85/205
空言、第二章
空言の第二章が
始まった気がした
私と彼は
元々出会っていた
出会う順番さえ違っていれば
なんていうことは全くない
私と彼は若い頃
出会いながらも
友達として以上に繋がることはなかった
それには決定的な理由があった
それは
どちらも支える側の人間であった
というものだった
もしかしたら最近の私は
以前より少しだけ
オトナになれたかもしれない
人生を長期スパンで考え始めた
距離感をより一層大事にした
季節ごとに会いたくなる煩悩を
きらきらと流れる小川に
捨てた
遠い果ての地で
会わないと決めた彼の幸せを
ただただ願う日々の
始まり




