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~消しゴムに大いなる愛を注ぐ少女~

<第5章天河久のコレクションルーム其弐>

 今、私はなぜここにいるのだろう…頭の片隅でそんなことを考えながら、薫は天河家の一階にある客間にいる。

 それは、久が自らのコレクションルームに薫を案内しようとしたところで、まだ着替えの途中だったことを使用人から耳打ちされたからだ。

 ちなみに、それを聞いた彼は、一拍後、来た時以上の勢いで階段を駆け上がり、自室へと戻ってしまった。

 その後、めっちゃ気の利いた使用人の方が薫を客間へと案内し、今に至る。

 

 お茶まで出して下さったが、元庶民で、おまけに消しゴムマニアでもある薫は、これ一杯で消しゴムが何個買えるのかを計算しかけ、慌ててその想像を打ち消してお茶を飲んだ。

 予想通りとても美味しく、そして、とても高級そうなお味のお茶だった。

 

 あと一口で飲み終わるくらいのタイミングで、久が2階から降りてきた。久の部屋は、2階にあるらしい。同じ金持ちでも、彼の部屋の広さは自分の部屋の2倍はあるんだろうな~という考えても仕方がないことを考えつつ、薫は椅子から立ち上がった。

 そしてこう言った。

 「突然押し掛けた上にコレクションルームまで見せてもらうなんて…本当にありがとう、天河君。」

 「いやいや、お礼を言うのは俺のほうだ。×××の消しゴムを届けてくれたんだから、これくらい当然だよ。それに、消しゴムマニアの友達なんていたことがなかったから、家族や使用人以外のやつに見せたことがなくてさ。見てもらうの、嬉しいんだ。」

 と、笑顔で返す久に、

 「やめてーやめてーイケメンスマイルでそういうこと言うのホントにやめてー。」

 と、またしても薫は、心の中で絶叫する羽目になった。(本日3回目)

 「さ、行こう。」

 という久の言葉に、

 「うん!」

 と答えた薫は、慌てて残りのお茶を飲み干し、立ち上がった。

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