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第一部☆火星の王女 第十ニ章☆メーヴェ
金星からの攻撃艇が頻繁に火星を訪れるようになった。
「火星の居住区の様子を見に行きたいので、なにか乗り物をください」
ミリーが王に頼んだ。王は快く承諾した。
「王宮近くを飛ぶものは撃ち落とすように設定されているが、そなたに授ける乗り物だけは射的の範囲外にしよう」
「ありがとうございます」
執事に伴われて白い機体の発着場へ行った。
「これはなんという機種なんですか?」
「あ、俺知ってるよ。メーヴェっていうんだ。地球で漫画で空想した乗り物を描いたら、実用化されて」
ケインが熱く語った。
「かもめ、の意味だよ」
「何人まで乗れるの?」
「2、3人かな?」
「3人ですと重量オーバーで危ないですぞ」
執事が珍しく微笑んで言った。
「ケインお義兄さま。居住区の視察に行きましょう」
「ああ」
「お気をつけて」
執事が舞い上がるメーヴェを振り仰ぎみながら見送った。
「ケイン。視察のあと寄りたいところがあるの」
「わかってる。メイのところだね」
「ええ」
操縦のコツはすぐにつかめた。二人は自由に火星の空(ドーム内)を飛行した。




