表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/20

第二部☆金星のリラ 第三章☆ミリーとリラシナ

「お母さん!」

夜中にミリーの声でリラシナは飛び起きた。

「なんだ。夢見て泣いてるんだ……」

頬づえをついてミリーの寝顔を見る。こぼれてきた涙をぬぐってやる。

「!。リラ?」

「目が覚めた?」

「ええ」

「ちょっと話を聞きたいから待ってて」

「?」

じゃー、バシャバシャ。

化粧をおとすリラ。

「あな、あなた男……?」

「そう」

「すっかり女の人だと思いこんでたわ」

「きみの変装よりもうまいだろ?」

「まあ」

「どんなに強がっていて孤高の存在でも、胸をしめつけるような思いを持っているものだよ」

「私は、しっかりしなきゃいけないの!」

「僕の前では気を緩めていいよ」

「でも」

すると、リラシナはひざまずき、ミリーの手をとって、手の甲に口づけをした。

「火星の王女ミリー・グリーン」

「リラ、マイリラ」

「僕の名はリラシナ。女装しているときはリラ」

「リラシナ。私は帰る場所を持たない者です」

「ならば、いつでも僕の胸に戻っておいで」

「本当に?」

「本当に」

ミリーは張りつめていた気持ちが堰を切って溢れてきた。

「おいで。僕の胸に」

ミリーはリラシナに抱きついた。そしてわんわん泣き続けた。

リラシナはミリーの背中を軽く叩いて落ち着かせた。

「私はあなたにこの心を捧げます」

「ありがとうございます」

「リラシナ。あなたがここにいてくれてよかった」

「いつでもきみのことを待っています」

「リラシナ」

ミリーはリラシナをきつく抱きしめた。

リラシナもそれに答えるように抱きしめてくれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 帰る場所が出来ましたか。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ