第一部☆火星の王女 第七章☆ロカワ氏
金星と星間戦争が起こるらしい!
火星はその話題でもちきりだった。
王は土星から招いた武器商人の到来を待ちわびていた。
「到着されました。お通ししてよろしいですか?」
執事の声が室内に響いた。承諾すると、王はニヤリと笑った。
「はじめまして。ロカワといいます。みなはロカワ氏と呼びますが」
「では、わしもそうしよう。ロカワ氏。はるばるよく来られた」
「もったいないお言葉で」
ロカワ氏は敬意を表しているものの、どこか、食えない雰囲気を漂わせていた。
「土星の武器類は最高峰と聞く」
「もちろんです。私は自分の仕事にいつでも胸をはっていられます」
「まず、人体の再生槽が入り用なのだが?」
「伺っております。3台お持ちしました」
「一番確実に再生できる機器は?」
「どれも最高品質です。が、念を入れて3台、順に一度づつ使われるとより確実に再生します」
「なるほど。そういう仕様か?」
「はい」
「わかった。ならば証明してみせよ」
ふっ。
ロカワ氏は笑うと、隠し持っていた簡易武器で執事を殺した。
「むう。こやつを失うと厄介なのだが?」
「大丈夫です。見事に再生しますから」
手足がバラバラだったが、気にせず執事の死体を再生槽に放り込んだ。
「およそ5分を3台。その間、他に必要な武器など承りましょう」
「商売上手だな。そうだな、城の内部と周囲にこれは必要だとそなたが思う武器をプロデュースしてくれ」
「はい」
ロカワ氏は城内をひょいひょいと歩き回った。
「A級の設備だな。だが、俺の扱う武器は超A級だ」
ふふん、と不敵に笑う。
火星に武器を売りつけたら、今度は敵側に売りつけて、戦争を長引かせて荒稼ぎする算段だ。それが武器商人というもの。
ヤー!
ドエイ!
練兵場から怒号が聞こえた。
彼らに売りつけるとっておきの武器も色々取り揃えている。
キャー!
甲高い掛け声と、刃同士がたてる金属音が響いた。
「女か?」
ロカワ氏は一目見て、心奪われた。
赤銅色の髪、エメラルドの瞳。戦いの女神マルスを体現している少女。
「これはこれは……」
ロカワ氏はいつまでもミリー・グリーンにみとれていた。




