2 お茶会(会議)
私ローズマリーは流行病により死にかけていた。その中で社畜の麻衣子の記憶を手に入れ、混乱する感情も落ち着き、私の味方のメイドのティーナの情報でここが前世で1番大好きだった乙女ゲーム『ミモザの様な魔法と恋を君に』であることを知った。
そこから更に情報を知ろうと本を読み漁っているときに今まで隔離して暮らしている父親に連れていかれエリザベス(悪役令嬢)に出会い実は同じ会社に勤めていたの先輩だった事を知る。めでたしめでたし。
「ダメじゃん!!」
エリザベスこと先輩が人払いしてくれた家の敷地内の薔薇園の中でのお茶会で私は思いっきり机を叩いた。今や体隅々まで洗われヒラヒラフリフリのドレスを着て完璧な令嬢になったローズマリーは心が荒れていた。
「ふふっ 元気になったわねぇ〜」
この呑気に紅茶を飲んでいる美少女になった先輩はことの重大さに気づいてないのだ!前から天然というかマイペースな性格だったけれど!もっと酷くなってる気がする!!
「先輩!わかってますか!ここ日本じゃないんですよ!死んじゃったんですよ!!」
「もぉ〜わかってるって!異世界に貴族に魔法!飛行機墜落事故で死んじゃった事は残念だけど、楽しみましょう!」
「そうじゃない!!」
私と先輩は出張の帰りの飛行機のけたたましい警告音で記憶が途切れている事は共有済みだ。そして記憶に関しては、先輩も流行病にかかってそこでおもいだしたらしい。だが、もういいこの際その事はどうでもいい。
「先輩が悪役令嬢なんて信じられない!!」
私と先輩は長い付き合いは長いのだ!小学生の頃から気の合う先輩は!私の目標で!ずっと追いかけて!同じ会社までいった!大好きな先輩が!よりにもよって悪役令嬢なんかに転生したのだ!!神がいたら殴ってやる!!
「もぅ、先輩じゃありません。お姉さんです!いいじゃない悪役令嬢。私そういう本大好きだったわよ?でもやっぱり悪役令嬢な私は嫌い?」
「無理です〜好きです〜」
「ふふっどっちなの?私は麻衣子ちゃんなローズマリーと姉妹になれたの神様に感謝してるのよ?」
神よ、許さんがやっぱり殴るのは勘弁してやる。
「それは置いといて、その乙女ゲームってどんなお話?詳しく聞かせて!」
「ゲームでは、100年に1人しかならない聖女の力に目覚めた主人公が繰り広げるドキドキハラハラの学園ストーリーです。攻略対象は隠しキャラ入れて5人のハッピー、ノーマル、バット、ハーレムがありますね。」
「ま、待ってね!ちゃんと覚えるから!」
「…私部屋のノートにゲームのことまとめたやつがあるので、後でゆっくり見ましょう。」
「流石出来る子!妹になってくれてありがとう!本当に心強いわ!私1人だっらどうにも出来なかっただろうし!」
嬉しくて、思わさずニヤけそうになる。前世から先輩は褒めるのが上手だ。いつも支えてもらった。だから今度は私が、
「あ、でも悪役令嬢の最後は知っておきたいな!」
やっぱり無理かもしれない。
「あ、あの、先ぱ」
「やっぱり処刑かしら!平民落ちも大変になりそうね、もしかして、攻略対象の相打ちなんてのもあるのかしら!島流しはあんまり聞かないけれど、修道女になるっていうのもありよね!もしくは移動中に荒くれ者達に暗殺されちゃうとか!」
「なんで嬉しそうなんですか!」
「え、もしかして…にく」
「違います!年齢指定は15です!平民落ちか処刑、たまに相打ちぐらいです!」
ぜーはーと息を整える。神よやはり殴ってやる。
「とにかく攻略対象にはあんまり近ずかないほうがいいですよね。」
「そうよね。でも攻略対象って王子様は外せないものね。難しいかもしれないわねぇ。」
「どうしてですか?何かあるんですか?」
「第一王子の誕生日パーティよ。私達の社交界デビューも兼ねて参加するはずよ。」
「い、いつですか?」
「来月♡」
可愛らしく告げる先輩に私はムンクの叫びの様な顔で言葉にならない悲鳴をあげる。うふふ、あははと先輩は笑ってるけど!笑い事じゃない!!
「先輩!」
「お姉さんです。」
「お、お姉ちゃん!私がお姉ちゃんをお助け致します!」
前世お世話になった先ぱ…お姉ちゃんおために私は頑張る!ゲームのシナリオの様に暗い未来なんかにお姉ちゃんを渡すもんか!
エ「キャー!ローズマリーちゃんかっこいい!頼もしいわ!(*≧∀≦)」
ロ「茶化さないでください!本気です!o(*`^´*)o」
エ「…お父様に会わせてくれないなら嫌いになるって言ってみてよかったわ。(*´v`)」ボソッ
ロ「何か言いましたか?(´・ω・`)」
エ「なんでもないわよ〜!(●︎´▽︎`●︎)」
エ(鈍感なところも昔のまんまなのね!(*´ 艸`))