193/205
何を話すことがあるの?
私はこの光が途絶えるまで
君と繋がっていたいんだろう
この何の拘束性もない
両手のひらの中の微弱な光
数年前に元同僚が
久しぶりに二人で飲もうとしていた
私と君に向けて言った
何気ない言葉を今でもたまに思い返す
「あなたたち
今さら何を話すことがあるの?」
私はふふふと笑ってしまう
近況話がたまった数年ぶりの再会で
そう思われるのなら
じゃあほぼ毎日連絡を途絶えないように
微弱な光を守っている私は何なのだろう
立場も違うし
悩みも違うし
本質的には趣味や好みも違う
何にも話すことがないなぁって
思う日もあるよ
あぁでもまだ
光がかろうじて残っているんだよ
君からの私への興味が
まだ残っているんだよ




