4 ドレス選び(暴走)
私ローズマリーはメイドのティーナとお姉様と一緒にサロンでパーティに着るドレスについてこの国1、2を争う商家のスペンサー家の方々と相談していた。
流石です公爵の父親。娘のドレスに金をかけることに躊躇いがない。
スペンサー商家はドレス以外にもアクセサリーや、オシャレな家具、異国の楽器までと、とにかく沢山の商品を品揃えているらしい。
なんでもいい商品をそれ相応の価値で売るをモットーにして貴族からの信頼が高いんだそうな。
お姉様ははしゃいでる様子です。ゲームのエリザベスと違ってお姉様は必要以上に金を消費したりしないので、新しいドレスのときはいつも慎重に選んでいるようです。
こういう所もゲームと違ってお姉様は素敵です!
「スペンサー様!わたくしマリーとお揃いのドレスにしたいの!素敵なデザインのドレスはないかしら!」
お姉様は何度かスペンサー商家にお世話になっているらしく手馴れている。お揃いが嬉しくてお姉様フィルターがかかっている訳では無い。
「今流行りは!パステルのフリルをふんだんに使ったお花の様な可愛いドレスなのよねン♡お嬢様たちならとっても似合うと思うわァ♡」
ティーナは乙女なので流行の知識をバッチしなのだ!
「おやおや、エリザベスお嬢様は妹君と中が宜しいのでございますなぁ!えぇ、今流行りは王妃様が着ていらした外国の軽くて柔らかいパステル生地を使ったドレスでございます。ただいま布を持ってこさせますのでどうぞ直に触ってみて下され。」
そういうと、お話をしていたスペンサー家代表の方が後ろを向いて「ヨハネス、布を幾つか持って来てくれ」と言った。
私はビクっとなってお姉様は「どうしたの?」って心配してくれた。「大丈夫。」と応えはしたもののヨハネス…どっかで聞いたことがある。
会ったことないはずだから、前世の記憶だ。これも後で伝えなければ!
「それにしても、ローズマリー様とエリザベス様が流行りのドレスを身につけたら周りのご子息様達の注目の的でございましょうなぁ!」
もう少しで思い出せそうなのだけど…
ヨハネスと呼ばれた少年(多分同い年ぐらい?)がニコニコと色鮮やかな布を沢山持ってきた。少し目が合ったけどすぐ逸らされた。
ふわふわの茶色の髪で綺麗なエメラルドの瞳の仔犬みたいな印象だ。顔は整っていると思うけど…
それよりドレス…余り目立ちたくないなぁ…
「とても素敵な色の布ね!肌触りもいいわ!沢山色があって迷っちゃうわね!」
なんだろう?この感じどれも違う様な…
「はぁい!ワ・タ・シ・ローズマリー様はピンクが似合うと思うわァ♡ローズマリー様の瞳はすっごく綺麗だもの!ドレスも同じ色にしたら素敵じゃない♡」
ティーナがクネクネして言う。私はモヤモヤしていた。何かが引っかかって詰まる感じがする。
「ティーナあなたさては天才ね!そうしましょう!お揃いのドレス楽しみだわ!」
…お姉様もパステルを着るの?
「では、お揃いでしたら…」
「お、お姉様は流行りのドレスのようなパステルよりも、エレガントな色か明るい灰みの色の方が似合いますわ!解釈違いです!」
……。違うそうじゃない!何やってんだ私ぃ!!心の中でやってしまったどうしよう!3人ともいきなり大声出したから固まっちゃったじゃん!
「そ、それは…
とってもいいわ!流石だわマリー!スペンサー様!色違いのお揃いお洋服ってできますかしら!」
「えぇ、できますとも!ローズマリー様はよくエリザベス様をみていらっしゃいますなぁ!」
「それだったら♡フリルは控えめでもいいかもしれないわネ!もっと、こう素材を生かす感じでぇ〜…」
3人でどんどん話しが進んでいく。よかった。
ようやく話しがまとまり、ドレスのスケッチが完成した。採寸は後日するらしい。お姉様とスペンサー商家の皆さんをお見送りした。
「エリザベス様、ローズマリー様、書斎まで案内致します。」
馬車が見えなくなるまで手を振っていたら後ろから声をかけられた。振り返るとお姉様お付の執事のラシェルがいた。無駄に顔がいいが表情筋が死んでいる。何考えてるか分からないので、個人的に苦手だ。
「お迎えありがとうラシェル。行きましょマリー。」
差し伸べられた手をとる。そしてまたモヤモヤしながら書斎へと向かった。
ヨ「百合かぁー。ちょっと俺のストライクゾーンに入ってないんだよなぁ。同じ同性愛だけど。…あ!二人とも脳内変換で男にして仕舞えば美味しいのでは!俺天才!あぁもっと見ときゃよかった!クソッ俺のバカ!またドレス頼んでくれないかなぁ。」
ヨ・パパ「おい!また妄想してたのか!さっさと手伝え!」
ヨ「は〜い。」
ロ「お姉様なんか寒気が…(~_~;)」
エ「なんでかしら?私もなの…(^ー^;)」
ヨハネスは腐男子だった。