表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/205

ころころ〜、ころころ〜

ジョッキから手を離してうなだれる私に

向かいの席の彼女はこう言ったわ


「そんなの転がしちゃえばいいんだよ」


そして彼女自身の頬の斜め下あたりで

手の平を天井に向け

まるで小さな玉を転がすようにして

言葉を続けた


「ころころ〜、ころころ〜」


私の目に映るのは

飲みかけの生中

食べかけの塩キャベツ

用済みの串

電灯に照らされてやけに輝いている彼女


「ころころ〜、ころころ〜」


まるで催眠術かのようなその響きは

恋の悲惨な有様に呆然としていた私の心に

徐々に浸透していったのです


「男なんて転がしちゃえばいいだよ」


大衆居酒屋に突如現れた女神さま

あなたのお言葉が身に染みる今日この頃


ころころ〜、ころころ〜


最初から手に入らないと決まっている恋なら

それぐらいがちょうどいい

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ