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果汁で手をどろどろにしながら君を想う
初めて無花果を買った
先日食べた無花果のケーキが
予想以上に美味しかったからだ
何でもいいから
新しい世界を見続けたい
そういう思いも込めて買った無花果だ
今日の私は
無花果で満たすことができた
明日の私は
無花果で満たすことができないだろう
無花果は置いておくと
すぐどろどろになってしまうらしいから
わざわざ採れたてのものを
市場まで買いに行く人もいるそうだ
私は無花果に対して
そこまでのことはできない
でも君が楽しんでくれるのなら
どんなに道理に外れていることだってできる
君なら
今日の私も
明日の私も
永遠に満たせる




