ある日の幸運
「都会のコンビニの一日の売り上げは大体40万ってとこだ。アンタはここが田舎で人通りが少ないって理由でこの場所選んだんだろうが、人が少ないってことは売り上げは大してない、それは分かるか?」
急な二人の来客に感情は様々だ。一人には恐怖、一人には喜び?と思ったが、まだ中学生にもみえる
少年だと気づき少年が喜びが心配になる。
「あわわわわ」
男は、まさか職人もこんな事に使われるとは思ってといなかったであろう研ぎ澄まされた包丁を片手に興奮して叫んだ。
「っるせぇっ!!だからなんなんだよ!!!!」
「おそらく、そのあんたの今持とうとしてるそのバッグ中身は良くて10万、悪かったらその半分あるか
ないかだ、中卒の人が一ヶ月働いて稼ぐ金いくらか知ってるか?」
まだ高校に入りたてでついこの前までは中学生であろう少年はなおも続ける。
「知らないか、大体15万ぐらいだ、さて、今アンタはその中学生が稼ぐであろう金より5万ほど少ない
この店の売り上げを持ってる、その金で一体どうする?」
「なめんな!!クソガキ、この店にはまだ隠していやがる金がある!てめえみたいな陰毛もろくに生えてないガキが稼ぐしょぼい金とは違うんだよ!!」
どうも中学生と比べられるのはコンビニ強盗をおもいつくような低俗の頭もカチンときたようである。
「そんなことどうでもいい、まぁ分かった。アンタ今、中学生とは違うっていったけど確かに違うなな。」
「そうだよ!!違うんだよ陰毛小僧が!!」
「中学生は稼いだ金を自由につかえるが、あんたは違う。すぐに取り上げられて、小綺麗な部屋で一人暮らしができるようになるな」
少年は喋りつかれたようで、それが当たり前の仕草のようにポケットからタバコを取り出して
「アンタと喋るのはつかれるよ、一服させてくれ。」
なおも言いたいことはあったようだが男も殺意の目をむけながら、少しホッとする、口は暴力的だが
心は震えていた、最初中学生が出てきたときはどうしようかと思ったが、口だけで実力行使はしてこないようだと、たかをくくれた。
が
少年はタバコに火をつけ最初の一口をタバコから放すと、煙嫌いのヒステリックが悲鳴をあげる
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ
少年は悲鳴がスタートダッシュであったかのように火の点いたタバコを相手に投げ走り出し相手の股間をつま先で思いっきり蹴り上げた、安心しきっており油断していた男に抗えというのも無理な話 あえなく彼の愚息は少年のつま先の餌食となった。
ある者は恐怖と驚き、ある者は焦燥と痛み ある者は興奮と震え。
店内はその瞬間様々な感情が揺らめいたが最終的には一人を除いて二人は同じ感情を共有していた、
安心だ。
「店員さん、大丈夫ですか?怖かったでしょう。」
「子供に心配されるとはね、でも、ありがとう大丈夫だよ。君のおかげでね。」
そのまま店員が警察を呼び、少年が言っていたより早く男の一人暮らしが始まりそうだった。
その一件落着ムードの時一人の警官が少年に話しかけた。
「君ねぇ、今回は何もなかったからいいけど、怪我するところだったんだぞ、最悪死ぬところだ!」
少年の手はまだ震えていたが、それでもこれはハッキリさせておきたかったのだろう。
「死んでもよかったんです。なにもかもどうでもいいんです...もう..帰ります ご心配おかけして
申し訳ありませんでした。」
有無をいわさないように少年は踵をかえして、さっさと歩き去る。
警察もあっけにとられたが、法を遵守するものとしてこれだけはハッキリ言いたかったのだろう。
少年の背中に向かって「未成年なんだからタバコはやめろ!!」
どうしても、少年のことを忘れらずにいた、新米警察官は同じ交番勤務の先輩に話をきいた。
「あの少年のこと先輩は何か知っていますか?どうも気になってしまいまして」
「あの子か、少し前まではわが子にほしいぐらいの良い子だったんだが、今はなぁ..」
「名前はなんていうんです?」
「菊円 悠介それが彼の名前だ」
コンビニ強盗は怖いです。早く異世界にとんでからををみたい人は4話ほど先に飛んでみてください。