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敵わないんだよ、もう
私はきっと
今与えられている任務に見合う
ご褒美ぐらいは日々もらえているんだろう
私はきっと
ひょんなことから製菓スタッフぐらいには
なれてしまうんだろう
私はきっと
なんだかんだでまた昔の友達と
わいわいがちゃがちゃするんだろう
あぁでも敵わないよ
全部敵わないんだよ
私の最大限の告白に対しての
君からの曲名の羅列という返信には敵わないんだよ
その中にたまたま
男女の逃避行を奏でている曲があるとか
敵わないんだよ、もう
私の心はあの日の君との光景に
画鋲みたいな形のピンで止められたままで
そこから一生動けずに
私自身は消えてなくなるまで生きるだけだ
だから自分の誕生日
最近色気のない生活してるなぁなんて話題になった後
そんな告白がこぼれ落ちてしまったんだ
「夢が叶うなら、私は君としたいよ」




