ホワイトアサシン
狭い部屋の中でカタカタと軽快な音をたてながらキーボードを打つ男がいた。
2058年
日本の科学者 出羽秀 が魂の存在を証明した。
魂は丸く、3つのパーツで構成されていた、
1つ目は魂の中心となっているピラミッド型の物体だった、それを「魂の核」と名付けた。
2つ目は核を覆っている網目状の物体だった。
3つ目は魂の外側の卵の殻のようになっているものだ、
これは核を守るための存在のようで、鉄ほどの硬さがあった。
ここまで打つと男は顔を上げ部屋から出ていった
不意に後ろに気配を感じ俺はとっさに右に飛んだ
ガンッ
嫌な音がなった
自分が元いた場所を見るとそこにはゴツゴツとした汚らしい手があった。
安心する暇はなかった。
のび切っていたはずのゴツゴツした手がおかしな方向に曲がりこっちに向かってきた。
俺は右に左に飛び回って手を避けるが俺がいくら避けても手は向きを変えてして追ってくる
一応腕として成り立っているので俺が少し移動すれば関節が一つ増えることになる。
それはそれで面白そうなので、高速サイドステップをしてみようかな
などという雑念を頭を振って追い払うと俺は戦闘態勢に入った。
足に力を入れて体制を低くする、手が俺に当たる寸前で俺は地面を蹴った。
「あんた手が当たる瞬間焦って手の速度を加速させる癖があるな」とアドバイスをして相手を煽る。
避けたあとで体制が低いままの状態から俺は力任せに相手の複雑に曲がっている腕めがけて力いっぱい右足を振り上げた、「ぎゃあ」という手の主(仮)の声とともに
蹴った部分から先が地面に落ちる。
よろよろ逃げる手の主を追いかけようとはしなかった
かわりに大声で叫んだ、「俺はホワイトアサシンの#楓__かえで__#だ!」
アサシンなのに白いという認めがたい仮名を叫ぶが、ちょっとかっこいいと思ってしまうのは今年中2だからだろう。
俺は手の主が逃げた方と真逆の方へ走り出した。