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発するべき声が繋がってしまった
どうしてこのタイミングなんだろう
と思った
あなたが何の前触れもなく
数ヶ月ぶりに
電話をかけてくれた
私が何度か
「電話できる余裕とかあったりしますか?」
と問う度に
申し訳なさそうに断りながら
次案も出さなかったあなたが
それはもう
「あ、この人はそこまでして私と
電話したくないんだな」
と思うよ
だから私は
あなたの声を聞きたいと
お伺いを立てることを
一切やめてたんだ
なのに
「どうしよう」
その奇跡の電話の中で私は
DMだけのやり取りなら
絶対言わなかったであろうことを
溢してしまったんだ
「好きだと言ってくれる人が現れたんです」




