなった表情は、今はもう普段以上に和らいでいる。
最初っからお疲れモードな空気を纏っていたヒルロッドさんだけど、最後まで心労をかけてしまって申し訳ない。さらに明日は女王様まで追加だからなあ。
けれど大丈夫ですよ。ヒルロッドさんに強くしてもらった俺たちは、自身の力だけでやれるくらいには……。
「今日、君たちと同行することができて、良かったと思っているんだ」
「ヒルロッドさん?」
「君たちは最初から変わらなくて、そのまま強くなった。強くなっても、変わらないでいてくれる。たぶん君たちは、このまま強くなり続けるんだろうと、それを確信できたよ」
一瞬湿っぽくなりかけた空気を吹き飛ばすように、ヒルロッドさんは明るく言ってのけた。
なんとも微妙な表現をされたが、どうやらポジティブな意味ではあるんだろう。ヒルロッドさんの表情がそう言っているからな。
「タキザワ先生やナカミヤなんて、もう俺と同じくらいに強いんじゃないかな?」
「条件次第ですよ、そんなの。それに俺は武術なんてわかりません」
本当は自分の方がまだまだ上だぞって言いたいクセに。
冗談めかしていても対人でモノを考えてしまうヒルロッドさんは、やっぱり近衛騎士ってことなのかもしれない。
それに返事をした俺の言っていることも本当で、先生や中宮さんが本気で引き出しを開けたら、初見殺しが発動しそうな予感はある。
地上でよーいドンのタイマンだったら、二階位くらいの差ならたぶん埋めてしまいそうなのがあの二人だからなあ。もしかしたらミアもやらかせるかもしれない。
「ほらほら八津くん、ヒルロッドさん、話し込んでいないで移動しましょう。もういい時間よ」
「ごめん、そろそろだな」
ハトの血を吸って赤くなったサメを引き連れた綿原さんが登場し、俺たちに先を急がせる。
もう三層に戻らないといけないくらいの時間か。今日はいちいち一旦停止が多かったな。
明日は女王様とアヴェステラさんを接待しなければだし、できれば十一階位を増やしたいとこなのだけど。
「ワタハラは立派だね」
「なにがです?」
「ヤヅが気を抜けば、ワタハラが補うんだろう?」
「……ヒルロッドさん?」
「いやいや、含みはないよ。本当だぞ?」
なにか不穏な会話をしているヒルロッドさんと綿原さんを尻目に、俺はみんなを見渡す。
めいめいに話し込んではいるが、暗い顔は無さそうだ。
時間は遅くなってしまったが、疲れ切ったような雰囲気もない。最初の頃、訓練場でバテていたのが嘘みたいだな。
「残り四部屋だ。魔獣がいればその場で判断するけど、空き家ならそのまま三層に戻るってことでいいかな?」
「うーっす!」
俺の呼びかけに、みんなは元気に返事をしてくれた。
◇◇◇
「お疲れ様です。随分と遅い時間になりましたね」
「シャルフォさん」
普段通りの柔らかい言葉遣いでかけられた挨拶に、先頭を歩いていた草間が間が抜けたように返してしまうのだが、なんでこの人たちがここにいるんだろうか。
「上からの指示です。今晩はここで待機。要人警護に努めろ、と」
結局三つ又丸太とハトとの戦いから四層で魔獣に出会えなかった俺たちは、十三番階段を使って三層に登り、そこでシャルフォさんたちヘピーニム隊の出迎えを受けることになった。
「みなさん無事だったんですね。良かった」
「おかげさまで」
すかさず人数を把握した上杉さんが、心持ち嬉しそうな声でヘピーニム隊の無事を祝えば、シャルフォさんもソツなく返す。
上杉さんのことだ、もしかしたら全員の顔と名前を一致させているのかもしれない。
シャルフォさんが率いるヘピーニム隊の全員、二十二人がこの場にいる。
そう、クーデターの時には部隊全員ではなく、一分隊と斥候さんひとりだけが『緑山』に同行してくれて、ほかの二分隊は地上だったのだ。そんな人たちが全員揃ってくれている。ちゃんと以前と同じで【聖術師】がひとり、斥候担当のふたりも合せて。
クーデター騒ぎでキャルシヤさんのイトル隊やミルーマさんが率いるヘルベット隊から殉職者が出たことを、俺たちは遠まわしに聞かされている。
それだけに、ヘピーニム隊がひとりも欠けることなくこの場にいることが、とてつもなく嬉しく感じられてしまうのだ。
「シャルフォさん、夕食はどうされました?」
「携帯食ですが」
「それでは足りないでしょう。四層の素材をたくさん持ち帰ってしまいまして、明日の朝食でも余るくらいなんですよ」
だから上杉さんは聖女かつ料理長の顔になって、提案をする。
この場にヘピーニム隊がいるということを、俺たちは聞かされていない。予定表にはヘピーニム隊とは別の王都軍部隊が書かれていたが、どうやらそれは粋な計らいで変更されていたようだ。
やったのがゲイヘン王都軍団長だとしたら、クーデター当日と併せて二回目ということになる。こういう天丼はどうなんだろうな。
ちなみに俺たち視点で、ヘピーニム隊が謎の刺客という線はない。
第一にシャルフォさんは近衛騎士総長との戦いで死力を尽くしてくれた。もしもヘピーニム隊が宰相なり総長なりについていたとしたら、あの場で裏切ればコトは簡単に終わっていただろう。俺たちは確実に総長に負けていたはずだ。
百歩譲ってヘピーニム隊が宰相派だったとしても、当の黒幕はとっくに捕まっているわけで、ここで寝返るのは意味不明となってしまう。
これが第二になるが、極薄の可能性でシャルフォさんたちが宰相の敵討ちを目論んでいたとしても、申し訳ないが『緑山』が勝つ。さっきの話題ではないけれど、たとえヒルロッドさんたちミームス隊がいなくても、すでに俺たちの方がヘピーニム隊より強いのだ。
考えるだけムダだよな、こんなのは。
「それは嬉しい申し出ですね。勇者の皆様方とご一緒できることを光栄に思います」
「大袈裟ですよ」
シャルフォさんが朗らかに笑い、それに負けじと上杉さんが微笑むのを見てしまえば、とてもではないが敵対するとは思えない。
俺としてはむしろ、遅くなった夕食のメニューに気が向かうというものだ。
周りのみんなもそんな空気だしな。