~消しゴムに青春を捧げた少女(続き)~
<第4章天河久のコレクションルーム其壱>
「えええええええええーっ!?」
薫は叫ぶ。
「おい、いきなりどうした?!」
「いや、どうしたじゃないからね天河くん!!」
「な、何がだよ?」
「なんで特級品って評価してるのに普通に使ってたわけ!?」
(作者の声;いや、そこかい!)
「普通なわけないだろ!」
「じゃあ何なのよ!?」
「親父に泣きつかれたんだよ!」
「はあ?何よそれ?」
「うちの学校は、制服だ。」
「関係性が意味不明なんだけど!?」
「通学バックとかも、細かい指定をしてて、自分の趣味を反映される要素がゼロだろ?」
「そうだけど…」
「親父いわく、それじゃあ天河財閥の跡取りとしての威光が十分に示されないそうだ。」
「まさか…」
「そのまさか。もう発売中止したブランド消しゴムを使ったりする細かいところから、天河財閥の威光を示す作戦だそうだ。」
(作者の声2;地味じゃね?そんなん消しゴムマニアにしか通じんだろ。もっと派手なのなかったのかよ)
「ちょっとそれ…ひどすぎない?なんで反対しなかったの?」
「親父のやつ、それを見越して、使用人にコッソリ俺のペンケースの消しゴムを×××のにすり替えさせてた。しかも、いつも入れてる替えの消しゴムまで抜き取らせるっていう徹底ぶりだ。」
「…ちょっと待ってて、すぐに会社の場所調べて抗議してくる。」
「待て待て待て。確かにショックだったけど、いいんだよ、もう…あと9個残ってるし。」
ガーンガーンガーン…薫の脳内で、ショックの鐘が鳴り響く。
ああ…所詮うちは私が小5の時に金持ちの仲間入りをした成金さ…なぜ小4の時点でそうならなかったのか、本気で悲しい。それならあの時10個は買い占めたのに…と、一瞬悲しい悲しい思考に沈んだ薫だったが、すぐ我に返り、こう尋ねる。
「ねえ、ということはさ、コレクション、他にもあるんだよね!?」
「ああ。結構あるけど…よかったら見てく?」
久の答えは、薫には天使のささやきに聞こえた。
「もちろん!!!」
間髪開けずに薫は答えたのだった…