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すでに治癒は完了している
君はきっとあの時期
間違いなく弱っていたんだと思う
まるでその心の空白に
ピタッとあてはまるピースのように
私が
舞い降りたんだ
私も私で当時は
もう頑張れない、誰か助けて
と思っていたし
だからもういいんだと
何らかの魔法めいた効果で
すでにお互いの「治癒」は終わったんだと
でも私はこれ以上
「好きな人」を更新したくないんだと
余生は主に
「記憶」と一緒に生きてみる
もう「君」で終わりなんだ
私の人生は
君が私を必要としないくらい
幸せになってくれて嬉しいよ




