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~消しゴムに大いなる愛を注ぐ少女(続き)~

<第6章天河久のコレクションルーム其参>


 薫は、今なぜか久の部屋にいる。それは久が、

 「まずは、俺の部屋に飾ってある、お気に入りのやつを見てほしいんだけど、ダメかな?」

 と、聞いてきたからである。

 その提案を断る理由は、薫にはなかった。そして、その「お気に入りのやつ」を見た瞬間、薫は悶絶した。


 それは、彼の部屋に飾ってある消しゴムの半数は、薫が月に一個づつしか買えないような高級消しゴムが占めていたからである。

 

 それらは、シー〇のスーパーゴールドが10個セットで置かれていたり、MO〇O消しゴム本革ケースが全色セットで並べられていたり、MONT〇LANCが一列にずらりと並べられていたりと、薫がいちいち失神しかけるような配置で置かれていた。

 ふと久の方を見ると、学校では絶対に見せないような破壊力抜群の笑顔で、550個以上はある消しゴム達を1つずつ手にとり、丁寧に説明してくれている。正直、メッチャ心臓に悪い。

 

 今この状況をクラスの女子に見られたりしたら、血祭りにあげられること、間違いない。だが、なかなか見ることのできないこの豪華な光景を、テスト勉強中に覚えなければならない公式を忘れても絶対に忘れまいと、薫は深く深く脳に刻み込んだ。


 そして、一通りの説明が終わった後、

 「じゃあそろそろコレクションルームに行こうか。」

 と久が言ったので、またしても間髪入れずに

 「うん!」

 と返事をした薫は、一瞬頭に浮かんだ自分が血祭りにあげられる映像を、慌てて打ち消した。

 

 そして、建物の中を歩くこと2分。コレクションルームのドアの前に到着した。さあ、いよいよ彼のコレクションを見ることができる、と薫のテンションはMAXに上がっていた。

 久が部屋の鍵を開ける。(父親に、無断で特級消しゴムを持ち去られてからつけたらしい)


 ドアが開き、部屋の中に入る。そのドアの向こうには、桃源郷にも等しい空間(消しゴムマニアにとって)が広がっていた。シー〇のRa〇dar,コ〇ヨのカ〇ケシ、ヒノデ〇シのぱっち〇くんやまとま〇くんなどのスタンダードなものから、テレビス〇ーン消しゴムや、ホシ〇のke〇pの初期状態が左利き用のものなど、マニアックなもの。おもし○消しゴムなどは全種類揃っているんじゃないかと思うほど、いろいろな種類のものが10台の棚にぎっしりと並べられていた。

 

 その他の大量にある消しゴム達も、全て丁寧に、メーカーごとに並べられていた。

うおおおおおおおおーっっっっ。いいい今すぐこの空間をカメラの容量がなくなるまで写真に撮りまくり、そのデータを半永久的に保存し、焼いた写真を部屋の一番目に付く場所に祀りたいいいいーーと、心中で長めの文章を反射的に作成した薫は、それを半分ほど顔に出しつつ、久に、この桃源郷の写真をスマホに収めてもいいかを尋ねた。

 それに久は、二つ返事で了承してくれた。そんな神様以上に心が広い久(その瞬間に薫がそう感じただけ)に今まで生きてきた中で最大級の感謝を送りつつ、薫は望み通り、カメラの容量がなくなるまでコレクションルームの写真を撮りまくったのだった…


「~消しゴムに青春を捧げた少女~」のみ、あとがき+3章も入っており、メッチャ長いですが、それはひとえに、私が小説家の卵子だから(言い訳)です。小説家の卵の段階に進むまで、まだまだかかりそうな作者ですが、どうか温かい目で見守ってやってください。あと、次回作も読んで下されば、とてもとても嬉しいです。神と(以下略)

風音紫杏

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