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言葉にすると紙屑だった
話せば話すほど
それはまるで紙屑のように軽い内容で
焦りと違和感で口元を押さえた
『伝わらない』
最初の印象はそうだった
私に起こった不思議な出来事を
日々をかけ幾重にも厚くなった感情を
説明しようとすればするほど
正確には伝わらない
むしろ気づかされる
私が真剣に浸っていた世界は
他人の目から見ればひどく陳腐な代物で
躊躇いもなく蹴り飛ばされるような物語
善と悪が混じり合う虹色のゼリーの
美味しい部分だけを両手で掬い取り
生きるための食物にしていた私に
その成分表が提示される
「あー……、これ、身体に悪かったんだ」




