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5 新しい家族(爆弾)

  私ローズマリーは父親の書斎にて、自分の記憶力の脆さに絶望して自己嫌悪に陥っております。

  執事のが苦手とか、ドレスとかどうでも良かったのだ。

  思わずふらついてしまい、お姉様が心配そうに覗いている。

  しっかりと立ち直したものの、不思議そうな顔した父親の横に立つ子供を見てローズマリーは警戒していた。


「エリザベス、ローズマリー。紹介しよう。今日から君たちの弟となるハロルドだ。歳は君たちより1つ下だ。」


「よ、よろしく…お願いします。……ハロルド…です。」


  ウェーブのかかった深緑色の髪を揺らし、不安げにこちらを覗く瞳は金色だ。

  知っている。ハロルド、ハロルド・アンダーソンは攻略対象の1人だ。今はつけてないが知的なメガネキャラだ。

 もちまえの頭脳でお姉様を断罪するとき1番にヒロインに協力していた潰すべき人物ランキング3位…

  バッと横を振り向く。お姉様は一目惚れして……

  ないな。こちらをずっと見つめて笑うのを堪えている。ほっとしたが、何となく負けた気分になる。


「なんじゃあ、わしを無視しよって。」ボソッ


「ん?」


 何か聞こえた気がするけど上手く聞き取れなかった。


「ハロルド!これからアンダーソン一家としてよろしくね!私がエリザベスよ!」


「あぁ…ローズマリーよ。よろしく。」


「それでは、仲良くするように。2人とも屋敷を案内してあげなさい。」


 そういうが早いか、父親は3人を書斎から優しく送り出した。まだ仕事があるらしい。書斎は初めて入ったが、紙の束が凄かった。なかなか大変そうだ。


「お父様ったら!サプライズが好きなのね!ハロルド、まずはどこから行きたい?」


「あ、あの……僕は…」


 すかさずお姉様とハロルドの間に滑り込む。


「お姉様!まずは、ハロルドのお部屋から知っておいた方が良いのでは!」


 それもそうね。とお姉様は笑っている。きっと私が慌てているのを見て楽しんでるんだ!お姉様はそのままラシェルに部屋の場所を聞いている。今だ!


「ハロルド、お姉様に変な気起こしたら潰す。」


「ひぃっ」


  とりあえずガン飛ばしは出来た。ハロルドは固まったが、お姉様が戻って来たので笑顔で迎える。

  部屋は私達の部屋の向かいのようなので私はハロルドの手を掴んで案内することにした。

  微かに震えているけどきっと緊張しているのね!

  ハロルドの部屋に到着した途端、お姉様は人払いをして扉を閉めた。


「ハロルド君にお話があります。」


「な、なんじゃあ!」


 ハロルドそんな口調だったか?お姉様はいきなりどうしたんだ?


「あなた転生者ね。」


「「えぇ!?」」


 私とハロルドの声が重なった。お姉様は笑って私の妹と弟が可愛いわ!と言っている。


「お、お姉様それはどういう?」


「そうじゃあ!なんでわしがここのもんじゃないとわかったぜよ!」


「それよ、それ!後でどう転ぶか分からないから直さないといけないわね!」


 た、確かにゲームのハロルドとは似ても似つかない様な話かただけど…。


「っていうことは私の杞憂?うわぁーバカしたわ私。」


「なんじゃあ、さっきの脅しは転生ちゅうの隠すためじゃったか。そうならそうと言わんか。」


「腹立つぅー!ちょっと貴方!ハロルドはそんなヘンテコな喋り方しないわ!そこに座りなさい!」


「変とはなんじゃあ!おまんも顔と言ってることがあっとらんぜよ!」


「あはは!出たわね!ワル麻衣子ちゃん!あははははっ!ハロルド君は想像以上ね!いいわね!好きよそういの!んふふふっ」


  お姉様が笑ったので私は怒りが消えてった。

  ハロルドも戦意喪失したようでさっきの勢いは無くなっていた。


「…なんじゃあ、姐さんはわしが怖くないちゅーがか?」


  そう、これがお姉様…先輩を大好きになった1番の理由


「怖い?んふふ、素敵じゃない?」


  どんな私でも受け入れるとこ。


「そうがか……。おまんさっき、ハロルドがどうとか言っとったのう。」


「そうだけど…何?」


「詳しく説明するがか、姐さんが気に入ったきに、話を聞いてやらんくもないぜよ。」


「そう………やり直し。」


「はぁっ!?」


「あんたに説明なんてしなくても別に私1人でお姉様を助けれるもの!つまりあんたに説明する義理なんてないのよ!どーしても聞きたかったらちゃんとお願いする事ね!」


「なんじゃと!?」


「あははっもう無理!2人とも最高!あはははっ」


 その後、お姉様がちゃんと2人を落ち着かせて、ハロルドと仲良くなり、ハロルドもお姉様をゲームのエンドから守ろう計画の仲間入りする事になった。


その後の小話

◇◇◇

ハ「おっかぁ!(≧∇≦)」

ハロルドが元気にドアを開けて入ってきた。ここに来るときはとても不安そうな顔をしていたのに…。

私はササリン。アンダーソン家に嫁いできたハロルドを産んだ母親です。旦那は事故で亡くなってしまい、ハロルドは顔が整っている優良物件なので奥様が亡くなってしまったアンダーソンの領主様と再婚することになった。

サ「ハロルド。言葉が乱れています。そんなに慌ててどうしたのですか?(*´v`)」

ハ「俺!と、友達出来ました!とっても良い奴なんです!お母さんに伝えなきゃって!(≧▽≦)」

サ「まぁ!それは良かったわ。どなたなの?(*´v`)」

ハ「エリーとマリーっていう子です!アンダーソンの!(≧▽≦)」

サ「…そ、それは新しい家族の姉妹では無いかしら?(;´v`)」

ハ「家族で友達なんです!最強でしょう!(*`∀´*)」

ウチの子が可愛い!最強!尊いわぁ!公爵家という高い位の貴族になって不安だったけれど、この子が笑っているから大丈夫ね。


この後、二人と面会してササリンは三人の我が子マジ尊い!と親バカが加速した。

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