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~消しゴムマニアを極めるチャンスを現在進行形でものにしている少女3~

 第二十三章<日本の消しゴムコンテスト、本番開催2>

 

 「トップバッターがケシケシくんとは…やるな」

 

 にやりと口角を上げる久の笑みは、今日も今日とて神々しい。

 会場にいた全ての恋愛対象が男性な人物(もちろんさっきのゲイカップルも含む)は、当然っちゃ当然だが、その笑みに魅了された。

 

 しかしながら、薫はケシケシくんが現れる瞬間を見逃すまいと目をギラギラさせて、目から不可思議な光線が飛び出て穴が空くんじゃないかというレベルで舞台を凝視しているため、彼の笑みを拝むことはかなわなかった。

 だが、彼のひとり言に関してはちゃんと聞こえていたため、視線を舞台に固定したまま、さながら福島県の郷土玩具である赤べこのようにコクコクと、もげるんじゃないかと思う程度に高速で首を縦に振った。

 

 舞台上は先ほどのカーネ〇爺さんの言葉を最後にまたまた暗転しており、スポットライトは所在なさげにグルグルと観客席を彷徨っている。当然のことながら、薫、久、ときわの三人が座る席に直接当たることはないのだが。

 その理由に関しては、カー〇ル爺さんがプログラムに載っていた、誰かの挨拶及び誰かによるコンテストの詳細及びその他諸々を「いらん挨拶」の一言で切り捨てたことにより、舞台のセッティングが間に合っていないからだという疑惑があるが…せっかく爆上がりしたカ〇ネル爺さんの好感度を下げるのは少々大人げないので、止めておくことにしよう。

 

 その間、薫は目線と思考の九割を舞台に集中させ、残る一割の思考で菓子折りを何の詰め合わせにするかを考えかけ――まあ後ででいいやと一瞬にして考えかけたことを放棄し、舞台に集中させる思考を十割に増やした。

 

 ちなみに、候補はクッキーとゼリー又はプリンとチョコの三択である。今のところはゼリー又はプリンの詰め合わせが有力だ。

 

 そして、ようやく舞台のセッティングが終了したようで、スポットライトは舞台の中央を再び照らし出した。

 

 純白の光に照らされているのは、これまた真っ白だが、妙に芸術的なデザインかつ人見知りで内気な性格の人間(例:薫)の目つきが不良並みに凶悪に変わる程度に目を凝らすと、このコンテストを企画した会社のロゴが大量に浮き彫りされているのが見えるという変な方向に凝った消しゴムを置くための台だった。

 

 その台の上に、黒を基調としたスーツに漆黒のサングラスをかけた、そんじょそこらではお目にかかれない程にガタイの良い、どう見てもターミネーターにしか見えない男が、真っ白な手袋をはめて、まるで宝石箱のような見た目をした、ケシケシくんよりも数十倍は値の張る箱からケシケシくんを取り出した。

 

 ケシケシくんの扱いが国宝級だって?まあ気にするな。

 

 ケシケシくんは、真っ黒な色と比較的分厚い側面と正方形の裏表の面によって構成されたフォルムが特徴的な消しゴムで、カバーには青を基調としたグラデーションが施されているというなかなか珍しい消しゴムだった。

 

 近年の消しゴムマニア界で注目を集めている消しゴムの一つでもある。

 

 ケシケシくんを目の前にした薫はというと、撮影が許可されていることをいいことに、体育担当教師が見れば、何故それを授業で発揮しないのだと嘆きそうだと予想できる速度で、何枚もの写真を取り始めたのだった――

 

 

 

 

 

え~…お、お久しぶりです(-_-;)

楽しみにしていて下さった読者様。大変申し訳ございませんでした<m(__)m>

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