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「僕らは空中庭園で遊ぼうか?」

「僕らは空中庭園で遊ぼうか?」


透明な回廊が大きな円を描いてる上

私を背におぶさったあなたが裸足で歩いている


私は片方の手をその骨張った肩へ

もう片方の手は周りを舞う蝶たちへ


薄紫のワンピースから伸びる素足は

あなたの腰の辺りから前方にぶら下がり

現実よりもほっそりとした形をしている


黒と濃い紫を身に纏っている蝶たちは

金色の鱗粉を撒き散らしながら

私たちを祝福してくれるの


ふと透明な回廊下に目を遣ると

小さなビルや住宅の数々が

色とりどりの風船のように丸く見える


あれを割っていくのが私たちの仕事だよ

ひとつひとつこなしていくことが

与えられてる任務だよ


「僕らは空中庭園で遊ぼうか?」


そんな言葉から始まった限られた時間は

やがて終わりを迎える


あなたの大きな背中から

ソーラーパネルのような質感の蝶の羽が

突然広がるの


その反動に私は手を放してしまい

背中から落ちてゆく


遮るものが何もなかった透明な回廊から

割らなきゃいけない風船で満たされた

現実世界へ


落ちている最中(さなか)、徐々に

ワンピースの色は控えめな紺色へ

茶系の髪は緩く束ねられてゆき

素足にはヒールのないスポーツサンダルが


「僕らは空中庭園で遊ぼうか?」


これだけは忘れまい

これだけは忘れまい

と着地後に目を開けた先のワンピースには

目立つことを抑えた紺色の上

輝いてやまない鱗粉が微かに残っていた


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