74/205
虚しさが世界を広げる
カーテンの隙間から
溢れる日の光を受ける朝
目覚めると同時に
私のことを思い出してくれてありがとう
詰め込むように働き続けて
やっと休息を取ることができる昼
お弁当の蓋を開けた後に
私のことを思い出してくれてありがとう
仕事から帰宅し
食事と団欒を終えた夜
目を閉じる前に
私のことを思い出してくれてありがとう
でも、私は私で
こちら側の世界で
ちゃんとやれています
だから、あなたが私を
徐々に思い出さなくなっていっても
何も問題ありません
あなたが知らないところで
私は自分の可能性を高めます
あなたが
思い出さなければ思い出さないだけ
私の世界は広がってゆくのです




